第3話初日は起こり得ないクエスト
「決闘の報酬として15000Gと銃・銃のスキルオーブ・胆石を入手しました。」
「リョーさん、お疲れ様です。」
「凄いですね。」
と仲間が労ってくれる中
『GMコールが有りました。不正行為が無いかをチェックします。
ログを遡ります。
検査結果 プレイヤー アマテラス の改造が見つかりました。よって正常なモノは全てプレイヤー リョーに送られます。』
はぁ。としか言いようがない事を言うNPC。
「何だったんですかね?あの人は?」
「にしても銃使いを倒すとは本当にすごいですね。」
「弱いだろ。それに狙いが全然ダメだ。もうすこし扱けるぞ。アレ」
「そう・・・・。」
まるで信じられないモノを見る二人。普通に鷹の目で強化された視力でスコープ越しの相手の目に映る自分を見てどの位置かを予測するという離れ業だけど。
「それより如何すんの?」
「そうですね・・・・町に戻りましょう。」
最初に通った道を戻りながらインベントリの整理をする。なんせアイテムが大量に手に入ったから。すると鷹の目がある光景を捕らえた。
「なあこのゲームって盗賊いるの?」
「「「えっ!?」」」
「何故そんな驚く。初期スキルは全員公開したろ。」
「いえ・・・・そんな事よりも早く助けないと。」
「そうですね。こんな初期に盗賊イベントが起きるとは。早くしないとこのゲーム詰みますよ。」
「如何でも良いから説明しろ。」
「移動しながらで良いですか?」
「説明があるならどんな状態でも構わん。」
「まずこのゲームはほぼ現実と同じです。物流があり、商品の販売数などもオフゲのように無限に売られている訳ではありません。」
「食糧や消耗品などが届かない場合もあります。それが今起こっている盗賊イベントや災害などによる供給不足などで物価が上がる事もあります。」
「それはつまり・・・・」
異世界で扱かれた第六感とでも言うべきモノが警報を告げる。
「そうです。初期の町のNPCが全滅の恐れがあります。」
「いきなりかよ・・・。」
「このゲームは常識が通じないと思ってください。」
何か糞ゲー仕様だな。俺からすれば完全に異世界を再現しているところが驚きなのだが。
「もう直だ。」
普通に盗賊の姿が見え始めた。
「戦闘準備を。私とティアの魔法で先制します。」
とミィーナが提案してきたので
「OK」
「準備完了。」
アイと俺は頷き武装する。俺は右手に剣を左手に先ほど得た銃を取る。銃のスキルオーブを装備し控えに鍛冶を送る。
「ライト」
「ウィンドブレス」
盗賊の背後から一気に攻め立てる。魔法が着弾するとともに俺とアイは前線に出る。盗賊は仲間が周りの敵を殺しているとでも勘違いしているのか馬車を護衛と交戦している。
「二段突き」
「剣聖流 静の太刀 流水雲剃」
アイが高速で同じ場所につく二段突きを発動させる。俺は敵の攻撃を利用して斬る静の太刀 流水雲剃を繰り出す。盗賊は約25人ほど。最初の魔法で二人が死に今の瞬間で10人が更に消えた。残り
は十三人。一方商人と護衛は場所に籠りその場をしのいでいる。
「ダークニング」
「ボルト」
二人の魔法が更に盗賊の数を減らす。
「薙ぎ払い。」
アイの槍が四人をまとめて飛ばしその4人が死ぬ。俺は剣を銃に変
える。
「ツインショット」
銃の初期アーツ ツインショットを放つ。変な感覚がある。これがスキルのアシスト補正か。弾は残念ながら何もない虚空に吸い込まれていく。
これ要らん。銃のスキルを外す。
「:ツインショット」
そう言いながら二発弾丸を放つ。見事命中。これで盗賊は全滅した。
「助かった。君たちが居無ければ私たちは全滅していただろう。礼を言う。」
そう言いミドルでナイスなおっさんジーンさんはそう言った。
「いえいえ気にしないでください。盗賊を死馬く冒険者として当然です。」
交渉は主にミィーナが行っている。
「若いのに健気なことで。」
「そんなこと無いですよ。」
「にしても若いのにお強い事で。」
さっきからなんで俺ばかり見ているんだ。三人は5秒くらい見たらすぐに目を離したのに。何か覗かれているような・・・
「見えないですね。」
小声でジーンが呟いたのが聞こえた。
「どうかしましたか?」
「いえ何も。」
「なら良いです。ただこれ以上視ないでくれませんか?」
一応釘を刺しておこう。変なことされたら堪んない。
「何の事かな?」
「なら良いです。」
そう言えば異世界に居た時は無意識で鑑定とか眼力系のスキル弾いていたし。テンスの中では戦闘系のステータス一番低かったし(それでも一般の騎士や兵士(違いは大してない)よりも数倍以上上)
代わりに精神とかは凄い値だった。
「それとお願いしたいのだけど町まで護衛してくれないかな?」
ミィーナは俺たちを見ている。二人が頷くのでそれに合わせ俺も頷く。
「分かりました。では行きましょう。」
こうして町に戻ろうとした。道ではモンスターと会わなかった。
「可笑しいですね?こんなにモンスターに会わないなんて?」
ジーンさんがそう話を振ってきた。そして俺の鷹の目は再び捉えた。
「ミィーナ、初日に町強襲イベントって何?」
鷹の目が捕らえたモノ。それはゴブリン・狼・オークなどが沢山居
た光景だった。
「何と仰いましたか?リョーさん。」
何故改まる。
「ヤバいですよ。防衛戦なんて初日にぶつけるモノじゃ有りませんよ。」
「スキルも装備も十分とはいえない。コレは詰んだのでは?」
「そうですね。」
「消耗品などであれば私どもで提供できますけどさすがに武器は・・・。」
「最悪ゾンビアタックですね。初日なのでデスぺナが無いのが幸いです。」
「ステータスカットは十分に辛いのだが。」
「職業取って殴るのが最適なのでは?」
などといそいそと会話している。そしてちょっと待ち
「説明しろ」
冷酷にそう告げた。
「何ですか?リョーさん。」
「何も説明が無いから困っている。」
だってモンスターが集団で居る事告げた瞬間慌てだしたじゃん。
「そうでしたわ。プロゲーマーな私たちに合わせてプレイできるレベルだからすっかり忘れていました。」
今近のプロゲーマーは二通りある。一に現代のプロスポーツ選手同様のシステム。二にゲーム内通貨ゴールド(全ゲーム同じ単位である)を現金に換える事が出来る。勿論課金として逆パターンもある。ミィーナ達は全員どちらでも稼いでいる。
閑話休題。
「これは防衛イベントと言って町を防衛するイベントです。失敗すれば最悪の場合この先の町がセーフティポイントとして機能しなくなります。NPCも全滅ですね。」
「さすがに初日でそれは・・・。」
「βでも同じでしたから。町は潰れませんでしたけど。」
多分αも同じレベルの事は起きているでしょうと推測を告げるアイ。
「問題はプレイヤーの数と質だな。最悪の場合、全滅だろうけど一点集中できると良いな。」
「大丈夫と思いますよ。町の出入り口此処一つ何で何とかなると思いますよ。」
「そうか・・・・一つなら何とかなる。聞いてくれ・・・・・」
門が一つだけなら援軍無し・死亡できないという条件のもと出来なくはないが・・・取り敢えず閃いたアイデアを皆に言う。
「本当に上手くいくんですか?」
「何とかなるだろ。じゃあ行くぞ。」
息を吸い込み吐く。先程のようにイメージを膨らませる。
「絶氷世界」
そこに氷の門が具現した。俺の狙いの一つが達成された。と同時に
「成功だ行くぞ。:クワトロンショット。」
銃の破裂音と共に奇襲を開始した。
「ライト」
「ファイヤトーチ」
「ウィンドブレス」
「ダークニング」
此方の攻撃に反応し襲いかかって来る。
「ペネレイトショット」
「アイ・リョーさんやって」
「「ウォークライ」」
これは敵を怯ませるスタン属性を持つアーツで近距離得物スキルで簡単に手に入る。その分ヘイトも集めるけど。殲滅以外の手が無い現状、街の方に向かわれるのは最悪だ。
「おぉ怯んだ、怯んだ!」
そう言いながらばっさばっさと斬り倒し突いていくアイ。
「ライト・ダークニング」
光・闇属性の魔法で攻撃しつつ杖で殴り倒すミィーナ。
「ライト・ウィンドブレス・ファイヤトーチ・ウォータショット・ボルト・ライト・・・・・」
全属性の魔法で敵を寄せ付けず絶え間なく攻撃するティア。
何だか凄い絵面だな・・・。攻撃力が高く意図も容易くモブを蹴散らしていく。ひとしきりモブを倒し終わった後
「アレ・・・・・キング種。」
ティアが指差した先には通常のモンスターより大きく王冠が有るモンスターや前進よりいに包まれたモンスターなど特殊なモンスターが群れの中に居た。
「無理ですね。あの連中が居るなんて。」
「そうですね。レベル的には今の虐殺で上がりましたけど何時までも初期やモンスタードロップじゃあ辛いモノが有ります。」
モンスタードロップの装備は基本的にモブの名前例えばゴブリン剣士の剣とかいうようにモブの種族名+武器の名前である事が多い。もしくは錆びた???みたいなものもある。
確かにちゃんとした鍛冶で造られていない武器だと重心が取れて無かったり刃が欠けやすく折れてしまったりする。
「アイ、薙刀なら有る。」
「さっきの送られてきたアイテムですか?」
「そうだ。攻撃力が大してある訳じゃないがこっちの方が良いだろ?」
「そうですね。慣れている方が扱いやすいですし。」
俺はトレードで薙刀を送りつける。
「じゃあ皆行くよ。」
「「「おう!」」」
石を投げ二体の気を惹きつける。さすがに投げのスキルが無いと届かないか。でも此方に気付いたらしく寄って来る。魔法職二人は消費したMPの残りが心許無いらしく遠距離からの射撃が無い。
「一文字薙ぎ」
「スラッシュ・パワースイング。」
俺は今右手に剣左手に槍を装備している。これが今できるであろう
最大の俺の攻撃手段であり俺の戦闘スタイルと異世界のでの峻烈な戦いを潜り抜けて来た信頼がある。
超攻撃的故に回避すら捨てダメージを与える事に特化した為
「ヒール」
ミィーナには俺の回復を優先して貰っている。
「ファイヤトーチ」
ティアには俺やアイのアーツ硬直時間の間に最初の魔法で敵を攻撃して貰う。
「二連斬・二段突き」
「脛払い」
今はアーツを放ち逃げるのヒット&アウエイを繰り返している。
その為剣や槍・魔法などの攻撃には一切当たらなかった。
「あと二体。」
キングゴブリンとキングウルフ。
「なあ二体のHPが画面上に出てるんだけど?」
「ボスですね。少なくともHP2000以上が確定ですね。」
「あとステータスが圧倒的に高い。少なくともその種族最弱の10倍は。」
「化け物だな。」
「そうですね。後、こちらがある一定の距離まで近づくか攻撃を仕掛けるかで攻撃をしてきます。」
「そうか・・・・ここから狙い撃つから三人は魔法の準備をしてくれ。」
俺は銃を取りだす。
「いくぞ :ツインショット」
放たれた弾丸二つは放物線を描き命中する。
さあ最終決戦だ。
「ライト」
ミィーナが光魔法で攻撃をする。すると
「かわした!?」
そう。二体とも魔法をかわした。
「つっ、:ツインショット」
焦りから攻撃を仕掛けようとするが掠った程度にしかならない。
「「ウィンドブレス」」
アイとティアが風魔法を放つがコレも避けられる。そして至近距離接近され・・・ゴブリンが剣でウルフが牙での咬みつき攻撃をしてきた。俺は再び絶氷世界を発動させようかと考えたが止めた。
そもそもモノを凍らせる絶氷世界はこのすばのウィズが二期最終回で使った感じだ。つまり殺す事は出来ない。それに味方の動きを制限する可能性がある。苦策のうちに選んだのはインベントリの中にある短剣を投げる事だった。
そのわずかな時間で木剣に在る事が出来れば良い。そう考えていた。だがこの行為が思わぬ結果を生む。三本投げた短剣は一つがゴブリンにもう一つは森へ消え最後の一本が門に。
すると門の扉が砕け散った。確か破壊不可能オブジェクトのはずなのに。ただその瞬間俺は行動をした。
「アイ、ティアとミィーナを守れ。大技を放つ。範囲は狭いがいろいろとある程度離れろ。」
跳躍力上昇のアイテムを飲み飛び下がる。そしてイメージして構築する。
「ライトニングフリーズ」
スタン魔法にしてオリジナル。これは万物を操ると言われた俺だけが使える魔法。
空気中にある水分を凍結させピントの要領で光攻撃をする。
「フレイミングスピア(爆散する槍)・コキュートススピア(氷結槍)」
二体の後方に魔法を放ち退路を封じる。普通に攻撃すればいいのではと思うかもしれないがこれは作戦だ。
「アイ、攻撃しろ。ティアとミィーナはアイの回復を」
「リョーさんは?」
「これ以上は出来ない。大人しくしている。」
流石にこれは薙刀を使うアイが居て出来た作戦だ。
「二段突き・梅雨払い」
すると俺が張った魔法が砕ける。それと同時に二体のキングも。
「一体何が起きたんですか?」
「あぁれか?あれは魔力拡散爆発現象通称マテリアルバーストだ。」
「それ著作権違反では?」
「大丈夫。向こう(グルカルト)の人が言っていただけだから。ただそれに近い威力を発揮する事は出来なくもない。」
「じゃあ町に入りますか?」
「そうだな。」
そう言い門をくぐると
﹇クエスト 魔王軍の侵略阻止 と 幻惑の魔女を救え を受けました。﹈
ざけんな。
帰還勇者のVRMMO記 ~異界の力を持つトッププレイヤー~ 高崎 レイ @watasou
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。帰還勇者のVRMMO記 ~異界の力を持つトッププレイヤー~の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます