家内探検
桜牙
第1話
休みの日の朝。
「あーあ、また雨か、これじゃあ遊びに行けないなあ」
窓から外を見て遊びに行けないことを知りがっかりする。
持ってる漫画は全部読み飽きてしまったし、うちにはゲーム機なんてないし、トランプやカルタなどはあるけど一人ではできない。
友達とおしゃべりしてもいいけど、長時間にわたって電話をするとまたお母さんに怒られる。
「うーん、どうしようかな」
自分の部屋では出来ることも限られている。それにわくわくもしない。
だから他の部屋で楽しいことを探してみることにした。
まずは、お父さんとお母さんの部屋。
気になるところは化粧台。
お母さんがいつも変身してる場所。
中を開けてみるとそこには見たこともない道具がいっぱいあった。
お母さんみたいに綺麗になりたくはあったがどれも使い道がわからない。
その中で一つ口紅をとって開けてみた。
じっと口紅を見つめた。
「綺麗な色」
そういうと口紅の奥にある鏡を覗き込み自分の唇をなぞっていた。
「可愛くはなりたいけど、使い方がよくわからないし。勝手に使うと怒られてしまいそう」
興味はあったけど怒られるが嫌で口紅を元に戻して二人の寝室を後にした。
次はお父さんがよく一人でいる部屋。
お父さんはなかなかこの部屋には入れてくれない。
けど今日はお父さんも出かけてる。
恐る恐る部屋のドアを開ける。
ドアの隙間から中をのぞいてみた。
そこには背の高い本棚がいくつかありその中にはたくさんの本が詰まっていた。
それだけではなく本棚の前にもいくつか本が山積みになっていた。
「わあ、すごい。本がこんなにたくさん。うちにも図書室があったんだ」そういうといろんな本を手にとってはみていた。
その中で一つ気になる本を見つけた。
それは子供向けの小説だった。
初めは本棚なの前で立って読んで居たが続きが気になり気がつけば椅子に座って読み更けてしまって居た。
本を読み終えた。
ああ、とても面白かった。
まるで自分がヒロインになったみたいで時間を忘れて読み終えてしまった。
お腹の音がなる。
お腹が空いたな今何時なんだろ。
お腹をさすりながらそんなことを思い机にある小さな時計を見てみた。
もうこんな時間。
通りでお腹が空くわけだ。
部屋を後にしてご飯を食べた。
その日の夜は興奮してなかなか寝付けなかった。
窓から外を見てみる。雲ひとつない快晴だった。
「あーあ、晴れちゃったか。仕方がない外で遊ぶか」そんなことを言いながら彼女は遊びに行く準備をして出かけていった。
以前と違うのは彼女の持ち物の中には文庫本の小説が入っている事だった。
家内探検 桜牙 @red_baster
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