西洋中世哲学史

@AKA-CHAN

第1話ボエティウスの分有理論

○『デ・ヘブドマディブス』でボエティウスが唱えた。神の存在論的基礎。デ・ヘブドマディブスは7つの公理という意味。

・「実体つまり被造物は本質的には善であるのに、実体的な善つまり神ではないのはなぜか」という問いがある。これは最初に被造物は善であるという記述があることに起因する。

・その上で、「被造物がよくあるその仕方は本質的なものであるか分有であるか」という問いが生じる。

・まずボエティウスは「存在するもの」と「存在そのもの」を区別する

・「存在そのもの」は実体であり、実在せず、付帯性をもたない。「存在するもの」は実在し、付帯性をもつ。

①被造物が善を分有していると仮定する。すると、被造物は本質的には善くない。だが被造物は分有していなくても善であるように思われるので、これは正しくないように思える。

②被造物が本質的に善であると仮定する。第1の善は神であるが、被造物は神にはなれない。つまり被造物は本質的な善になることはできないのでこれも正しくないように思える。

・そこでボエティウスは「被造物は単純なものではなく、存在そのものと存在するものの複合物である」とした

・被造物は第1の善が存在を意志したがゆえに存在している

・被造物は第1の善から流失しているにすぎない

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