設定はいい

往年のネトゲプレイヤーから見ても設定や人間関係には共感できる部分が多い。たしかな下地から描写されているのだろう。
しかしながら、あまりにも遅い物語進行で、半分も読むころには食傷気味だ。

ネトゲとは本来、膨大な時間を費やさなければ楽しめないものである。それを小説にする意義は、退屈な作業部分を取り除き、カタルシスを抽出して、手軽に楽しめるものに昇華することにあるのではないか。
3年という期間、文字数ベースで100万文字を超えてようやくサービス開始2か月という進行では、魅力がかなり薄まってしまっていると言わざるを得ない。

惜しい作品。