集合体恐怖症
ある夏、理系クラスにいた集合体恐怖症のとある高校3年生は進路に悩んでいた。
当然、細胞の集合なんぞ顕微鏡で見たら死んでしまうので、医学部や農学部、理学部生物学科等はアウトである。
ついでに言えば原子や分子なんかは顕微鏡で見るどころか模型ですら気持ち悪くて死んでしまうので、理学部物理学科や化学科、工学部材料工学科なんかもアウトである。
というか電子基板のハンダ付けされたポツポツだって眺めていたら死んでしまう。工学部機械科や情報科もアウトだ。
かと言って文転はしたくない。
結果、残ったのは理学部数学科であった。ここなら集合体に殺されることもあるまい、と考えて受験し、合格し、晴れて数学徒になった。
空集合や単集合が集合に見えるようになって、死んだ。
夜咄小咄 丁_スエキチ @Daikichi3141
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。夜咄小咄の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ことば/彩霞
★47 エッセイ・ノンフィクション 完結済 105話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます