ローグ・ギャラクシー 生きる道

@kokubu

産まれ

第1話 宇宙で生きるとゆうこと

父は偉大であった。

宇宙に上がり、宇宙で生き、宇宙で死んでいった。

今は2330年、父が宇宙を探索し、惑星を見つけ、人々の生活圏を拡げ、誰にも知られる存在となった。

各国も父の後を追い、真似るように競いあい各々の宙域を見つけていった。

だけど、そんな父を私は知らない。

知っているのは話しの中で登場する偉大な人物像としてだった。

だが、尊敬していない訳ではない。

だけど、宇宙は広い、一度出れば・・・下手をすれば帰れない。

私は母と待った、ずっと、ずっと・・・。

宇宙で暮らす人々が増えるにつれ、悪もまた宇宙で増えた。いわゆる宙賊である。

宙賊とは宇宙のハゲタカとも呼ばれ、何でも奪っていく。船も、その船が古ければパーツを、女子供は人身売買として連れ去られ、需要があれば若い男も連れ去られていく。

残るのは、年老いた人間と、船の残骸だけである。

父の名はグラハム・アンダーソン、皆知っている。

だが、宙賊には関係なかった。

宙賊が興味があるのは金になるかならないかだった。

父が惑星探索に出てから14年、宙賊との戦いもしながらなので、さすがに船もボロボロで、船員も年老いていった。

軍の宇宙軍で身体がいくら鍛え上げられていても、船はしょせん船である。

長い航海には耐えきれず、ガタがだいぶきていた。

新しい惑星を見つけながら、その惑星で命懸けで食糧、物資を調達し、船を修繕してきたが、もはや限界であった。

地球に最新の船を取りに戻るか、皆引退をどうしようか話し合いをしているときにそれは起こった。

未知のウィルスが館内で爆発的に拡がったのでる。

艦長であるグラハム以下船員45名全員に移り、おう吐、痙攣、意識を失う、高熱、身体の壊死、様々な症状が発症し、死んだ部下もいた。

グラハムは文字通り這っていた。

足が壊死を起こし、歩く事が出来なかったのだ。

「くそっ!艦長室から操舵室までがこんなに遠いとは!」

操舵室に向かうまでに何人かの部下とすれ違う。

痙攣して意識がないもの、もう息がないもの、自分のように身体が壊死しているもの。

「ジャス、ジン、エギー・・・皆すまない・・・ちゃんと惑星の調査をせずに降りたらこんなリスクは高いと解っていたのに!」「私の判断ミスだ・・・すまない」

だが皆は理解していた、仕方なかったのだ

食糧も、船を修繕する資材も尽きたのだ。

賭けにでるしかなかったのだ。

なんとか操舵室の扉の前に這い着いた。

多分あのテンダロンと名付けた惑星での活動の時だろう・・・、食べたものか、それともその惑星自体に存在してたウィルスなのか・・・。

今さら考えても遅い、どうしようもない現実・・。

「もう少しでジャンピングポイントだ・・・そこまでいければ・・・グウッ!」

ジャンピングポイントとは唯一人が亜空間でワープを出来る事が可能な装置である。

大きさは小惑星程で、数は建造に何年もかかるが、各国が競いあい、現在では20基近くあるという。

今向かってるのはアメリカが所有するジャンピングポイントで、国によって形状は様々、我が国は横に長く、レールガンのような形をし、真ん中の空いてる場所から撃ち出すような仕組みになっている。

自国のポイントなので通行料はかからないが、他国の軍関係は高いのだ、後は民間機は少しかかる。

軍関係は一律の金額だが、民間機は荷物の量、乗ってる人数によって変動する。

そしてそのお金で新たなジャンピングポイントに使ったり、軍備にまわしたりしている。

そんな中ある仕事が人気を集めている。

トラッカーと呼ばれる者達だ。

人数はまだ少ないものの、主に宙賊、最新鋭の軍艦に配備される人員だ。

仕事内容は、普通ならお金を払って通行するジャンピングポイントのコンピューターへのハッキングだ。

ジャンピングポイントには約300人程の軍関係者が24時間体制で勤めている。

半年で勤務を終え、地球に戻るとゆう交代制だ。

様々な職種の人が居て、コック、医療チーム、テクニカルスタッフ、実戦の時に備えてコンバットチーム、そして新しい惑星に降り立つ為の調査を行う惑星調査チームがある。

そしてトラッカーとは、このテクニカルスタッフの目を盗みハッキングをして料金を支払ったように見せかける技術をもつ者達である。

だから給料も多いがリスクも大きい、もし発見されれば宙賊なら多額のお金をとられ、追い払われるか、それが払えなければ命をとられることもある。

もし外国籍の軍関係者なら、罪を全て着せられ差し出される。

一般企業にはトラッカーへの支払いが高く、結局は通行料を払う方が安くつくので基本的には一般企業は雇う事はない。


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