第12話 近況ノート・サーファーの憂鬱
以前住んでいたワンルームマンションの同じ階に、とんでもないのがいたのを思い出した。
アラフォーの女性で引き
音がうるさいだの、共有部分に物を置くなだの、友だちを部屋に連れて来るなだの、粗探しをしては、四六時中文句ばかり言っていた。その割に自分はルールに無頓着で、住民はかなりの迷惑を被っていた。
特に、玄関を出たところの共用部(廊下)をゴミ置き場にしているのは勘弁して欲しかった。
部屋が八階ということで、一階のごみ置き場に持って行くのが面倒だったらしく、いつも数日分のごみが山積みになっていた。
ボクの部屋は彼女の部屋から少し離れてはいたけれど、そこから異臭が流れてきた。また、そこを通らないとエレベーターに乗れないため、朝夕はハンカチで鼻と口を抑えつけ息を止めて通っていた。暑い時期には臭いに加えて虫が大量発生するため、不快極まりない状態だった。
自分中心に地球が回っていると思っている彼女にとっては、廊下もエレベーターホールも自分の庭みたいなものであって、共用部の概念など存在しなかった。
閑話休題
ボクは「近況ノート新着記事」のコーナーをランダムに覗くノート・サーフィン(造語)なるものを楽しんでいる。
書き手が自分の作品をPRしたり独自企画のお知らせをするのはもちろん、リアルの出来事を紹介したり時事問題に触れて熱く語るなど、興味深く拝読している。
書き手の主張や性格が見え隠れすることで親近感を抱くこともあれば、ノートへのコメントが縁で話をするようになったこともある。コミュニケーションを重視するカクヨムらしい、ナイスなアイデアだと思う。
ただ、ある書き込みを目にした瞬間、いつも憂鬱な気分になる。「またか……」といった言葉といっしょに溜息が漏れる。
文章や作品が趣味に合わないのは仕方がないこと。自分が合わないからと言ってすべて批判していたら、「あんた、何様?」と言われしまう。自分中心に地球が回っている輩と同じ穴のムジナになってしまう。
ボクが憂鬱に思うのは、一人が一日に十回も二十回も書きこんでいる、自作のPRを目的とした、コピペのようなノート。
例えるなら、大手家電販売店にて、同じCMが大音量で繰り返し流されるような感じ。見たくなくても自然と目に入ってしまう。
この過度な宣伝行為がカクヨムの
仮に、多数の者が同じことをやらかせば、広く伝えたい情報が埋もれてしまって、運営がこのコーナーに期待する、ある種のコミュニケーション機能が働かなくなってしまう。
そうならないのは、カクヨム利用者のほとんどは常識を
書き手&作品との良いご縁があるよう、これからもサーファーを続けていきたい。できたら、格好よくスタイリッシュに(笑)
RAY
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