現実を受け入れられないときに、人は夢に逃げる。しかし、逃げた先でもどうしようもない現実にぶち当たったら?目覚めたくない夢の中で、もがいて、苦しんで、変えたいと願って……。夢は、願う力だ。物語は、変える力だ。願い、変えて、叶わないはずがない。
言葉の選び方、一つ一つが丁寧で、綺麗でした。こんなにも胸が苦しくなるような小説は久しぶりに読みました。読んだ後に、苦しかった胸が酸っぱいような甘いような気持ちになりました。主人公の男の子は、最後の夢の後に会えたのか、会えなかったのか…気になる所です。これからも期待しています。
最初から、え? どうなっているの、どうなっちゃうの? で、どんどん読み進み、最後の最後まで、結末が想像できず、ドキドキしました。昔好きだった人の死を覆すことができるのか?未来を知っている僕と知らない彼女との交流には、ちょっぴり切なく、青春のノスタルジックな香りがします。ラスト……そうきましたかぁ。終わり方も読者の想像をかきたててくれて素敵ですね。
どうやったら、救えるのか。主人公は悩み、時間だけが過ぎていく。最後は救えるのか?救えないのか?これは緻密で繊細で綺麗で透明で。これほど心にスッと入って、心にしみてくる物語は一体どれほどあるだろうか?そこまで、多くはないだろう。あなたはこの物語は読んで後悔はしない。