第2話 パッケージ詐欺
あの出会いからしばらく経ったある日。
「みどりちゃん~ ご飯できてるから早く降りて来なさい!」
と下から由美が呼んでくるのが聞こえた。俺は、いつも通り適当に返事をしてとぼとぼとリビングへ向かむ。
「みどりちゃん‼︎遅い!冷めちゃうでしょ!」
「ごめんごめん」
俺は、またも怒られてしまったw
俺は、ついつい心の中だけで別にちゃんと俺が責任持って食べるから怒らないでもいいと思ってしまう。
「みどりちゃん。 もう凜ちゃんには、会った?それとちゃんと挨拶した?」
「凜ちゃん???」
今俺の頭の上には、たくさんの「?」が浮いていることだろう。
「みどりちゃん~ その顔だと誰のことだかわかってないでしょう」
「すみません」
「凜ちゃんってこの間、引っ越してくるって言ってた私のいことよ」
「それって…あっ‼︎荻野 凜!」
「その子よ」
俺は、今由美とあの可愛らしい少女がいとこだったという事に衝撃を受けている!もう引っ越して来てたんだなぁ気づかなかった。
「お前のいことだったんだ。お前より可愛いなぁ」
由美は、顔を赤くして、
「みどりちゃん‼︎そう言う事を女の子に言うわない!今日の晩御飯は、抜きね!」
「それとあと、五分には、家でないと遅刻しちゃうから早く食べてね」
「ごめんなさい。晩御飯抜きだけは、勘弁してください。てかあと、五分⁈もっと早く起こしてよ~」
俺は、そのあと、急いで飯を食べ、制服に着替えロケットスタートで家を出て行った。
ちなみに高校には、ギリ間に合いました。
俺は、高校での授業を終えヘトヘト帰ってくると先に由美が帰って来ていた。
「みどりちゃん 今日うちに凜ちゃんが晩御飯食べに来るから。それとみどりちゃんは、晩御飯、抜きだからね。ちゃんと反省してね」
「晩御飯抜きなのかよ!」
俺と由美の会話は、終わってしまった。
返事してもらえなかった…もしかして結構怒ってらっしゃるかも。みどりは、この日とても反省した。
そして俺は、今日の晩飯がないので部屋で空腹をまぎらわすために、学校帰りに買ったマンガを読んでいた。
しかし、
「グッ…ググー」
ついついお腹が鳴ってしまう。
これは、さすがにやばいです!俺は、ひとまず冷蔵庫の中に何かそのまま食べれる物がないか見に行ってみることにした。
俺がお腹をさすりながら階段をそろりそろりと降りていると聞きなれない声がした。
「アハハwマジでウケるんですけど!てかキモくない?」
「そう言う言葉使いは、やめなさいよ」
リビングから聞きなれない声がやはり聞こえて来ている。てかこいつ誰だか知らんが言葉使い悪すぎだろ。人の家で騒ぎ過ぎだろ、声でかいんだよ!
(ちなみに、みどり君が暮らしている家も人の家です。)
「ガチャッ」
俺がドアを開けるとそこにいたのは、荻野 凜と言う名前の由美のいとこがあぐらを組んで座っていた。
「あっみどりちゃん!この子が朝言ってた私のいとこの凜ちゃん」
「由美⁈こいつがさっき話してた…ってこいつ凜の家の隣のキモそうなヤツじゃん!」
おい待てよ。今このガキとんでもないとをいきなり言いやがったなぁ。
「お前、本当にあの時の?」
「はあー?見ればわかるでしょ?そんなのもわからないのw バカじゃん」
「何⁈このクソガキお前パッケージ詐欺だなぁ!挨拶しに来た時と違い過ぎだろ」
「あんなの演技に決まってんじゃん!」
「なんで演技するんだよ」
「普通に考えて隣の人ぐらいは、引っ越してきたらちゃんと挨拶ぐらいするでしょ!普通!」
「お前が話してるのは、その隣の人だぞ。」
「もーバレちゃったから仕方ないじゃん。バレたのにまだ演技しろって言うのキモー」
「何がキモいだこのマセガキ娘」
俺がこのクソ生意気なマセガキ娘と口喧嘩をしていると、
「凜ちゃんとみどりちゃんそろそろやめないと私が本当に怒るよ!」
口喧嘩をしている二人を見かねて由美が仲裁に入ってくれたことによってこの場は、なんとかやり過ごした。
その日の夜俺は、自分の部屋で少し混乱していた。最初出会った時は、とても可愛らしくおとなしい性格のような少女だと思ったが今は、そのイメージが全て壊れていた。
「マジでなんな。あのマセガキ娘‼︎」
俺は、あのクソ生意気なマセガキ娘にキレていた。
すると階段の方からドスドスと言うとても荒々しい音が聞こえてきた直後俺の部屋のドアから「ゴッン‼︎」と言うとても大きな音がした。俺は、それに驚きとてもびっくりしてドアの前すぐさま飛んで行った。俺がドアノブに手をかけ開けようとした瞬間、ドアがとてつもないスピードで開いてきた。俺は、顔面をもろ打ち付けた。
「イッ…イタ~」
俺が床に倒れ顔を押さえてもがいていると、
「ざまーwキモいからバチが当たったんだよ!」
そこには、なぜかあのクソ生意気なマセガキ娘が立っていた。俺は、痛みを堪え顔を上げると視界は、真っ暗だった。
「あれ?何も見えない。そしてなぜか少し暖かい気がする」
俺がそう思った瞬間に、
「きゃー… 変態!変態!変態!」
と言う声がしたと同時に俺の頭にとてつもない衝撃がきた!
「ドン」
俺は、それと同時に気を失ってしまった…
「あ~」
俺は、声にならない声を上げながら目を覚ました。するとなぜか横にいた由美がまた顔を赤くして立っていた。俺は、何かしたのか?全く思い出せない。そもそもなぜ今寝ていたのかもわからない。しかしこの位置からだと由美のパンツがラッキーなことに丸見えだ。俺も思春期の男子高校生なのだからこれぐらいは、勘弁してくれ、それに見たくて見たわけじゃない。たまたま視界に入ってきたのだから仕方ないだろ?
それとみんなのために一応、「由美のパンツは、白色だ‼︎」
と俺が心の中で色々と考えていると、由美が
「なんでここで寝てるかわかる?この変態!」
えっ変態⁈今待てよ。この状況でいきなり俺にパンツを見せてきているお前の方が俺は、変態だと思うのだか。だって俺は、今起きたばっかりだぜ。
「あっ…えっとその~由美さん僕が変態だと?」
「何よ変態!自覚ないの」
「いや、確かに俺は、思春期の男子高校生だ。変態なのかもしれない。しかしだなぁ」
「しかし?言い訳するつもり⁈」
「言い訳じゃあない。今この状況で変態なのは、俺に今にも透けそうな白パンを見せつけてきているお前の方なんじゃあないのか?」
その瞬間。寝ている俺は、顔面を蹴られた。
痛い!
「みどりちゃんの変態!凜ちゃんにもいかがわしい事をしといてさらに私のパンツまで見るなんて最低!」
「おい待て、凜ちゃんにも、ってどういうことだ?」
俺には、今、全く理解ができていない。
「自分で凜ちゃんのスカートの中に頭を突っ込んでパンツ見たくせに」
何⁈ おい待て、俺は、そんな事をしたのか! そんなバカな、いや待てよ。俺は、そういえば、あいつが俺の部屋に来てドアで顔面を怪我したあと顔を上げると目の前にあいつが立っててそれで俺が立ち上がろうとしたら急に視界が真っ暗に…って、これじゃあねえか!
俺は、慌てて跳び上がり、
「由美‼︎あいつは、凛は、今どこにいる?」
「またいかがわしい事をするつもり変態さん」
「違うは、早く教えろ!家か?俺は、今思い出したんだよ。どうしてこうなっているかを!早く謝りたいんだよ!あいつは、マジムカつくヤツだったけど今回のやつは、俺が100%悪いから。早く謝りに行かなくちゃあいけないんだよ。」
俺は、息継ぎをする暇さえないスピードで今思っていた事を全て由美に話した。由美は、少しびっくりしたような顔をした後に、
「家。自分の家に帰った」
とぼそりと言った。俺は、大声で、
「悪かったなぁ。ありがとう!」
と叫びながら部屋を飛び出て、階段勢いよく滑り落ち。体のあちこちを痛めながら、家を出て行った。
俺は、とんでもない事をやってしまった…
俺は、このままでは、本当の変態になってしまう。しかも相手がまだ中学生だ。これは、やばいよYahoo!ニュースのトップを狙えるほどにやばい。俺は、内心バクバクになりながら凜の家へと猛ダッシュをしている。
マセガキ娘=天使! あおい @aoi22
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