一ミリ何て大誤差だ! 百分の一の精度を出せ!
まず俺が工業高校に入って思った事、それは「一ミリの誤差はでかすぎる」という事だ。
小中学校では定規等で線を引き、図形を描いた時に時々一~二ミリ程度の誤差が誰しも生じただろう。そしてこの誤差は心温かい教師の配慮によって良いとされてきただろう。実際俺自身も何回かあったからだ。
だがらこそ生ぬるい!
製造業たるもの誤差と言うのは製品に影響する要因の一つであり、不良品を生み出す要因の一つだ。
だからこそ工業高校生は百分の一、つまり「〇.〇一ミリ」の精度をいつでも出せるように心がけている。
これを読んでいる人達が普段使っていつものも、設計段階においてまず図面におこされる。そしてその図面に寸法がついて回るのは当然の事だ。どうやったらお客様の使いやすい大きさにできるのかなど、寸法の大きさと言うのはその要因によって大きさが変動し、また精度も変動する。
ここで一つ例を挙げよう。
「定盤」という工具はご存じだろうか。定盤というのはケガキや測定の際に、平面の基準となる水平な台のことである。
この工具は水平・水面が精度として特に重要な工具だ。精度はマイクロメートル、つまり〇.〇〇一ミリの精度が要求される。もしかしたらそれ以下かもしれない。
しかも原材料は鉄であり、察しのいい方は分かるかもしれないが、金属というのは熱膨張するのをご存じだろうか?
金属は温度熱や体温などによって寸法に変動が出てくるほど厄介なのだ。だがそれでも数マイクロメートルくらいの変動だ。
しかしこのように高精度な製品づくりにとって温度も立派な「誤差」になりうる。だからこそこのように高精度な製品作りをする作業場と言うのは基準温度二十度の部屋で作業して、製品を生み出すのだ。
流石に工業高校ではここまで精巧かつ精密な制作実習は無いが、でもやはり百分の一の精度を常日頃から出せるように、特に機械加工実習では心がけている。
ここで言いたい事はつまり――精度というのは大切、という事だ。
因みに余談だが、俺は機械加工の場合〇.一ミリでも大誤差だと思う事が多々ある。
……まあ普通誤差で考えれば大丈夫にもなる誤差範囲なのだがな。
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