歩くこと、居ること、生きること
芹意堂 糸由
子どもたち
数人の 子どもたちが
ややこしい図面の 問題を
必死になって 解いている
すらすら解く子 悩んでいる子
諦めかけている子 隣を見る子
たくさん解く子 ゆっくり解く子
その中にはかっこ良く映る子がいて
みすぼらしく映る子もいて
色んな容姿の子どもたちが 頑張っている
途中で解くのを止めた子がいた
小心者で臆病な幼い子だった
その子がいなくなっても誰も気にしない
その子はひとりで その場を去っていった
数人の 子どもたちの 未来の姿は
ひとりひとり それぞれだけど
それぞれ同じく 立派になった
背の高い子 優しい子
元気のある子 素敵な子
強靭な体の子 大人な子
けれどその中にも短所があって
欠点 ぼろ 非がある
色んな悪いところも光っている
そんな彼らは 幸せそうで
いかにも大人な ようだった
けれど
あの日いなくなった子は 帰ってこない
歩くこと、居ること、生きること 芹意堂 糸由 @taroshin
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