第910話 white socks…白足袋

white socks…白足袋 太宰治『斜陽』の中で出てくる医者の白足袋を、「ホワイト・グローブズ」とドナルド・キーンが訳したのに対し、サイデンステッカーが褒めていることについて、『翻訳を考える』(中野道雄・三省堂、1994年)は、サイデンステッカーの誤読(足袋を履いていたのは女性ではなく男性)も含めて厳しく批判しています。つまり「男性の白足袋は軟派的・女性的」であるのに対し「女性の白足袋は普通」という視点の提示。そして、白足袋を履くのは「一般に、芸人、芸術家、神職、僧侶、医者など」として、医者と女性の白足袋についての文化を考えると、「白い手袋」と訳すべきではない、という話。文化をうかつにわかりやすく翻訳してはいけない、ということやね。暑い夏の日、冷蔵庫から麦茶を出して氷を入れてぐびぐび飲む、飲み物部の女子高生。ネットにアップしたらウィスキーのオン・ザ・ロックがぶ飲みしてる、と勘違いされる。

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