第13話 目標は何ですか?
カクヨムで文章を書いている人は、
「書くのが趣味だから」という人も、原稿用紙への執筆に留まらず、パソコンやスマホを使ってひと手間掛けているのだから、何か思うところがあるはず。
ボクの場合、一義的な目標は筆力の向上――読み手を引き付ける、魅力的な文章が書けるようになること。
これまで自由気ままに書いてきた、自己流の文章は、お世辞にも魅力的だとは言い難い。そのことは薄々気づいていたけれど、あえて現実を直視するのを避けてきた節がある。
でも、「これではいけない!」と一念発起して、プロやセミプロの作家が集うカクヨムに飛び込んでみた。
二年余りが経って、少しはマシな文章が書けるようになった気がする――とは言いながら、描写も語彙も構成もまだまだで日々精進が必要な状態にある。
先程一義的な目標と言ったのは、カクヨムにやって来て、より具体的な目標ができたから。
それには二つあって、一つは、読み手にリアリティを感じてもらうこと。もう一つは、読み手の心を動かすこと。
読み手の脳裏に情景が浮かび、あたかも
ただ、「わざとらしいもの」ではなく「自然に」心が動くものでなければ意味がない。そこが悩みどころ。
以前、ボクの作品を読んだ方から「感動した」、「涙が出た」といった感想をいただいたことがある。
うれしくて涙が出た。あくまで少数意見ではあるけれど、そんな風に感じてくれた方が一人でもいたのはすごく自信になった。「がんばって書いて良かった」としみじみ思った。同時に、人の心を自然に動かすのはとても難しいことだと改めて思った。
人が亡くなったり自己犠牲を伴うようなシーンは涙を誘うものの、ある意味「両刃の剣」。度が過ぎる描写により読み手が「わざとらしい」と感じてしまうと、白けてしまう。そうなれば感動どころではなくなる。
自然と心が温かくなることで涙が溢れるのが理想ではあるけれど、「言うは易し行うは難し」。それができれば苦労はしない。
伏線を張っておいて、ある瞬間、それが読み手の脳裏に浮かんでくるような仕掛けを考えるようにした。しかし、「いかにも」といった伏線だと読み手が「わざとらしい」と感じてしまうため、一筋縄ではいかない。やはり永遠の課題となりそう。
いずれにせよ、目標をもって取り組むことでがんばれる気がする。
ただ、目標がプレッシャーとなってストレスを溜め込むのは本末転倒であって、「楽しむこと」が前提でなければ、長続きはしないし良い文章も書けない。
「書籍化」を目標に掲げている人は、トレンドを把握してそれに乗っかる必要があり、書きたいものを自由に書く――楽しんで書くわけにはいかない。言い換えれば、自分の気持ちを殺す必要がある。
そう考えると、書籍化はボクの目標にはなりそうもない。
書籍化は、しばらくは「夢」といったところかな……。
夢のまま終わらせたくはないけれど、微妙なところ。
RAY
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