インタレスト
アスタ
序章
目を開けると見渡す限り真っ白な世界が広がっていた。
何も思い出せない。
手のひらには微かな温もりだけが静かに残っている。
その温もりだけが自分の存在を示してくれていた。
ほつれた糸を解くように、
温もりから大切な何かを思い出さなくてはいけない。
そんな衝動に駆られる。
「この温もりが消える前に…早く…て…」
頭の中で少女の声が響く。
どこかで聞いたことのある懐かしい声。
声の主を思い出そうとすると
頭の中に靄がかかり思い出せない。
-----そして思い出す。
俺は大切な誰かに手を握ってもらいながら
死の世界に旅立とうとしている。
そして、温もりを頼りに何もかもを思い出し、
生きかえり感動の中、ハッピーエンド…
この物語は残念ながらそんな物語ではない。
この物語は、あなたのいるリアルな世界とは違う。
そして、今まで誰かが創作した世界でもない。
今まで誰も想像もした事もない
見た人が紡ぐ物語が今、はじまる!!
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます