第43話 嫁の母親
嫁の実家に行ったときのこと。
嫁の母親が、おもしろい話を思い出したので聞いてほしいと言う。
*
「ねーえー、聞いて、昔の話なんだけれどね。あのね、何かの集まりのレクリエーションでね、しりとりをしていたのよー。
しりとりといってもね、歌のしりとりだったのー。
わたしの前の人の歌が【た】で終わったのね。
【た】から始まる歌を考えたんだけどね、難しいじゃないの。
でも一つだけ浮かんだから、何も考えずに歌い始めたの。
た♪ん♬た♪ん♬たぬきの♪きん……
その先は歌えないじゃない。
みんなシーンとしちゃって。
恥ずかしかったーーー!
ね!!!!おもしろいでしょう?
アッハハハハハッハハハハハハハ」
*
自ら話し、自ら笑うところは嫁そっくりだ。
この人が嫁を産んだ。
間違いないようだ。
産んでくれてありがとう。
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