第2話 お前は、誰だ!?



 「あ~~~前回は、えらい目に遭ったわ・・・やっと、身体も本調子に戻った感 じ?なんだか、かったるいわねぇ・・・サボろうかしら?」


そんなことを言ったのは、亜矢子だ・・・。


亜矢子は思った・・・前回の歓迎会の意図が一体なんなのか?”何故、あたしは呼び捨てだった”のか?(苦笑)など。


 後日、明日香や今日子(クラスメート)に聞いたら、確かに、別々に、歓迎会は開かれたとのこと。


 ただし、あの桜の私有地では無かったとのこと。

まぁ、もう満開じゃなかったっていう理由かもしれないけど、どうも、玲奈(←何故か呼び捨てw)の考えが分からないのよねぇ・・・。


 あたしはあの場に居なくても良かった気がしてならない・・・。

なんだったのかしら?一体・・・。


今日は日曜日・・・街中をぶらぶらと、している。そんなとき、路地裏にぽつんと老婆が座っている。




ん?なにやら、お婆さんに、手招きされているわね・・・。




「もし?そこのお嬢さん」


老婆が言った。



「へ?あたし??」


亜矢子は、言った。



「お嬢さん、ぬしの姿が見えるのかえ?」


老婆がそんなことを言う。



「ぬし?お婆さんのこと??そっちから手招きしといて、不思議なこと言うわね?」


亜矢子は、首をかしげた。



「ふぇっ!ふぇっ!ふぇっ!すまないねぇ・・・お嬢さん」


老婆は言う。



「ん?そういえば・・・」


亜矢子は、前回の幽霊たちのことが脳裏をよぎった。



「どうかしたのかえ?」


老婆が言う。



「お婆さん、ちょっと、失礼・・・すっ(老婆の身体に触った)あ!(実体がある!!)」



亜矢子は、安心した。



「ふぇっ!ふぇっ!ふぇっ!お嬢さんは、ぬしが、幽霊にでも見えるのかえ?」


老婆が言う。



「え?い、いやぁ、そ、そんなわけないですよ~あはは~(ヤッバ~!・汗)」


亜矢子は、どもった。



「まぁ、あんな、言い方した、ぬしにも責任があるぞえ、気にしてないぞよ」


老婆の表情は、柔らかい。



「ご、ごめんなさい・・・ペコリ(o_ _)o))」


亜矢子は、素直に謝った。



「謝るとは、律儀なお嬢さんだねぇ・・・これも何かの縁だし、コレをあげようかえ?」


老婆が手に持っていた茶色の巾着袋を出した。



「な、なぁに?それぇ??」


亜矢子は、首をかしげながら、言った。



「まぁ、魔法の・・・とまでは、いかないが、いわゆる、キノコじゃよ」


老婆が言う。



「キノコ?食べるキノコ??」


亜矢子は、聞く。



「食べても味はないんじゃよ、これはの・・・ふぇっ!ふぇっ!ふぇっ!」


老婆が言う。



「ん?どういうこと??食用じゃないの?」


亜矢子は、聞いた。



「キノコには、毒系のものとかあるじゃろう?」


「う、うん」


「神経系に作用したり、幻覚を見せたり、あるいは、麻痺や、痙攣、などがあるじゃろう?」


「そ、そうだね」


「これは、人体には無害じゃが・・・」


「無害だけど・・・なに?」


「人を豹変させる成分が含まれているキノコなんじゃよ、お嬢さん、ふぇっ!ふぇっ!ふぇっ!」


老婆が言う。



「えええ~~~!??」


亜矢子は驚く。



「毒キノコじゃないのにですかぁ?」


「そうじゃよ、ぬしが長年の研究の末に完成させたんじゃ、ふぇっ!ふぇっ!ふぇっ!」


「具体的に、豹変って、どんな風にですか?」


「どうやら、お嬢さんには、豹変させたい人物が何人かおるようじゃな?」


「え?(ドキッ)」


「隠さんでもええぞよ・・・ぬしには分かるんじゃ、ふぇっ!ふぇっ!ふぇっ!」


「あう~」


「現時点で分かっていることは、性格を反転させる成分が強いということじゃな」


「え?性格を・・・??ってことは、つまり、凶暴な人は大人しくなる・・・みたいな?」


「そうじゃよ、使ってみたいかね?お嬢さん、ふぇっ!ふぇっ!ふぇっ!」


「(瑞希先輩とかに使ってみたい!)」


「なに、御代は、要らないぞよ、ほれ、お嬢さん、あげるぞよ」


「え?い、いいの??貰っても???」


「お嬢さんなら、ぬしの研究成果を上手に使ってくれそうな気がするんじゃ」


「あ、ありがとう、お婆さん」


「使い方を説明するぞえ?」


「は、はい!」


「毎回、ぬしのところに来なくてもいいように、してしんぜよう」


「へ?ど、どういうこと?あたしがリピーターになると??」


「リピーターってなんじゃ???」


「あ、ううん、なんでもないの、つ、続けて、お婆さん(;^_^A アセアセ・・・」


「うむ、こちらの、キノコの形のものを水につけて、一晩置いて置けば、2つになるんじゃ」


「え?えええ~~~???(ド、ドラえもん???w)」



「どらえもん・・・とは、何じゃ?」


「えっ!?お、お婆さん、あたしの心が、よ、読めるの!????」


「お嬢さんは、読めないのかえ?」


「よ、読めませんよ!な、なにを言ってるの???」


「そうかえ?人間とは不便な生き物じゃの」


「はい?い、いま、なにか、非常に違和感のある言葉を発したような?(汗)」


亜矢子は、きっと気のせいね、と思うようにした。



「キノコの残り数が少なくなったら、先程の手順をするんじゃよ」


「え?あ、は、はい、わかりました」


「こっちの袋は、粉末じゃ」


「粉末?」


「このキノコを日光に当てて放置しておけば、勝手に粉末になるんじゃ」


「へぇ~」


「増やすときは、水、粉にするときは、日干し、覚えたかえ?」


「はい、覚えました」


「それと、分量には、気をつけなされ」


「え?ど、どういうこと??」


「一応、劇薬扱いじゃからの、ふぇっ!ふぇっ!ふぇっ!」


「げ、劇薬!?」


「先程も言ったが、人体に影響ないんじゃが、あまり大量に使うと副作用が出るかもしれんゆえ」


「そ、そうなんだ、わかりました、気をつけます」


「目安としては、人間界でいうところの、ふりかけのように使う分量じゃ」


「(人間界って・・・お婆さん、どこの世界の人なの?もしかして、神様??)」


「ふぇっ!ふぇっ!ふぇっ!ぬしが、神のわけなかろう、面白い、お嬢さんじゃの」


「ま、また、読まれたし!( ̄Д ̄;) ガーン」


「無味無臭じゃからの、どんな食べ物に混ぜても気付かれないので、安心せい」


「へぇ~♪」


「では、ぬしは、行くぞえ?お嬢さん、そのキノコ、有効に使いなされ」


「あ、う、うん、ありがとう、お婆さん」


「有効期限、人間界では賞味期限って言うんかえ?それは無いから一生使えるぞえ」


「エっ?工工エエエエェェェェェヽ(゚Д゚;)ノ゙ェェェェエエエエ工工 !?」


「ふぇっ!ふぇっ!ふぇっ!ではの~~~フッ!(老婆が消えた)」


「き、消えた!?そ、そんな・・・う、うそでしょ?でも・・・手にあるこの感触、ホンモノ・・・(汗)」




翌日・・・・・・




<学園内>


「おはよう、亜矢子」


「あ、おはよ、今日子」


「どしたの?いつもと違って、元気ないね?」


「あ、そんなことないよ、月曜日って、みんな、こんな感じでしょ?あはは^^;」


「まぁ、確かにね」


 この子は、同じクラスの、和泉今日子、あたしとはよく噂話で盛り上がってくれる仲良しさん。


宿題とかも見せてくれるので、あたしのお気に入りでもあるわ(笑)


ちょくちょく、物語には、登場するんで、エキストラと思ってちょうだい(誰に説明してんの?あたし)


 それは、さておき、キノコを持って来てしまった。どうしたもんかしらねぇ・・・(汗)


「おはよう、亜矢ちゃん」


「おはよ、沙耶花・・・(沙耶花か・・・待てよ?反転ってことは、沙耶花は・・・??グフフフ♪)」


「おはよう、沙耶花」


「あ、おはよう、今日子ちゃん」


「さっきまで元気なかった亜矢子が不気味に笑っているわ^^;」


「え?元気なかったの??亜矢ちゃん」


「あ、体調悪いとかじゃなくて、月曜朝いちの気だるさみたいなやつよ」


「あははは、そっちね」


 でも、どうやって、仕掛ける?今日は、体育もないので、教室をあけることがないわ。


そうなると、お弁当に仕込む方法が取れないし・・・。でも、せっかく持って来たんで、どうにか試したいんだけど、誰かで実験をしたいんだけどなぁ。とりあえず、作戦を練りながら、行動あるのみ!


「ねぇ?沙耶花~」


「なぁに?亜矢ちゃん」


「俊彦先輩の意外な一面って見たいって思わない?」


「な、なぁに?急にどうして、そんなことを思ったの??」


「いえ、ほら、俊彦先輩って、普段、寡黙でしょう?だから、違った一面も見たいんじゃないって」


「う~ん・・・あたしには、優しいお兄ちゃんだし、えへへ~♪」


「はいはい、ごちそうさま」


「デヘヘ~♪」


「バシっ!」


「痛ったぁ~い!亜矢ちゃん、なんで、ぶつの~?(涙)」


「で?意外な一面は??」


「あたしは、そういうのは、いいよ~」


「な、なんでよ!見てみたいでしょ?沙耶花だって、俊彦先輩の全てを!!」


「そ、そうだけど、そういうのは、いずれ、ゆっくりと、将来的に・・・エヘヘヘ♪」


「まぁ、そう言わずに、ちょっとだけ、見てみようよ」


「そのまえに、どうやって、そういう方面に持っていくつもりなの?」


「それは、内緒♪」


「えええ~~~!?なんでぇ???」


「企業秘密よ☆」


「ぶぅ!亜矢ちゃん、何か企んでない? ( →_→)ジロ! 」


「な、なによ?何も企んでないわよ!(ちっ・・・兄のことになると、急に鋭くなるんだから!)」


「とにかく、あたしは、お兄ちゃんの意外な一面とか知ってるから、今はいいよ」


「むぅ・・・」


「亜矢ちゃん、怒ったぁ?ウルウル(涙目)」


「お、怒ってないわよ!(な、泣くのは反則でしょう!)」


「ごめんねぇ~~~」


「だから、怒ってないってば~!」


「ホントぅ?」


「ホントホント!」


「エヘヘヘ♪良かったぁ」


「ε=( ̄。 ̄;)フゥ・・・(やはり、沙耶花を使って、俊彦先輩に試すのは厳しいかぁ・・・)」


「HR始めるぞ~みんな、席につけ~!!」


クラスの担任がそう言って教室に入って来た。


 う~ん・・・どうしたもんかなぁ・・・。

”あの4凶”に試したいところなんだけど、そもそも、1年生が3年生の校舎をウロついただけで怪しさ爆発で、即、”指導室”行き、なんてこともありうるわけし・・・。


「おい、小野!聞いているのか?」


「あ、亜矢ちゃん、先生が怒ってるよ?ねぇ?聞いてる??亜矢ちゃんってば!」


 いや、でもなぁ・・・こんなチャンスないわけだし、やっぱり、実験を・・・してみるのも?


「ほぉ?小野、いい度胸してるな??先生を無視か??(怒)」

ヒュッ!(先生がチョークを投げた)


「あ痛っ!」


亜矢子は、気付いた。


「くすくすくすっ・・・」


教室内からクラスメートたちの笑い声が聴こえる。


「コイツもオマケだ!ぶんっ!!(黒板消しを投げた)」


担任が言った。


「痛だああああああ!!!けほっ・・・けほっ・・・(涙目)」


黒板消しは、ダメでしょ~!亜矢子は思った。


※昔は、チョークや黒板消しが飛んで来ました(笑)。今の時代だと、体罰となり、教育委員会が黙っていませんね(苦笑)。


「小野」


「は、はい~」


「俺の話よりも大事な考えごとって、なんだ?先生にも教えてくれないか??(-゛-メ) ヒクヒク」


「あううう~~~すみませんでした~」


亜矢子は近づいてきた、担任に、黒板消しとチョークを渡した。


「チョークは折れたが、黒板消しは無事のようだな」


「ひどい、先生!あたしの頭の心配は?」


「お前の頭は頑丈だから大丈夫だ!」


「くすくすくすっ・・・」


「むむむっ・・・」


「亜矢ちゃん、頭、真っ白だよ~~~」


「あう~~~沙耶花~、取って、取ってぇ~!」


「う、うん、動かないでね?ぱんぱんぱんっ!(ハンカチでチョークの粉をはたいてる)」


「あ、ありがと」


「ところで、なに、考えてたの?さっきのこと??」


「な、なに?さ、さっきって??(汗)」


「┃電柱┃_・)ジー」


「な、なんでもないわよ!」


はあ・・・朝から、踏んだり蹴ったりだわ(←自業自得では?w)。



「ちょ、ちょっと、亜矢子どこいくの?もうじき授業始まるわよ~?」


「気分転換」


「ま、またぁ?単位落としても知らないわよ~??」


「へーき☆じゃね♪」


 亜矢子は、そう言って、2学年の校舎へ向かった。


「ねぇ?今日子ちゃん??」


「どうしたの?沙耶花」


「亜矢ちゃん、どこ行ったの?」


「行き先は知らないけど、フケるって言ってたわ」


「ほ、他に、な、なんか言ってた?」


「気分転換、とか?」


「ダッシュ!≡≡≡ヘ(* ゚-)ノ」


「ちょ、ちょっと、沙耶花まで!??な、なんて言っておけばいいのよ~??」


「次の授業の先生には、保健室って言っといてぇ~!(声が遠ざかっていく)」


「悪友亜矢子のせいで、沙耶花が不良になったりして・・・(汗)」


今日子は思った。


「やっぱ、ダメかぁ・・・体育じゃなかったわぁ・・・っていうか1限目から体育ってないよね(汗)」


亜矢子はそんなこと思いながら、こんなとこ、授業前にウロついてたら、怪しさ爆発だわ!早く、1学年の校舎に戻らなきゃ!と思い、亜矢子は、廊下を走った。そんなとき・・・


「亜矢ちゃん、どこ行ったんだろう・・・?」


ふと、廊下から、窓の外を見ると、2学年の校舎を走っている亜矢子が見えた。

あ!亜矢ちゃんだ!??あれはお兄ちゃんのクラスがある辺り?まさか、朝言ってたこと、まだ、諦めてなかったってこと?むぅ・・・なにか嫌な予感がする!!急がなきゃ!


「よし、もうじき、セーフティゾーンね、あそこまで行けば、見つかっても誤魔化しが利く!」


・・・と思ったとき、亜矢子はさらにスピードUPをした。そして・・・


「よーし!これで、亜矢ちゃんと、すれ違うことなく、会えるはず!!」


・・・と沙耶花も一生懸命走っていた。廊下の曲がり角に差し掛かったとき?


ゴッチン!!!


「ぎゃあああああああああああああああ!!!!!」


「きゃっ!きゃあああああああああああ!!!!!」


「ほ、星っ!星が舞ってるぅうううううう!!!目がチカチカするぅ~~~!!!」


「痛たたたたたたっ・・・・」


「痛ったいわねぇ~?だ、誰よ~~~??」


「そ、そっちこそ~~~危ないじゃないですか~~~!」


「ぶ、ぶつかって来たのは、そっちでしょう~~~!!!もう、頭が割れるかと思ったじゃない」


「それは、こっちのセリフです!ちゃんと前を見てください!!」


「ううう~~~ようやく、目が慣れて来たわ~~~って・・・・・・・・・・・・・えっ!?(驚)あたし!!!」


亜矢子は、現状がよく飲み込めない。


「ふう?」


もう1人が言った。



「目の前に、あたし(亜矢子)が居る!?!???(パニック)」


亜矢子は、なに、これ?なにこれ??そんな風に何度も思った。



「ふう?」


目の前の亜矢子?らしき人物が言った。



「なんで、あたしが目の前に居るのよ!あたし・・・あたし・・・?さささっ・・・(自分の身体を触る)」


な、なになに???この華奢な身体、ペッタンコの胸・・・ちょ、冗談でしょ???ま、まさか???



「ふぅ?」


目の前の人物は、それしか言わない。



「ね、ねぇ?あなた、沙耶花・・・よねぇ??」


亜矢子は、非現実的だが、一応、そう言ってみた。



「沙耶花・・・?って、誰ですか??」


目の前の亜矢子の姿をした人物がそう言った。



「はあ???ど、どういうこと??」


亜矢子は、意味が分からない。



「どういうことと言われましても・・・?」


亜矢子の姿で言う。



「ちょっと、整理しましょう・・・沙耶花の中に、あたしが居るのよね?」

それなら、あたしの中に沙耶花が居る・・・んじゃないの??亜矢子は思った。



「ふう?」


「それよ、さっきから、なんなの?それ???」


「なにと言われましても・・・なんですか?」


「ムキー!! ヾ(`Д´*)ノ ・・・なんか、イライラするぅ!!!」


亜矢子は、自分の姿をした何者かにキレていた(笑)



「ふう?」


「それやめなさいよ!何かムカつくぅ!!」


「ところで、貴女は、どなた?」


「それは、こっちのセリフよ、あんた、誰よ!?なんであたしの中に居るのよ!」


「わたしは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だれでしたっけ??」


「はあ???」


「あなたは、だれなんですか?」


「あたしは、亜矢子よ(あんたも亜矢子だけど・・・って頭がおかしくなりそう!)」


「亜矢子・・・さんですか、わかりました」


「わかりましたぁ?」


「あ、い、いえ、正確には覚えました」


「そ、そう・・・」


「それでは、お互いに気を付けましょう」


「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと、どこへ行く気よ?」


「ふう?」


「だ~か~ら~それ、やめて、お願いだから><」


「そういえば、どこへ行こうとしてたんでしたっけね???わたしは?」


「うううっ・・・頭痛い!」


「お互い激しくおでこをぶつけましたからねぇ・・・わたしも痛いです」


「そういう意味じゃないわよ!あ~もうっ!イライラするわね><」


「イライラしますか・・・それじゃあ、もう行きますね」


「だ~か~ら~!どこへ行く気なのよ!!」


「あ・・・そうでした・・・目的地が不明でした・・・困りました」


「と、とりあえず、あたしに付いてきてよ」


「亜矢子さんに・・・ですか?わたしの目的地をご存知なのですか??」


「ええ、そうよ」


「それでしたら、お願いします」


「分かったわ」


「ところで、わたしは、だれなんですか?」


「こっちが知りたいわよ!ムキー!! ヾ(`Д´*)ノ 」


「ふう?」


「それ、やめて・・・マジで・・・お願い・・・(殴りたくなる、でも、あたしだから殴れない><)」


「亜矢子さん」


「亜矢子は、あんたでしょが!(`Д´)ゴルぁ!」(笑)


「はい?わたしも、亜矢子さんなのですか??」


「自分に”さん”付けんなし!ムキー!! ヾ(`Д´*)ノ 」


「ふう?」


「((o(>皿<)o)) キィィィ!! 」


「私たち、亜矢子さん」


「ちっが~~~うっ!!!」


「ふう?」


「くっ・・・前に進まないわ・・・いい?よく聞いて!」


亜矢子は、亜矢子の姿をした何者かに、かいつまんで説明をした。



「ふむふむ、なるほど、少し理解しました」


「貴女の名前は?」


「小野亜矢子です」


「そうよ!あたしの名前は?」


「亜矢子さん」


「ちっが~~~うっ!!!」(笑)


「違いましたか?」



「合ってるけど、違うの><」


「ふう?」


「そ・れ・や・め・て・!もう1度、説明するわよ、ちゃんと覚えなさい!!」


亜矢子は、もう1度、いちから説明をした。



「えっと・・・わたしが亜矢子さんで、あなたが、沙耶花さん」


「そう、あと、さんは付けない!」


「ふう?」


「【#・∀・】ムカムカ 」


「わたしは、亜矢子・・・あなたは、沙耶花・・・わたしは、亜矢子、あなたは、沙耶花・・・わたしは」


「だ、大丈夫かなぁ?不安だなぁ・・・」


ガラガラ~~~(教室へ戻った亜矢子たち)


「あ、おかえり、沙耶花~!亜矢子見つかった?」


「うん」


「わたしは、亜矢子、あなたは、沙耶花、この人は、だれですか?」


「は?」


今日子は、きょとんとする。


「ちょ・・・ばっ!・・・」


沙耶花(亜矢子)は、焦った。



「ちょっと、なに、いまの?亜矢子、あんた、私をおちょくってるの?(怒)」


「ち、違うって、今日子!」


「さ、沙耶花???」


「あ、ああ~~~、ち、違うのよ、きょ、今日子ちゃん(うわぁ!鳥肌がああああ~~~~~~~~~~~~~!!!)」


「ふう?」


「な、なんか、ムカつく!」


今日子は言った。



「それは、あたしも同感なんだけど(苦笑)」


「はい?」


「あ、ううん、なんでもないの、きょ、今日子ちゃん(うわぁ・・・鳥肌ぁ~~~~~~~~~~~~~!!!)」


「亜矢子、それ、何の遊びか知らないけど、頭に来るから、今すぐやめてよ!」


今日は亜矢子もどき?に言った。


「ふう?」


「ナメてるの?亜矢子(-゛-メ) ヒクヒク」


「きょ、今日ちゃん、お、落ち着いて・・・」


沙耶花(亜矢子)が言う。



「止めないでよ、沙耶花、こんなおちょくり、許せないわ」


今日子は怒っている。



「今日子ちゃん!!!」


「さ、沙耶花?あ、あなたがそんな大声出すなんて、ちょ、ちょっとびっくり・・・」


「あ、あ、あ、ごめん」


「で、なに?」


「あのね、実はね、驚かないで聞いて欲しいんだけどね?ごにょごにょ・・・・・」


「亜矢子が記憶喪失ぅ!?!??」


「しぃー!今日子ちゃん、声が大きいよ!!まだ、内緒にしててよ!!!」


「あ、そ、そうなの?ご、ごめん・・・っていうか、先生に言ったほうが、それか病院に・・・」


「う、うん、あ、あとでね・・・今は、あんまりショックを与えないほうがいいっていうか・・・」


「そ、そうか・・・そうだよね・・・うん、なるほど、記憶喪失か・・・あはは・・・^^;」


「ふう?」


「で、沙耶花、これ何なの?」


「あたしにもよく分かんないの^^;」


「イラって来るんだけど?」


「うん、あたしも」


「え?」


「な、なに?」


「い、いや、沙耶花が、イラってするの見たことないから^^;」


「え?そ、そう??あたしだって、人間なんだから、たまには、そういうのあるよ?」


「そ、そう、人間だものね・・・(なんか意外だわ)」


「あ・・・」


「ど、どうしたの?沙耶花」


「今日子、宿題見せて!あたしやってないんだった!!」


「えええ~~~?沙耶花が??」


「あ・・・あたしじゃなくって、亜矢・・・ちゃんが!」


「はあ???」


「ごめん、今日子・・・ちゃん、亜矢ちゃんに、宿題見せてあげてくれないかなぁ?」


「沙耶花が見せてあげればいいんじゃないの?」


「あ、そっか・・・そうだよね、あはは~~~^^;」


「大丈夫?沙耶花ぁ??」


「あたしも思いっきり、頭ぶつけたからね、ちょっとおかしいかも?あはは・・・」


「確かに、おでこにすっごいタンコブ出来てるね?2人とも(汗)」


「あはは・・・やっぱりぃ?凄く痛いわ~(泣)今日子なんかクスリ持ってない?」


「持ってないわよ~保健室行って来なさいよ~!」


今日子は思った(う~ん・・・なんか今日の沙耶花へんね?私に呼び捨てするし、まるで亜矢子みたい?いや、まさかね、マンガじゃ、あるまいし・・・・・・・そんなこと・・・・・・・・・・)


「う、うん、そうだね、ちょっと、2人で保健室、行って来る」


沙耶花(亜矢子)が言った。



「先生には、私が言っといてあげるわ」


今日子が言った。



「ありがと、助かるわ」



「・・・・・・・・・・(沙耶花の言い方じゃない気がする)」


今日子は思った。



「亜矢ちゃん、保健室行くわよ(自分に”ちゃん付け”するのも気持ち悪いわねぇ・・・」


「はい、わかりました、沙耶花”さん”」


「(´゚ω゚):;*.':;ブッ」


な、なんなの?この違和感・・・記憶喪失ねぇ・・・?今日子は、早く元に戻って欲しいと願った。



<保健室>


「あら?どうしたの??君島さん、また、発作かしら?」


「あ、いえ、違います」


「あら?もしかして、いつも元気な小野さんが体調不良なの!?まさかね??」


「ど、どういう意味ですか!先生、ひどい!!」


「え?な、なんで、君島さんが怒るの??」


「あ・・・えっと、亜矢ちゃんは、親友だし・・・(*μ_μ)σ| モジモジ・・・(あ~キモイ!やりたくないわ~)」


「そ、そう・・・で、どこが悪いのかしら?頭は治せないわよ」


「先生、ひどいこと言いますね(泣)」


「だから、どうして、君島さんが言うの?」


「親友だもん!(あ~ぶりっこ、鳥肌~~~!!!)」


「いつもは、小野さんがツッコミ入れるのに、今日は大人しいわね、本当に具合悪いのかしら?」


「ふう?」


「(出た!意味不明な、あの、”ふう?”あれは、一体なんなのかしら?何かの合図???)」


「あら?貴女たち、おでこが赤いわねぇ・・・って、すっごいタンコブ!!!」


「あははは、実は、走っててぶつかったんです(;^_^A アセアセ・・・」


「ちょっと、お薬塗るわよ?」


「痛ててててっ!」


沙耶花(亜矢子)は言う。


「き、君島さん!?」


先生は、驚く。



「(あ、いけね、あたし、沙耶花だった・・・)い、痛いですぅ~先生~♪(違うわね・・・こうじゃない)」


「小野さんのほうが、君島さんみたいに大人しいわね・・・今日は、どうしちゃったの?」


「ね、ねぇ~!あ、亜矢ちゃん、元気ないですよねぇ~?(汗)」


「ところで、あなたは、だれなんですか?」


「は???」


「ちょ・・・ばっ・・・な、なに言って・・・」


沙耶花(亜矢子)は、またか!と思った。



「うふふ☆いつもの小野さんに戻ったのかなぁ?先生をおちょくり始めたのかしら?(怒)」


「い、いや、ち、違うんですよ、先生!」


「君島さんは、黙ってて!」


「ねぇ?沙耶花さん、この、オバサンだれなの?」


「ちょっと~~~!!!(汗)」


沙耶花(亜矢子)は、青ざめた。



「オバサン!?・・・うふふ☆ちょっと、痛いお薬塗りましょうかね、激痛走っちゃうかもだけど!」


「せ、先生、あ、あの・・・ですね?」


「止めると、貴女も同罪で塗りますよ、痛くて泣き喚いちゃいますよ!」


「先生、聞いて!!!(大声)」


「うわっ!?び、びっくりした、君島さん、あなた、そんな大きい声出るのね?(汗)」


「あ、えと、ご、ごめんなさい、先生、実はですね・・・ごにょごにょごにょ・・・・・・・」


「き、記憶喪失ぅ!?!???なんで、そんな大事なこと黙ってたんですか!!!」


「す、すみませ~~~ん、ショックを与えないほうがいいのかと思ってぇ・・・」


「むぅ・・・と、とにかく、親御さんに連絡して、貴女たちは病院へすぐ行って来なさい」


「は~~~い(ラッキ~♪授業がサボれる)」


沙耶花(亜矢子)は思った。



「ふう?」



<病院>



「特に異常は見られませんね、2人とも」



担当医が言った。



「ありがとうございましたぁ」


亜矢子は言う。



「とりあえず、記憶喪失のほうは、様子見るしか、ありません、お大事に」


「はい、わかりましたぁ、亜矢ちゃん、行こ」


「はい」


診察室から、廊下に出ると・・・



「亜矢子!」


「あ、お母さん!」


「え?」


「あ、えっと、亜矢ちゃんのお母さん!(やばい、やばい、つい・・・)」


「亜矢子、大丈夫なの?」


「ふう?」


「えっと、命に別状はなく、記憶もそのうち、戻るだろうって、先生言ってました」


「そ、そう、良かったわ・・・ごめんなさいね?沙耶花さん」


「え?」


「ウチの娘そそっかしいもんで、沙耶花さんにケガさせてしまって、ごめんなさい」


「(むぅ・・・あたしが悪いんかいっ!)い、いえ、気にしてませんよ」


「沙耶花さん、この、オバサンは、だれですか?」


「あたしの・・・じゃなくて!亜矢ちゃんのお母さんでしょ!!」


「そ、そうでしたか、失礼致しました・・・亜矢子さんのお母さん」


「あんたが亜矢子でしょうが!!」


「さ、沙耶花さん?」


「あ・・・・・・・・えっとぉ・・・おでこが痛たたたっ!(誤魔化す、亜矢子)」


「だ、大丈夫ぅ?沙耶花さん??」


「あ、は、はい、大丈夫です」


「亜矢子、帰るわよ」


「うん」


「え?」


「あははは・・・す、すみませ~ん・・・(だ、だめだわ、これ・・・)」


「う~ん・・・なんだか、沙耶花さんが亜矢子に見えて来たわね・・・(汗)」


「そ、そんな・・・あははは・・・・・」


「ふう?」


「あ、あら?ごめんなさいね、失礼なこと言っちゃって!」


「(ど、どういう意味よ!??お母さん!それ、酷すぎ!!><)」


「帰りましょう、沙耶花さんは、どうするの?タクシーで家まで送って行ってあげましょうか?」


「あ、い、いえ、あたしは学校に戻ります、残りの授業は受けたいので・・・」


「あら?亜矢子と違って、勉強が好きなのね、羨ましいわ」


「(ムキー!! ヾ(`Д´*)ノ なんかとっても腹が立つけど、言い返せない~~~!)あはは」


「(今日はそのまま家に帰って、亜矢子として、過ごすのよ、いい?)」


「(はい、わかりました)」


「明日また、学校でね?亜矢ちゃん」


「はい、さようなら、沙耶花さん」


「ありがとうね?沙耶花さん」


「いえ、どういたしまして・・・(しかし、沙耶花の精神は、どこに行ったのよ???)」


沙耶花(亜矢子)は、その後、学園に戻り、沙耶花の身体と精神(こころ)を使って悪巧みを敢行する。


見た目は、沙耶花、俊彦に公然とベタベタすることも出来る。

そして、4凶(笑)にケンカを売ることも出来るので、これを逃す手はないと考える沙耶花(亜矢子)。


声も沙耶花だが、喋り方は、亜矢子そのもの。ボロが出ないようにすれば、バレることはない。


<再び学園内>


「あ、おかえり、沙耶花・・・亜矢子は?」


「お家に帰ったよ」


「ふ~ん、で、沙耶花は、帰らなかったの?」


「だって、あたしは記憶喪失じゃないし」


「そっか、それに亜矢子と違って、沙耶花は授業サボりたくない派だもんね」


「うっさいわねぇ!」


「え?」


「あははは・・・亜矢ちゃんだったら、そう言うよね?ね??今日子ちゃん(やばっ!)」


「あ、そ、そいうことね、びっくりした・・・(言い方は確かに亜矢子そっくりだったわ)」


「(まずいわ・・・ボロ出ちゃいそうになる・・・気をつけないと!)」


「(亜矢子も別人格っぽいし、沙耶花は亜矢子みたいだし・・・これって、まさか?)」


「あはははは!」


「あははははは!」


2人は、互いに苦笑いした。


「(今日子とはあまり話さないほうが良さそう)」


「(試してみようかしら?亜矢子なら、誘導尋問に乗るはず?)」


「あたし、お兄ちゃんのところに行って来るね」


「ちょっと、待って、沙耶花」


「なぁに?今日子ちゃん」


「学園七不思議ってあるじゃない?」


「う、うん」


「確か、その中の1つで、誰も居ない音楽室で・・・っていうのがあったよね?」


「ああ、それね、それは・・・(はっ!?た、確か、これ沙耶花には言ってない話・・・)」


「それは?(亜矢子なら答えれるけど、沙耶花はこの話を知らないので・・・)」


「(今日子、もしかして、あたしの存在に気付いて、カマかけてる???)えっと~」


「どうしたの?続き、聞かせて!」


「誰も居ないのに、声が聴こえるっていう有名な怪談話のこと?」


「そうね、よく言われてる怪談話の定番よねぇ・・・うちの学園にもあるのかしらね?」


「さぁ?あたし、怖い話とかって苦手だから、そういうのはあまり詳しくないの、ごめんねぇ?」


「そっか、沙耶花は心臓が悪いもんね、ごめんね?へんなこと言って!」


「ううん、いいよ、それじゃあ、もう、いくね」


「いってらっしゃい(ちっ・・・ノって来なかったか、どっちかわからずじまいね・・・)」


「ε=( ̄。 ̄;)フゥ・・・やばかった、今日子の前で何度もあたし出しちゃったしなぁ・・・」


ましてや、あっちの亜矢子が、ちゃんと、亜矢子してないから、今日子も疑いたくなるわけよね・・・。


何度か、抜き打ちで、カマかけてくるかもしれないので、気をつけないと・・・・・・そんなことを考えながら、俊彦のクラスにやってきた、沙耶花(亜矢子)



「あれ、君島の妹じゃね?」


「ん?げっ!沙耶花!!なんで、2年の教室に居るんだ???」


「きょろきょろしてんぞ、早く行ってやれよ」


「い、いいよ」


「あ、お兄ちゃん!」


「わっ!ばかっ!!勝手に教室に入ってくんなよ!」


「ねぇ!お兄ちゃん、今日、お昼一緒に食べよ」


「話聞けよ!」


「ねぇ、いいでしょう?食べようよ~~~」


「いいよ、いつも通り、1人で食べるよ」


「え~~~一緒がいい~~~!」


「いつも通り、お前も友達と食べればいいだろう?」


「だってぇ~今日、亜矢ちゃん、居ないんだも~~~ん」


「え?」


「具合悪くて帰っちゃった、お母さんが迎えに来てたし」


「ええっ?そ、そんなに悪いのか??」


「みたい」


「そうか・・・あんな元気なやつが体調悪いなんてあるんだな」


「(どういう意味よ!!!ムキー!! ヾ(`Д´*)ノ あったま来た!)ひどいよぅ、お兄ちゃ~~~ん」


「ああ、悪ぃ!」


「それよりもお昼!」


「いや、俺は、1人で食う」


「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!(泣)」


「ばっ!ばかっ!!泣くなよ!!!恥ずかしいだろ!」


「あらあら?また、妹さん泣かせてるのね?悪いお兄さんね☆くすくすっ♪」


「くっ・・・」


「君島ぁ?こんな可愛い妹さん、泣かせたらダメじゃないか~!天罰が下るぞ~~~」


「うるさいっ!あっちへ行け!!」


「うわああああああああああああああああああああああああん!!!お兄ちゃんのばかぁ!(号泣)」


「だあああああああ!!!分かった、分かった!一緒に弁当食うから!!!」


「ほんと?(けろっ♪)」


「ああ」


「すげぇな、お前の妹、もう笑ってるぞ!」


「くっ・・・(いつもより、強引だったな・・・なんだ?沙耶花に対して物凄い違和感だが?)」


「それじゃあ、お兄ちゃん、お昼休みに、中庭に来てね」


「なっ!?あ、あそこは、やめようぜ!!(汗)」


「なんでよぉ~」


「お、屋上はどうだ?」


「いやっ!あたしは、中庭がいい!!」


「俺は屋上がいい!」


「すぅぅぅぅぅ(息を大きく吸う・泣く準備OK!)」


「わ~ばかっ!やめろ!!わ、わかった!中庭でいいから!!」


「やったぁ♪エヘヘ~」


「君島くん、妹さんには優しいのね、ヤケちゃうわ~~~(女子生徒)」


「ううう~~~(沙耶花め~~~!)」


「君島くぅん♪ヤケちゃうわ~(男子生徒)」


「やかましい!!!」



お昼休み


<中庭>(4凶の集う場所w)



「あら?珍しい、今日は、俊彦さんもいらっしゃるわ、美味しい昼食になりそうね」


玲奈が言う。



「オマケも居るけどね」


瑞希が言う。



「まぁ、致し方ありませんわ」


玲奈が言う。



「ごっそさん」


由衣が言う。



「早や!」


瑞希が言った。



「私まだ、お弁当箱開いてもいないのに(苦笑)」


麻美が言った。



「弁当箱ごと食べたんじゃないか?あいつの場合」


瑞希が言う。



「まさかぁ!お菓子の箱じゃないんだから~」


麻美が言う。



「やはり、好きな殿方が近くに居て食べる昼食は格別ですわね」


玲奈が言う。




「はあ・・・気が重い」


「お兄ちゃんどうしたの?深い溜め息なんかついて??」


「なんで、よりにもよって、中庭なんだよ、屋上のがいいじゃないか」


「また、そんなこと言ってぇ~往生際が悪いよ?お兄ちゃん」


「往生際って、お前なぁ・・・?」


「それより、早く食べようよ~」


「ああ、わかったよ」


「うふふ☆お兄ちゃん、美味しい?」


「あんまり、旨くねぇなぁ・・・(ぼそっ」


「へぇ~お兄ちゃんって、そうなんだぁ?(ちょっと大きめな声で)」



「なにかしら?(耳がダンボ)」


俊彦さん情報が気になる玲奈であった(笑)。



「・・・・・・・・・・(耳がダンボ)」


「なになに?(耳がダンボ)」


「モグモグモグ(腹がカエルw)」


麻美は、静かに聴いている。瑞希も食べながら聴いている。


由衣は食後のおやつを食べるのに夢中だ。



「あの4人が近くに居るせいで、ご飯がマズイんだね!でもお兄ちゃん、それは言い過ぎだよ~」


沙耶花(亜矢子)は悪意全開で言った。



「ばっ!ばかっ!!声がデカイ!!!やつらに聴こえちまうだろがっ!(汗)」



「どぴきっ!」


玲奈の眉間に青筋が立った。



「もがもがっ!」


「な、なんてこと言うんだ!お前は!!」



「俊彦さん」


「げっ!れ、玲奈!!い、いつの間に?」


「どういう意味かしら?」


「な、なにがだ?」



「わたくしたちのせいで、昼食がマズイとおっしゃって?ギロリっ!(睨)」


「そ、そんなはず、な、ないだろう?」


「いつもどれだけ誘っても、一緒に食事されないのは、そういう理由からですの?」


「な、なに言ってんだよ?ほ、ほら!俺たち、学年違うだろ??そ、それでだよ」


「妹さんとも学年違いますわよね?」


「い、妹は、い、いいだろ?か、家族だしさ??」


「では、さっきのは、わたくしの空耳ですのね?」


「あ、ああ、もちろんだ」


「いいでしょう・・・そういうことにしておきます」


玲奈は、元の場所へと戻って行った。


「ふぃ~~~!沙耶花、こら!!」


「ふみ~~~ん、ごめんなさ~~~い」


「はあ・・・だから、イヤなんだよ、ここで食うの」


「そっか~~~そんなにイヤなんだねぇ~~~!お兄ちゃんは!!(大きめな声で)」



「ぴくっ!(耳がダンボ)」

「ぴくっ!(耳がダンボ)」

「ぴくっ!(耳がダンボ)」

「食ったぁ!(腹がカエルw)」



「生徒会長っていうだけで威張り腐って、命令口調で言われると腹が立つもんね~~~!」


「だ、だから、声がデケぇって!!!(汗)」



「俊彦さん」


「ぐびっ!」


「ちょっと、”指導室”に行きます?」


「い、いや、ま、まだ、ご飯食べてるし」


「指導室でお食べになったら?」


「い、いや、かんべんしてくれ、それに、あそこは飲食禁止だろう?(汗)」


「ええ、そうですわね」


「れ、玲奈・・・お、怒ってるのか?」


「わたくしが、いつ、俊彦さんに対して、威張り腐って命令口調でおっしゃいました?(怒)」


「い、いや、ち、違うんだよ・・・そうじゃなくてだなぁ?(汗)」


「それとも、そちらの妹さんが、勝手におっしゃったこと・・・ですの?」


「え、えっと・・・も、もし、そうだとすると、ど、どうなるんだ??」


「もちろん、”処罰”しますわ」


「ど、どんな?」


「うふふふ☆」


「ま、待て!妹は無関係だ・・・うん、そう・・・関係ないぞ?」


「つまり、俊彦さんの本音・・・ということですわね?」


「い、いや、そ、それも、ち、違うかなぁ・・・って(汗)」


「どっちなんですの!!!」


「す、すまん、言葉のアヤだ!悪気はない!!本当だ!」


「3度目の正直は、ありませんことよ?ギロッ(睨)」


「あ、ああ・・・恩に着る」


玲奈は、元の場所へと戻って行った。



「はぁはぁはぁ・・・な、なんて、プレッシャーだよ・・・まったく、おい、沙耶花!!」


「なぁに?お兄ちゃん」


「もうちょっと、声のトーン下げて言えよ、丸聴こえじゃねぇか!!」


「でも、本心なんだし、仕方ないんじゃないの?」


「本心でも、相手に聴こえるように言ったら、ダメだろう!!」


「でも、学園のみんなが思ってることなんでしょう?」


「だ、だとしてもだ!」


「それだとストレス溜まって身体に悪いよ~?」


「そこはガマンだ!」


「ガマンしてたせいかなぁ?あたし、午前中、保健室のあと、病院行ったよ~」


「な、なにっ!?ほ、本当か?それ!!」


「保健室の先生に行くよう言われたの~」


「そ、そうか・・・すまなかったな、もう、いいのか?」


「う、うん、でも、今の話からすると、またストレス溜まりそう・・・沙耶花も人間だからねぇ」


「お、おい・・・わ、わかった、でも、あいつらには聴こえないに、コッソリとな?」


「はぁ~い♪(くっくっくっ・・・これは、病み付きになりそう)」


「沙耶花、飲み物くれ」


「はい、お兄ちゃん」


「ふう・・・」


「玲奈が偉いんじゃない!親が偉いんだ!!七光りビ―ム!!!きゃ~やられた~!」




「このコロッケ美味しいなぁ!」


沙耶花の言葉をかき消すように、俊彦は言う。



「あの赤毛は、おばかの象徴なの?」


「このハンバーグはメチャ旨い!!」


「あそこの根暗星人は、近づく人み~んな暗くされちゃうのかなぁ?」


「この卵焼き、最高!!!」


「凶暴なあの人は、動物園に連絡しなくて、いいのかなぁ?野放し危険だよ~??」


「やっぱり、白飯は、旨いなぁ!あっはっはっ!!」


「俊彦さん・・・・・」

「俊彦さん・・・・・」

「俊彦さん・・・・・」

「俊彦さん・・・・・」


「な、なんだい?みんな、揃って??(お、おい、沙耶花、逃げる準備しろ)」


「(う、うん)」


「3度目はないって言いましたわよね?にっこり♪」


「な、なんのことだ?あ、次は体育だ、早めに準備しないと、それじゃ、またな!(沙耶花)」


「う、うん、あ、ごめん、お兄ちゃん、どんっ!!」


「おわぁ!!!」


俊彦は、沙耶花に突き飛ばされて、玲奈たちの足元に居た。そして、すぐさま囲まれた。


「あたし、先に教室戻ってるね~お兄ちゃん!」


沙耶花は、遠ざかりながら、言った。


「ま、待て!沙耶花!!お前、まさか、わざとか!?」


「俊彦さん、指導室に行きましょう」


「お、おい、まさか、う、嘘だろ?」


「遠慮しないで」


瑞希が言う。



「いきましょう」

麻美が言う。



「行くよ」

由衣が言う。


4凶に引きずられながら、俊彦は連れて行かれた。



「ま、待ってくれ~~~!話を聞いてくれ~~~!!」


「指導室でお聞き致しますわ」



<指導室>


「ガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミ!」


「わ、わかったって!あんまり、耳元でガミガミ言うなよ、玲奈」



「ガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミ!」


「ぐわぁ!!!わ、わかったって!悪かったよ!!反省してるって!!!」


「ガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミ!!!!」


「す、すみませんでした!反省しております!!!玲奈さん、生徒会長様!!」


「俊彦さん、内申書・・・覚悟出来ていますわよね?」


「い、いや、内申書いじるのは、勘弁してくれ、玲奈」


「玲奈?(怒)」


「玲奈・・・さん」


「条件がありますわ」


「な、なんだよ?」


「それはまたいずれ・・・今日はこのくらいにしてあげますわ」


「あ、ああ(何か渡されたな?紙か??)」


「それでは、ごきげんよう」


「わかった」


俊彦は指導室をあとにして、自分の教室に向かう途中で、玲奈に渡された紙を見る。


「内申書に指導室でのことを書かれたくなければ、わたくしとデートしてくださいな」・・・と書いてあった。


な、なんだとぅ!?


俊彦は、紙を握り締めながら、ぶるぶると怒りに震えていた。


「追伸・・・今日の放課後、一緒に帰りましょう・・・そのときにデートの詳細などをお決め致しましょう」と書いてある。


「くっそ~~~!これというのも全て沙耶花のせいだ」


俊彦はぼやく。



そして・・・放課後


「待っておりましたわよ、俊彦さん」


玲奈が俊彦が正門に来るのを待ち構えていた。


「あ、ああ」


俊彦が気のない返事をする。


「お兄ちゃん!一緒に帰ろう☆」


沙耶花が言った。


「さ、沙耶花!?」


俊彦が驚く。いつの間に背後に来ていたのか・・・全く気付かなかったようだ。


「俊彦さん、”約束”」


玲奈が抑揚なない声で言った。


「分かってるよ」


俊彦は不機嫌そうに言った。


「お兄ちゃん☆ウル・・・(涙目)」


沙耶花もどき(亜矢子)が泣き真似で俊彦を追い込む。


「玲奈、少し待ってくれ」


俊彦が言う。


「少しだけですわよ」


玲奈が答える。


「沙耶花、よく聞いてくれ」


俊彦は真剣な眼差しで沙耶花に言う。


「お、お兄ちゃん?」


沙耶花もどき(亜矢子)が返事をする。


「これは、お前を助けるために必要な行為なんだ」


俊彦は、意味不明なことを言い始めた。


「え?」


沙耶花もどき(亜矢子)は、きょとん?とする。


「今日は一緒に帰れないが、お前の為なんだ、分かってくれ」


俊彦は、沙耶花に言う。


「ど、どういうこと?ウルウル(涙目)」


沙耶花もどき(亜矢子)は、俊彦に尋ねる。


「お前の命を救うために、俺は玲奈と帰らざるを得ないんだ」


俊彦の目は真剣だ。


「お、お兄ちゃん!?」


沙耶花もどき(亜矢子)は、驚いた。


「一緒に帰らないと、沙耶花を殺すっていうんだ、わかってくれ」


俊彦は、沙耶花にそう言った。


「わかったよ、お兄ちゃん、沙耶花のためなんだね」


沙耶花もどき(亜矢子)は、俊彦のセリフに乗っかった!

何故なら、後ろで玲奈の顔面がヒクヒクしているのが分かったからだ。


「すまない、沙耶花、今日はなるべく家で大人しくしてるんだぞ」


俊彦は、言う。


「うん、気をつけてね、お兄ちゃん」


沙耶花もどき(亜矢子)は俊彦に言う。


「ああ、わかった」


俊彦は、沙耶花に紙を渡す。


「ばいばーい☆お兄ちゃん♪」


沙耶花もどき(亜矢子)は、俊彦と別れてから、トイレで渡された紙を見る。

それを見て、次なるイタズラを思いついたのだった。




玲奈送迎用リムジン・・・車内。


「俊彦さん、あれは、一体どういう意味ですの?(怒)」


玲奈の眉間にシワが寄り、怒りに震えている。


「あの短時間で沙耶花を言いくるめるには、あのぐらい言わないとだなぁ・・・」


俊彦は、苦し紛れに玲奈に言う。


「俊彦さん、まさか、いつも、わたくしのことを、そういう風に見ているんじゃ、ないでしょうねぇ? ( →_→)ジロ! 」


玲奈は、俊彦をひと睨みする。


「そ、そ、そんなわけないだろう!お前は立派な生徒会長さんだ!!」


俊彦は、心にもないことを言って見る。


「わたくしの納得のいくデートじゃなかったら、覚悟なさってくださいね」


玲奈が言う。


「うっ・・・」


俊彦は、絶句した。




一方・・・校舎内。


沙耶花もどき(亜矢子)が校内を徘徊し、4凶の3人を探している。

そして、1人はすぐに見つかった。

3学年の校舎の廊下を麻美が歩いていた。


「あれ?なんか急に暗い気分になっちゃった・・・近くに根暗星人でも居るのかなぁ?(・_・ ) ( ・_・)キョロキョロ」


沙耶花もどき(亜矢子)は、わざとらしく、聴こえるか聴こえないかの距離でそんな独り言を言った。


「ぴくっ!」


麻美がそのセリフに反応を示した。


「ω’*)チラッ」


沙耶花もどき(亜矢子)は、麻美のほうをチラチラと見ている。


麻美は沙耶花もどき(亜矢子)のほうへ歩き出した。


「ツカツカツカ・・・ちょっと今のどういう意味かしら?」


麻美が、沙耶花もどき(亜矢子)に向かって言った。


「べぇ~つにぃ~?」


バカにしたような言い方を麻美にした。


「ぴくっ!(怒)」


麻美は、怒ったようだ。


「んべっ!」


沙耶花もどき(亜矢子)は、舌を出して麻美を挑発して逃げた。


「ま、待ちなさい!」


麻美はすぐさま追いかけた。


 麻美は思った・・・なに?あの子??確か心臓が悪いはず???あんなに思いっきり走って大丈夫なのだろうか?と・・・。しかも、動きが早い、見失ってしまうわ・・・そう思い、麻美はダッシュしてスピードを上げた。



「しめた!あそこの曲がり角の先は行き止まりよ!!」


麻美は、チャンスと思って、勢いよく曲がり角を曲がった矢先に・・・?


ドンッ!


「うわっ!?」


「痛っ!」


「ちょ、ちょっと、どこ見てんのよ!痛ったいわねぇ~~~!!!」


「そっちこそ、ちゃんと前見て歩きなさいよ、やっちゃうわよ!!!」


「ああ?やれるもんなら、やってみなさいよ、返り討ちにしてやるわ・・・よ?」


・・・と言い掛けて互いの顔を見る。


「あ、麻美!?」


「み、瑞希さん!?」


「ど、どうしてこんなところに?」


「瑞希さんこそ!」


「あたしは、先生に頼まれて資料室にプリント運んでたのよ」


「私は、沙耶花さんを追いかけて・・・あれ?い、居ない!?」


「沙耶花?俊彦さんの妹の??」


「ええ、そう、そっちに行かなかった?」


「いや、見てないわよ、資料室にも居なかったし」


「い、一体どこに・・・? ( ‥) ン?  」


「どうしたの?」


「瑞希さんの後ろに何か落ちてる」


「え?あ、ほんとだ・・・ゴミ?」


「中に何か書いてある?」


「見てみるわ・・・・・な、なんだってぇ~~~!?!??」


「ど、どうしたの?み、見せてくれる??」


「あんの野郎・・・また、抜け駆けしやがってぇ!ゆ、許すまじ!!玲奈!!!」


「ぷるぷるぷるぷる・・・指導室で何か渡したかと思ったら、コレだったのね!」


「麻美、急いで追いかけるわよ」


「ええ、瑞希さん」


資料室の横の教室から、ひょこっと顔を出す沙耶花もどき(亜矢子)は、2人が物凄い勢いで廊下を走り階段を降りて行ったのを見届けてから、ゆっくりと校舎をあとにした。


玲奈と一緒に帰った俊彦、抜け駆けをした玲奈を追いかけた2人、そのあと、どうなったのかは、また、別のお話で登場します。

そして、沙耶花の精神は一体どこに飛ばされてしまったのか?


つづく。
























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学園ものシリーズ 黄昏の夜月(たそがれのナイトムーン) @night-moon-crisis

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