第16話 怖がりのくせに都市伝説百話を読んでみた


 酷暑も手伝って盛り上がりを見せる「僕の私の都市伝説コンテスト」。応募期間が八月いっぱいであるため書き手もラストスパートに入ったようで、エントリー作品は二百作を超える勢い。


 遅ればせながら、ボクもコミカルホラー「ひとりでに髪が短くなる人形?」をエントリーした(どさくさに紛れてPR)

 自分が参加すると他の作品が気になる性分であるため、ここ数日、時間を見つけてエントリー作品に目を通してみた――怖がりのくせに。


 一話の分量が二千五百字以内と少ないことで約百話に目を通すことができた。

 ちなみに「百」という数字に意味はない。決して「百物語」になぞらえたわけではないので、くれぐれも突っ込まないように――怖がりだから。


 結果として、三、四十話に評価の❤や🌟を付けた。

 ストレスを溜めることなく最後まで読めたもので、「怖い」とか「なるほど」と思わせる作品が全体の三分の一以上あったのは素晴らしいの一言――おかげでかなり涼しくなった。


 もともと小説は十人十色。特にホラー系は書き手の色がよく現れる気がする。

 それは、どんな人でにも心の奥に「闇」を抱えていて、ホラーにはそんな潜在的な部分が滲み出るから――というのがボクの持論。

 聖人みたいな方もいるから一概には言えないけれど、光があれば影があるのが当たり前。悪玉コレステロールもゼロではNGだから、闇があるのは普通だと思う。要は、それに飲まれて「百パーセント闇人間」にならなければいいだけのこと。


閑話休題


 一言でホラーと言っても、淡々と綴る伝記調のものや会話・エピソードを導入した物語調のもの、グロテスクな残酷描写が持ち味のスプラッター系や心理描写でジワジワ怖がらせるサイコ系、心底恐ろしいシリアス系やブラックでニヤリとさせるコミカル系、重い言葉で重厚感を出すものや軽快な言葉に重い意味を隠すものなど、バラエティに富んでいる。

 今回作品を読ませてもらって、書き手それぞれの味付けを楽しむとともに、いろいろと勉強させてもらった。


 ★をつけた作品とつけなかった作品との差は、好みによるところが大きいけれど、具体的には「情景が浮かぶかどうか」がポイント。

 脳裏に恐ろしい情景が浮かびあがって思わず身震いしたり、直接的な描写はしていないものの、あるフレーズが妄想を膨ませて「勘弁して~」となったものは評価させてもらった――怖がりの直感と言うヤツ。


 なお、個人的にNGだったのは、難しい語彙ごいやおどろどろしい言葉で効果を狙っているもののストーリー性がほとんどないもの。また、自分では怖さのつぼを押さえているのかもしれないけれど、それが伝わってこない、自己満足で終わっているもの。


 思ったのは、文章は「読まれてナンボ」であると同時に「伝わってナンボ」であるということ。言い換えれば、読み手サイドに立って、を押さえるのが大切だということ。

 もちろん、ボク自身ができているとは思っていないので、引き続き精進していきたい。いつも思うけれど、カクヨムの「ヨム」は本当に勉強になる(真剣)

 


 RAY


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