KY(危険予知)! 緑十字を胸に刻め! 安全第一!

 ここまで実習について個人的な意見でダラダラと書き綴ってきたが、最後に言いたいことがある。


 それは――「安全第一を心がける」という事だ。


 工業高校というのは正直な事を言ってしまうと、普通の高校より怪我やそれに次ぐ重症、最悪死亡事故を起こしてしまう可能性が一番高い。


 俺自身、実習で切り傷等の怪我を起こしたことは何回もある。そして最悪重症になりそうだった案件を一回見かけたことがある。


 これらはすべて不注意によるものだ。


 そして、この不注意を起こす最大の要因とはおそらく自分の心の隙や甘えにあるだろう。こんなことは起こらないだろうと思い込む心の隙、そして自分は慣れているから大丈夫だという心の甘え。


 環境的要因もあるが、工業高校での事故の大半は上記に挙げたものが要因として挙げられると俺は思う。


 その要因が取り返しのつかない大事故を起こす場合もある。


 例えば旋盤を使用する際、作業着の袖ボタンをとめずにだらんとした状態で作業をした場合、可能性として「工作物の取り外しの際にチャックにそのまま気が付かないで閉じ、スイッチをいれ腕ごと巻き込まれる」というのがある。


 これは労働災害の中でも有名な旋盤事故の一つで、学校でも学ぶし、インターネットにも書かれているものだ。


 この事故は片腕を無くす場合もあり、最悪死亡という可能性もある。


 そしてなんといっても大事故を起こす可能性があるのは「ガス溶接」である。この溶接では可燃性ガスと支燃性ガスの混合ガスを用いて行う溶接法であり、万が一の事があった場合ガスが爆発するのは明白だ。


 俺も初めてガス溶接の実習をした際に、実習担当の先生に「きちんとした取り扱いをしないとこの実習棟吹っ飛んで皆死ぬから気をつけろよ」と言われた。


 そう、工業高校というのはいつも危険と隣合わせだ。


 一つの間違った行動がそこにいる人にも危害を加える可能性があるということだ。


 だから工業高校生は実習の際に常にKY危険予知を心がけて実習を行っている。どういう要因、環境がやがて自分や他の人に危害を加えてしまうのかを考え、そしてKYT危険予知トレーニング行い、常にKYについての知識を取り込んでいる。


 そうすれば事故等が未然に防げるからだ。


 そして実習棟や学校指定の作業着や帽子等に必ず「緑十字」のマークがある。


 この「緑十字」は安全および衛生の象徴として挙げられ、安全第一のマークとして日本で使用されている。


 工業高校生はこの緑十字を胸に刻み、常にKYを心がけながら安全第一で実習を行っているのだ。

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