二次会

「では時間になりました。皆さん今日はお集まりいただき本当にありがとうございました。お気をつけてお帰りください。」


「二次会やらないの?」


急に美咲の口から出た。


「無理でしょ。」

「何で?やろうよ。つまんないよ。」

「私はやりたくない。」

「何で?みんな二次会やりたいよね?」


美咲は私からマイクを奪って言った。皆行きたいと口々に言っていてこのまま帰る人は誰もいなさそうだった。私は無理でしょと心の中で呟いた。皆には友里姉の気持ちが伝わっていないみたい。


「皆さんが二次会をやりたいのはやまやまなんですが…。私もやりたいです。ですが…。」


さっきやりたくないって言ったじゃんと美咲に口出しされてしまった。会場がどうしたとざわめいた。


「友里姉、二次会やりたい?」


友里姉のことだから一応聞いてみた。友里姉は察してくれたみたいで、ありがとうと言った。


「やりたいかなあ。いややろう!」

「えっ!」


未希は驚いてしまった。


「大丈夫なの?友里姉。無理しないでよ。」

「無理してないよ。こんな楽しさ一生味わえないかもよ。」


友里姉が急に抱きついてきた。友里姉の色んな気持ちが伝わってきた。暖かかった。でも友里姉の鼓動がいつも以上に速くなっているのが分かった。


「何度も言うけど無理しないでよ。」

「うん。ありがとう。何かあったら絶対未希に言うから。」

「みんな!二次会行きますよ!」


友里姉の車椅子は私が押させてもらった。そうだあの美咲が持っていた紙袋はなんだったんだろう。


「美咲、紙袋は?」

「ああこれ?友里にこれから渡すの。二次会で渡そう。」

「中身何?プレゼント?」

「そう。プレゼント。中身は後でのお楽しみ。」

「二次会楽しみだなあ。」

「さっきまで行かないって言っていたのに。」

「それは…。友里姉のことを想って。」

「想うって何を?」

「そんなのも分からないの?」


ちょっときつい口調になってしまった。


「ごめん。口調きつくなっちゃった。」

「ううん。そんなどうでもいい。それより何を想っているの?」

「友里姉が我慢しているってこと。」

「我慢?」

「本当は調子悪いのに我慢しているってこと。そんなの見た目じゃわからないでしょ。」

「そうだったんだ…。二次会誘っちゃったよ。」

「友里姉が行く気だからいいんじゃない。」

「無理そうだったら途中で二次会やめるは。」

「うん。そうしよう。」

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未希とお姉ちゃん pinklove @pinklove

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