設定もしっかりしてるし主人公の最強っぷりも読んでて面白い。
とはいえ遠回りが過ぎる。
一か月間の話に200話程度使ってるのが意味わからん。
これの原因はまあ主人公以外のキャラクター視点での話が多過ぎるからだと思う。
確かにキャラの心情ってのは大切だし、別視点での話で、そのキャラの心情はより分かりやすくなってはいるけど、いくら何でもやり過ぎ。
しかも360話の現時点でやっと、一番最初の転生目前って時間かかりすぎ。
しかも目前とはいえあと50話くらいは実際に転生するまでにかかるんじゃないかな?
設定練られてる割に転生条件とか明記されてないし、折角ゲームなのにステータスとかレベルが全くわからない。
それに、勇者同盟や自警団がでかい組織で無視出来ないって表現されてるけど実際どれほどの影響力、財力、力量を持ってるのか全然分からない。
主人公の戦闘力が凄いのは分かるけど、それに次いではっきり分かる実力者がスバル、ニャン子くらいで主人公との比較対象が少な過ぎる。
総じて言えることは、作者の頭の中にある練り込まれた設定によると、作中での矛盾とかはなく順調に話が進んでるつもりなのかもしれないけど、読者に提示する物語の本筋に関わる情報量が少ないのに、単純なゲームとしての仕様だけを必要ない量書き連ねてら感じ。
しかもその本当に重要な仕様に関する情報は殆ど明かさないままだし。
360話もやってて初転生すらまだで、あと魔王まで何回転生する必要があるんだ?
しかもその転生の詳しい仕様すら分からないし、レベルってどこまで上がるの?とか。
それに短剣の使用も本来の戦闘スタイルじゃないんでしょ?
ちょっとやばない?
用意されたのは広大な舞台。
王道を望むなら同じプレーヤーと共に剣を持ち、協調の道を歩むべきだろう。
覇道を望むなら他のプレーヤーを出し抜き、己の技を、知恵を持って進めばいい。
自身の時間を、努力を、知識を駆使し頂点を目指すトッププレーヤーたちの熱きバトル。
作りこまれた世界観と、各々のゴールを目指すプレーヤーたち。
現実に似ていて、けれどもゲーム故にむき出しのそれぞれが抱えるエゴが交差するカオスは
見る者を引き付ける魅力を孕んでいます。
王道MMOの舞台で繰り広げられる情報戦、心理戦。
殺伐とした、けれども熱さを秘めた本作を読めば、MMOに打ち込んだ経験のあるあなたならきっとその熱を感じることができるはずです。