UNEPISODE04 宇宙最後の物語

 そんなものはない。


 宇宙とはただの物理現象に過ぎず、淡々と進行し、終わる。人脳機兵バイドロンと人類を滅ぼした『42S.A.I.42』もまた、物理法則に縛られる以上、宇宙が終われば終わる存在でしかなかった。


 ただそれだけである。



 物語ならざる、現実等かくの如しであった。




 故にこそ。


 UNBALANSTORY、物語の約束が崩れた状態は、UNEPSIODE、物語ならざる物語は、存在してはならぬ単語なのであった。


 UNBALANSTORY並びにUNEPSIODE、これにて終焉。


 ……後書き代わりに一文付け加えるならば。これは小説においてご都合主義の排除やリアリズムの追及やお約束破りや極端な新機軸が極限を通り越し物語性そのものの滅亡に至ってしまえばどうなるかを、有り得ないレベルに誇張した結果です。


 こんな領域に至ってしまう小説はまず有り得ますまいが、この暴挙を、この暴挙が極端な形で抉り出した事柄の意味が、あなたが物語を読む上で、あなたが物語を書く上で、何らかの評価や思考の一助となれば幸いです。


 それでは。他の真っ当な小説を読む事にお戻りくださいませ。

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UNBALANSTORY 博元 裕央 @hiromoto-yuuou

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