第34話 嫁の機嫌


 嫁が上機嫌なとき、その理由は意外と単純だ。


 先日、嫁が笑顔でこう言った。

「ねーわたし、今の生活とっても幸せだよ!!」


 私は考えた。『この上機嫌には単純な理由があるはずだ』

 上機嫌の後、突然不機嫌になることもあるので騙されてはいけないのである。

 そういえば、さっき嫁にジャージャー麺を食べさせた。

 きっとそれだ!


 私は嫁に言った。

「ジャージャー麺が美味しくて、幸せな気分になったの?」


 すると、嫁はくるりと向きをかえて出て行った。

 階段を下りながら「そーだった。そーだった。」

 

 どうやら自分の上機嫌の理由が分かったようだ。


 翌日の朝、嫁が鼻歌を歌っている。

 私が「上機嫌だねー」と言うと、嫁は上機嫌の理由を考えてから私に言った。

 「あのさ……大きいのが出てね。」


 トイレの話だった。


 上機嫌にこしたことはない。



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