のうなしのあそび

安良巻祐介

 

 ピエロットのロボットとつるんでいたら、喋る筈のないそいつが突然、英語みたいな、知らない言葉で喋り始めたので、気持ち悪くなって、手近な崖から突き落とした。

 崖の下の緑の少し薄くなったところに、手足を四方に投げ出した、どこか安らかそうなポーズで、ピエロットは、永遠に動かなくなってしまった。

 それからずっと、いつ見に行っても、そいつは同じ恰好で、崖の下に横たわっている。

 僕は、いくつになっても、大人になっても、何度もそれを見に行って、そのたびに、背中がゾッとするような気持ちになる。

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のうなしのあそび 安良巻祐介 @aramaki88

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