第3話 返答

 彼女は転校生だった。とてもカワイイ、正確には私好みドンピシャの女の子。いつものように見ているだけでは抑えきれないほどの。

 これは男子も女子も放っておかないと焦燥した瞬間のには既に口が動いていた。

 ――そんな彼女は一瞬、目を大きく見開くけれどすぐ平静を取り戻すと間髪入れず答えた。


「私・・・教師と教え子の蜜月に憧れていたんです。だからそのままのあなたで十分最高です♡」


 ・・・わーお。とても人には見せられない蕩け顔でとんでもないこと言われたお。恍惚な笑みを浮かべながらよだれを拭く仕草で「かなり変わり者」という意味を理解した。

 なにはどうあれ私たちの愛は成就したことには変わりなく、内に灯った火は揺らぐことさえなく、自分もまた「かなり変わり者」なのだろうと認知した。

「・・・・・・」

 彼女からの熱い視線。居ても立っても居られずだけどどこまでしていいわからず、ここは思い切って抱き寄せてみる。

 鼻腔をくすぐる髪の匂い。服越しから伝わる彼女の温もり。今すぐ死んでもいいと思えるほどの幸福感。

 背中へと回る手がこの想いを確信へと変えた瞬間である――。


「はーい、みんな席に着いて。ほらそこさっさと話終わらせて席に着く。はいはい静かに。――早速だけど今日は転校生を紹介します」

 突然のクラスメイト加入にざわつく中、ガラリと開いたドアの向こうから私がお嫁さんとなった人が入ってきた。

「今日からこのクラスで一緒に学ばせてもらいます、私の名前は――」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

属性は何を選択すればお嫁さんにしてくれますか? @nikumasimasi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ