ミッドナイト
尾巻屋
ミッドナイト
深夜。
花火大会の喧騒も、日曜最後のご馳走も、月曜日に向けて備えていく疲労しきった絶望と無心に呑まれる頃。
湿気た初夏の風が一畳間のブラインドを揺らし、緩く気持ちの悪い風がシャワーを浴びて濡れた首元を舐めた。
洗濯物が部屋をじめじめさせている。つま先がべたついて嫌だ。明日には乾くだろうか。柔軟剤の芳香が、生乾きのひどい臭いに変わってしまわないことを祈る。
時計の秒針は存在せず、電子機器に表示されたドットが点滅しているだけ。呼吸を合わせるにもはやすぎるそれが、60回を数えて数字の模様替えをした。
深夜。嗚呼深夜。
明日は死のう。そうしよう。疲れてしまったよ。
ミッドナイト 尾巻屋 @ruthless_novel
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