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 あなたは取り敢えず目の前のカップに注がれた紅茶を手にとって恐る恐る口をつける。ゆっくりと紅茶の喉の奥に注ぎ込むと、その芳醇な味わいに体中が喜んでいるのがはっきりと分かった。


「お、美味しい。紅茶美味しいです」

「そう、良かったわあ」


 紅茶の感想を聞いた魔女はとても嬉しそうに笑う。隣で同じように紅茶を飲んだリコスもあなたと同じ感想を口にしていた。


 それからはずっと魔女の話が続く。魔女だと言ってもそこはやっぱりおばあちゃんなので、一度話し始めるとその話は中々に終わりが見えなかった。延々と続く身の上話やら愚痴やらをあなた達はたまに相槌を打ちながら聞いていく。


「あらあらごめんなさいね、私ばっかり話しちゃって」

「いえいえ、面白い話ばかりで興味深かったです」


 魔女の話にリコスが笑顔で答えている。彼女にとってこの話はとても興味を引く話題だったらしい。今度は彼女側からの問いかけから話が続いたものの、その後も続くあまりに長いやり取りにあなたはついウトウトと眠ってしまう。


「今日はとても楽しい時間が過ごせたわ、どうも有難う」

「いえいえ、こちらこそ。ほら、起きて、出発よ!」

「ほわ?」


 リコスに起こされたあなたは、魔女におもてなしのお礼としてペコリと頭を下げると、そのままこの小屋を出た。

 ドアを開けた瞬間に飛び込んできた見た事のない景色にあなたは自分の目を疑う。


「えっ?」


https://kakuyomu.jp/works/1177354054886424135/episodes/1177354054886596105


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