『侵される日常一』について感想書いてく


(作品URL)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054886023044

(エピソードURL)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054886023044/episodes/1177354054886281787



 兄に罰を望む依頼人のエピソード。

 しかし、そこには人の心の闇があった。


「はい、兄に罰を与えてほしいのです」

 霊斬は疑問に思い、尋ねる。

「なぜですか?」

「あいつは僕にないものをすべて持っているんです」

「たとえば?」

「地位や名誉、女房がいて仲がいい。僕なりに努力しているけれど、なにも報われたためしがない。あいつからすべてを奪ってしまいたい。殺してやりたいとすら思う。でも、それはできません」

 武士は悔しそうに唇を噛む。

 ――嫉妬か……。



 これは依頼人と対象双方に闇がありそうな気配……。

 感情は本当、人間の思い通りにならない。それでいて、物凄い苦痛を与えてくる。

 そう考えると、依頼人がまとう闇に寄り添うことで自らの存在証明としている主人公は、救いを求めながらより傷付いていると言えるかも知れない。

 かなり辛い。

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