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たい焼き

たい焼きを食べる順番。
こんなもの「しっぽから」以外ありえない。
頭から、側(サイド)から派は至って教養の無い令和に残った令和原人だと言えよう。
それこそ動物的な原人であれば効率を選び、犬畜生のように首根っこや頭から被りつきそのまま振り回したりするのだろう。
しかし我々文化人ともなると、そのような低俗な人間の食べ方は「趣が無い」の一言で片付けられるのである。
我々のように食に芸術性を見出すような高貴な生き方をしている人間からすれば、たい焼きはやはり尻尾から食べ進め、最後にたい焼き君の目を見ながらその悲観に満ちた表情を記憶に刻み込み、闇へと誘ってあげるのだ。
これこそサディズムの香りを仄かに漂わせた文化人としてのたい焼きの食し方なのである。
我々からしてみれば「頭から!」なんていうのは頭が空っぽな人間のやる事で、ちゃんちゃら可笑しいのだ。

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