3転目 カイトってどこにでもいそうだもんね

『設定画面』

性別

男・女



名前



職業(変更可能)

タンク・ファイター・ウィザード・ヒーラー・その他…




・・・。

ただのゲームじゃねぇか!?何、設定画面って!そういうの無しで飛び込んでいくもんだろ!?分かってないな!ディオンのやつなんにも分かってない!

そんな愚痴を脳内で散々と吐きながら設定をポチポチしていく。

これでクソゲーだったら・・・俺が1度死んだ意味がなくなってしまう。頼むぜ異世界サマ。えっと、性別は男で。

・・・・・・・・。名前って本名かな?まってえ待って?え?名前・・・。

カイト、でいいか。んで職業か。今んところはカッコよさそうなファイター、だな。

設定終了ボタンを押すと、そこから大きな門が出現した。ここを通れば、異世界・・・!


よし・・・行くぜ、異世界転生!!


門を通った先には・・・!RPGでよくありそうな中世ヨーロッパのような街感が目の前いっぱいに映し出された!

「お、おぉぉ!」

ここから俺の冒険が始まるのか!

「ん?あんたもしかしてこっち来たばっかか?」

道の真ん中ではしゃいでいると、後ろから声を掛けられた。なんだかよく分からん男だが、一応出会いだ!

その男はそれなりにガタイがよく、地毛か染めたか、茶髪だった。しかもかなりの高身長。

「あぁ、ついさっき来たばっかなんだ」

「お、あんたもか。実は俺もなんだ。仲良くしようぜ。どうだ?集会所まで一緒に行こうぜ?」

なんて爽やかでイケメンなんだ。そんな堂々と親指を立てられちゃ断れねーだろ!

「おう。よろしく頼む。俺の名前はカイトだ」

「俺はムーってんだ。こっちこそ宜しくな」

固い握手を交わしてから俺は男・・・ムーに尋ねた。

「で、集会所ってどこだ?そもそも集会所なんてあったのか?」

「おう!その辺はさっき街の人から聞いたさ。確か、ここをもう少しまっすぐ行ったら右側にアーチみたいなのがあるらしい。そこを曲がればいいんだとよ」

手際が良い!素晴らしい!


そのまま俺とムーは一緒に歩き始めた。俺が質問をしなくてもムーからしてくれるから楽チンだ。全く最近のイケメンは進化してんな。何を話したって?例えばお互いの職業について、とか。

ムーはその体格を活かしてタンクを選んだらしい。

後は、初期の服装がランダムだったんだねって事とか。

ムーは黄色をベースにした赤のラインが入った服だったが、俺は黒に少し黄色の柄が入っているだけだった。

ってな感じで歩いていた。

「おい、アーチってこれの事じゃないか?」

「お?どうやらそうっぽいな。向こうに大きな建物も見えるぜ」

ゴクリ。生唾を飲み込み、小さく零す。


「ここから俺の冒険が始まる・・・!」

「ここから俺の冒険が始まんのか・・・!」


2人、点になった目を合わせ・・・笑った。

いざ、集会所へ!

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あれ?異世界転生モノって現実世界に帰れないものじゃないの? ノア @asaaannnn

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