超絶美少女に365日セクハラをし続けた結果、何故か付き合うことになってしまった件について。

@saijoyasumasa

第1話


可愛い子にはちょっかいをかけたくなる。

それは、男の性と言うものだと思う。例えば、小学生の頃、好きな女の子のスカート捲りをしたりだとか、リコーダーを舐めたりだとか、こんな事をした経験がある男性は少なからずいるのでは無いだろうか。

因みに、俺、静海静人は高校生になった今でもこの様な事をしている。無論、許される範囲でなのだが。流石に、リコーダーを舐めるのはされた側が不快になるのでしないが、特定の女子に対するスカート捲りは俺の日課である。


「よう。琴崎っ!」


「来ましたね…静海さん…じゃ無くて、セクハラマリン!」


何で言い直したよ…。つか、セクハラマリンて、なんかちょっと二つ名みたいでカッコいいな。2年前を思い出す。あの頃は、ブラッティマリンとか名乗ってたな……。俺の消し去りたい黒歴史だ。

そんな、自分語りは置いておいて、俺の黒歴史を掘り返し来たこの女こそ、俺のセクハラターゲットもとい、片思いの相手、琴崎アリサである。

小学生や中学生に見えるような低身長で、顔も童顔のロリフェイス。祖母がロシア人のクオーターらしく、髪は綺麗な金髪で、目は碧眼のロリっ子美少女である。


「そう言えば、琴崎。今日の下着の色を教えてくれるか?」


「教えませんよ!バカっ!こう言った所で、どうせ捲って来るんでしょうけど、今日は対策をして来ましたよーっ!」


琴崎は、顔をふじりんごのように赤く染め、俺に指を指しながら言う。


「へー。どんな?」


「聞いて驚いてください!なんと、スカートの下地とショーツを縫い付けて来たんですっ!」


と、ドヤ顔で言っているが、その事を俺に喋ってる時点で、対策とやらは破綻しているし。

それに……。


「お前、トイレどーするんだ?ワンピース型の制服だし、出来ないんじゃ…」


「うっ〜…、うぎゃぉぁぁ〜!ど、どうしましょう!」


悲鳴をあげ、必死に制服と下着を引き剥がそうとする琴崎。スカート部分を引っ張っている為、パンツが丸見えで、パンチラどころじゃ無いく、モロパンしているのだが……。

こいつ、本当は俺にパンツを見て欲しいんじゃないか?まぁ…しゃーないから、手伝ってやろう。


「脱げ。」


「にゃ〜っ……!!にゃんて?」


「全部脱げって言ったんだよ。」


「へっ、変態!人が本気で困っている時にまでセクハラなんて、本当に最低ですね!!」


琴崎は、元から赤かった頬を、より一層赤くしながら、羞恥心などで、今にも泣き出しそうな顔で言う。

まぁ、元々自身のミスが原因で、俺が最低と言われる筋合いは、70パーセントぐらいしか無いのだが…。

それと、俺は変態じゃない。変人だ。


「わかった、見ないでやるから。正直、めっちゃ見たいし、目に焼き付けたいけれど、お前が困ってる時にそんな事をするほど、俺は鬼畜じゃ無い。」


「本当に…本当に、見ないでくれますね?嫌いになりますよ…」


ぐっ…嫌いになられるのは凄く困る。

本当はガン見して、今日のご飯のおかずにでもしようかと思っていたのに。まぁ、学内では変態紳士だの呼ばれているが、変態でも紳士だ。今回だけは、見ないでおいてやるか。


「なら、お前が目を抑えといてくれよ。そうしたら、見えないだろ?」


「そう、ですね…それアグリーです。」


なにがアグリーだよ…そうして意識高い風な言葉使っても、自分自身でスカートとパンツを縫い付たっていう間抜けな行動は掻消せないんだよ…


「これで、良いんですか?」


と、琴崎の小さな手が、俺の目元を抑える。


「琴崎って、手冷たいんだな。」


「え?そうですか?ごめんなさい!」


「いや、いいんだ。逆に、眼精疲労だったから、ありがたいかな。」


昨日は、夜中までエロゲーの攻略に勤しんでいた為、今朝は頭痛と目の痛みが酷かった。頭痛は即効性頭痛薬で治ったが、目の痛みは放課後になっても取れずにいた。なので、琴崎の冷たい手は非常に心地よく、ずっとこうしていたいが為に、プロポーズしてしまうまである。


「えと、それじゃあ…お願いします!」


「おっ、おう。任せろ」


とは言ったものの、俺は何をすればいいんだ?

目を塞がれた状態で、どうやってスカートとパンツを引き剥がす?こんなの童貞チェリーボーイの俺には無理ゲーだろ…


「きゃっ!どこ触ってるんですかっ!」


「いや、自分で言っといてなんだが、視界を遮れた状態で剥がすのは流石に無理だ。もっと、いっぱい触りたいし、セクハラしまくりたいけど、ハサミ借りてきてやるから、手を退けてくれないか?」


「やっぱり、セクハラ目的だったんじゃないですか〜!!自分借りて、自分で切って来るので」


と言って、琴崎は教室から出て行ってしまった。

まず、どうしてこんな誰も来ないような、来たとしてもリア充カップルが、スリルとエクスタシィを求めて利用するぐらいしか利用価値が無いような、滅多に人が来ない教室に二人きりで目隠しお触りプレイをしていたかと言うと、何故だかは知らんが、琴崎に呼び出されたからである。まず、呼び出される理由が全く分からない。取り敢えず、セクハラぐらいしかしてないんだが…。

もしかしたら、告白とか?

いや、100パー無いな。もしそうだったら、一生俺の側に居てくれとか、スッゲー寒いセリフを吐いてやるよ。まぁ、絶対無いから、そんな事言わずに済むがな。


「おまたせしました。すみません。私からおよび立てしたのに…。」


「いいよ別に、なんだ?俺に用事ってのは?」


「あの、ですね。静海さんは、私のことどう思ってますか?」


「どうって…。まぁ、なんというかリアクションが面白いとか、一緒に居て楽しいしとか、そういうのか?」


「いえ、えっと…。まぁ、一人の女子としてとか…。女としてどう思います?」


「まぁ、俺は結構可愛いと思うぜ?なんか、自分で言ってて、恥ずかしいし、付き合っても居ない女の子に面と向かってそんな事言うのはキモいと思うけど。」


「じゃあ、付き合って…見みませんか?」


え?今、琴崎なんて言った?

付き合ってとか言ったよな?

いやいや、無い無い。あるはずがない。

どうせアレだろ?例の漫画やラノベでよく見る。買い物に付き合って荷物持ちしろとか?


「えっと、付き合ってと言うのは、買い物に付き合って事だよな?」


「違いますっ!私とお付き合いをして、セクハラとかばっかりじゃなくて、段階を踏んでとか…えと、可愛いとか、静海さんの口からいっぱい言って欲しいんですっ!!」


ちょっと待って。

今、夏だよな。外で蝉も鳴いてるし、間違いなく夏だよな。エイプリルフールとかじゃ無いよな。てか、琴崎の様子から大体嘘では無い事は分かるのだが、なんで俺なんだ?まぁ、ああ見えて琴崎は友だちが居らず、話すのは、俺ぐらいなのだが…。


「俺、自慢じゃ無いが、結構お前にセクハラとかしたぞ?」


「そうですね。最低です。」


「じゃあ、なんで?」


「なんでという問いが、何故、私が静海さんを好きなのかと言う意味なら、別に理由は特に無いです。ただ、あなたと一緒に居ると、ドキドキしたり、放課後あなたと別れる時に、悲しくなったり、このままずっと一緒に居たいとか、思うんです。」


やばい、この子俺をキュン死させる気だよね?

てか、明日はどんなセクハラをして琴崎の気を引こうか、とかそんな事ばかり考えている自分が、同じ好意を持っている人間として恥ずかしい。


「えっと、予想外でなんて言ったらいいかは分からないけど、取り敢えずありがとう。めっちゃうれしい。それと……」


「えっと…それと、何ですか?」


琴崎は、頬を桜色に染め、こちらを見つめている。

キョトンと疑問の表情の裏側には、ドキドキとハラハラの色が見える。


「いや、俺でよかったら是非、付き合って欲しい…かな…」


「っ〜〜!!その、熱烈なラブコールしておいてアレなんですけど、私でいいんですか?ほら、もっと可愛い子とかいるし。」


「は?何っ言ってんの?お前。お前より可愛い奴この学校にいる訳無いじゃん。」


うわぁ〜…黒歴史確定だわぁ〜。

こんな痛すぎるセリフ、陽キャリア充でも恥ずかしくて言わないよ。ましてや、陰キャ寄りのパンピーである俺が言ったら、ただただキモいだけだろ…これ絶対引かれたよ。付き合って、そうそうやらかしたよ。まあ、今まで散々セクハラしてきたのだが。


「えっ…うぅっ…ありがとう…ございます。」


あれ?意外に好感触?

めっちゃ恥ずかしがってるけど、嬉しそうだぞ。

そうか、側から見たらキモい発言でも、好きな人から言われたら嬉しいのか。

これが、愛のスパイスな訳か。勉強になるな。


「お前って、そういう表情するのな。」


「そういう表情とは?」


「いやさ、今まではそんな風に笑うとこ無かったのに、今はずっとニコニコ笑ってるしさ。なんて言うか、嬉しい。」


「そ、そそそそそうですか。そんなに口角緩んでましたか!?」


「おう。もう、ぐにゃんぐにゃんだった。」


「はわわわっ…お見苦しいすがたをお見せしました。」


琴崎は、真っ赤に染まった顔を手で隠し、ペコペコと頭を下げている。まるで、メイドと主人のようだ。可哀想だとは思うが、可愛すぎて体が動かん。

え?何か忘れてるって?あれ言うのか?しょうがない!言ってやるよ!


「俺の…側に居てくれ。」


「は、はい!恋人…ですから。」


何か忘れてるって?一生は、まだ言え無いが、後々に必ず言うので待っていて欲しい。

何年先かは分からない。だが、必ずきっと言ってみせる。それまでは、暖かく見守って欲しい。

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