事後

梅練り

座る

「んっ。んっ。」甘く、トロける様に断続的な息を吹きかけられる。

顔にかかる息を止める様にその甘く、トロけている舌を味わう。

咥内で卑猥な液体音が響き渡れば、腰の辺りからじんわりとした感覚が拡がっていく。

全てを包み込む暖かな宇宙。その中に僕がいる様な錯覚に陥る。

やがて拡がった感覚が背中から首、後頭部から脳天へと突き抜けて行くと、僕は「宇宙」の中で果てるのだ。

その瞬間、「僕」と「彼女」はドロドロに溶け合い、一つになり、蒸発するのだ。もっと高貴な世界へ…。

暫くして、また汚らしい地上に舞い戻る。雨となって。

塵や汚れをその身に纏いながら僕の意識は元のボロボロな器に戻って行く。

機械的にズルッと抜き出して汚物を含んだ袋を投げ捨てる。

ベッドの端に腰掛け、タバコを吸う。

寝たまま腰に腕を回され抱きつかれるが、塵や汚れを含んだド汚い心はそれを拒むように目を細め煙を吸い込む。

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事後 梅練り @umeneri_gohan

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