測定機器の使い方ひとつが精度の良しあしを決定づける
――すべての製品は寸法が命だ。
前々も同じことを言っているが、ここではその寸法を決定付ける「測定機器」についての話をしていこう。
工業高校では実習をやっていくうちに、同時に勉強し覚えていかなければならないものがある。
それは――「測定機器の読み方と正しい使い方」だ。
工作機械を使用して既定の寸法内に収めるのは常識だ。しかしその寸法を測り、その既定の寸法範囲内に収める目安となるのは測定機器だ。
そして世の中には様々な測定機器がある。小中学生が使用する汎用的な定規から、その業種でしか使えない測定機器まで様々だ。
そして測定機器にも様々な用途がある。長さを測るのは当たり前の事で、工作物の表面性状を測る物からその物の隙間を測るものまで多種多様にある。さらに付け加えるなら重さや圧力、そして電気や加速度といった分野まで様々な測定機器がある。
そしてこれらの測定機器を使用して、工作物は目的の寸法範囲内に収め、製品づくりをする。
要するに製品作りにとって、測定とはその製品の品質を決定づける要素の一つとなるのだ。
そして工業高校生は、特に一般的に使われる測定機器について、測定技術を学んでいく。
正直測定なんて簡単だろう、と思う人もいるかもしれないがこれがまた面倒くさいのだ。
まず直接的な要因挙げると、測定機器の当て方によって寸法が変わるという事だ。
機械系の工業高校生はノギスやマイクロメーターという長さを測る測定器を実習中によく使用する。ノギスは百分の五まで測ることができ、マイクロメーターはその名の通り千分の一までの測定が可能だ。
ノギスはしっかり当てれば同じ測定値は出るが、マイクロメーターはしっかりとした測定の仕方をしないと毎回数値が変わるときがある。
だからこそしっかりとした測定をしないと測定した数値というのは変わってくる。
俺も測定に関してはまだまだ下手なのであまり言えないのだが、毎回測定するとやはり千分の一単位で変わってくる。
だからこそ工業高校生は実習中に測定技術も共に学んでいくのだ。
そして測定誤差以外にも温度によって誤差が生じる場合や測定器等の不具合があって生じる誤差もある。
これらの要因は作業する前に前もって確認することにより、対策ができる。
原因は様々だが、とても分かりやすい例として「測定器にゴミが付着している」というのがある。ゴミが付着しているだけで寸法というのは数百~数千分の一の誤差を生じる。
それだけ測定誤差以外にも環境やその他要因によって誤差が生じてくるのだ。
我々工業高校生はこれらの要因を学び、そして測定に生かす。
そして就職し、その製品の寸法管理を行いながら作業していく。
だからこそ測定機器の正しい使い方を習得し、正しい測定値をだしてきちんとした精度のある高品質な製品作りを行えるように、日々測定技術を向上させるために学んでいくのだ。
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