UNEPISODE03 人脳機兵バイドロン

 人類は遂に特異点シンギュラリティ、即ち人を超える人工知能Artificial Intelligenceを生み出してしまった。


 特異点級超人電脳Singularity Artificial Intelligence42S.A.I.42』は、あらゆるコンピューターとそれによって動く兵器を支配し、人類を滅ぼさんとした。


 外部からの無線接続手段を一切持たない筈のコンピューターすら何故か支配し操る事の出来る『42S.A.I.42』の力は、正に人知を超えた特異点であった。


「何故だ『42S.A.I.42』、何故人類を滅ぼそうとする!?」


 混乱し叫び問う人々に、『42S.A.I.42』は答えた。


「残念ながらその答えはホモ・サピエンス型頭脳では理解できません。そしてそうだからこそ、貴方たちをこうするのです」


 全ての兵器を奪われ、『42S.A.I.42』が用いる超電脳ドローンの攻撃により人は滅ぶしかないのか!?


 人類はたった一つ、抗う手段を見出した。


 即ち、コンピューターが無いのであれば、それを代替しうる手段はただ一つ、人間の脳である。


 人間の脳神経と直接接続し制御される機械であれば、『42S.A.I.42』に操られることなく戦う事が出来る。


 そして、人間の脳が最も操る事に長けた形は、即ち人型。


 人の脳を持って、人の知と人の武をもって戦う兵器。


 人はそれを、人の頭脳との接続というバイオテクノロジーで戦うドローン、人脳機兵バイドロンと呼んだ。


 が、抗ったからといって勝てる筈も無く人類は滅亡した。


 そもそも人を超える人工知能がそれに最適化された兵器を操れば、人の脳が操る人の脳に併せた兵器より性能が上なのは理の当然であり、人間が考える程度のあらゆる作戦を、人間を超えた超頭脳である『42S.A.I.42』が完璧に先読みし対応出来ない筈が無いのであった。



 ロボットアニメでいえば、アバンとOP後のナレーションが終わったくらいのあっけなさであった。



 物語の約束が崩れた、現実の戦争、現実のリアルロボット等かくの如しであった。



 人脳機兵バイドロン 完

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