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「ごめん、任せられるかな?」


 自ら申し出たと言う事はきっと勝算があるのだろう。あなたは全面的にリコスにこの敵の対処を任せた。この言葉を受けて、彼女はニッコリと笑みを浮かべる。


「うん、任せて」


 敵の鎧男は何かを感じたのか、彼女が杖を掲げた時点で及び腰になっていた。今は逃げるタイミングを伺っているようにすら見える。


「豪炎球!」


 彼女が使ったのは転移魔法じゃなかった。杖から生成された火球が勢いを増しながら敵に向かって飛んでいく。その魔法が発動した時点で敵は一目散に逃げ出していたのだけれど、その敵の背後で火球は巨大な豪炎球にまで成長し、そのまま敵の全身を灼熱の炎で包み込んだ。

 次の瞬間、敵の体は一瞬の内に炭化してこの勝負は呆気なく決着がついていた。


「す、すごい……」


 その光景を息を呑んで見守っていたあなたも、リコスの魔法の威力に語彙を失う。


 こうして無事に危険は去ったものの、あなたの頭の中には疑問ばかりが渦巻いていた。このモヤモヤを解消すべく、あなたは彼女と目を合わせる。


https://kakuyomu.jp/works/1177354054886424135/episodes/1177354054886463937

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