学園ものシリーズ

黄昏の夜月(たそがれのナイトムーン)

第1話 新入生歓迎会

 みなさま、初めまして、わたくしが、聖ジーヴェール女学院、始まって以来の美女お嬢様である北条院玲奈と申します。


 1学年の時から、生徒会長を務め、才色兼備を備えた完璧な人間ですのよ☆オホホホ!!γ(▽´ )ツヾ( `▽)ゞオホホホ!!


 そんな、羨望の眼差しであるこのわたくしが、新しく入ったばかりの1学年のために、歓迎会を開いて差し上げるのです。光栄に思いなさい。


・・・ということで、”いつものメンバー”たちが玲奈から呼び出されて、玲奈の所有地に集められた。


(もっと大人数で集まる、懇親会などもあるので、それはまた別の作品でご紹介します)




 

「ねぇ、お兄ちゃん」


沙耶花は、言った。


 

「なんだ?」


俊彦は、返事した。


 

「歓迎会の割りには、人数少なくない?」


沙耶花が不思議そうに言った。



「今回のは、1学年代表なんだとさ、大人数のやつは、日を改めてまたやるんだと」


俊彦は、聞いている情報を沙耶花に話した。



「えええ~~~~っ!?沙耶花が代表なのぉ???」


沙耶花は、とてもびっくりした。



「らしいな」


俊彦は生返事だ。



「なんで、なんでぇ~~~???」


沙耶花は、わけがわからないと言った感じだ。




「いや、もう1人居るみたいだな、あそこで、きょろきょろしているのも1年生じゃないか?」


俊彦が、そう言うと・・・・。



「あれ?あの子、確か、あたしと同じクラスの子で、しかも隣の席の小野さん!」


沙耶花は、見知った顔が居て少し安堵した。



「ほぉ?あれが、お前が、始業式の日に友達になったっていう子か?」


俊彦は、言った。



「あれって言わないでよ、お兄ちゃん!小野亜矢子さんって言うの!」


沙耶花は、名前を俊彦に告げた。



「わ、悪い」


俊彦は、咄嗟に謝った。



「あっ!」


亜矢子は、沙耶花に気付いた。



「こ、こんにちわ、小野さん」


沙耶花は言う。



「こんにちわ・・・っていうか、苗字でいうのはやめましょうって言ったでしょ!沙耶花~~~!」


亜矢子が言う。



「あ、あははは・・・ご、ごめんなさ・・・ごめんね?亜矢子さ・・・亜矢ちゃん」


沙耶花は、まだ慣れてないか、敬語になりがちになる。



「ねぇ?1年生って、もしかして、あたしたち、だけ?・・・なのかなぁ??」


亜矢子が言う。


「う、うん、そうみたい」


沙耶花が言う。



「なんで、あたしたちなんだろうね?」


亜矢子は、首をかしげた。



「あたしもそう思ったの~」


沙耶花が言う。



「まぁ、い、いいじゃねぇか!それより、集合場所へ急ごうぜ!!」


俊彦は、何か事情を知ってそうだが、2人には言わなかった。



「お待ちしておりましたわ、俊彦さん、沙耶花さん、そして、亜矢子も」


玲奈は、そう言って挨拶をした。



「よう!」


俊彦は言った。



「こ、こんにちわ」


沙耶花は、おずおずと挨拶をした。



「こんにちわ(な、なんで、あたしだけ、”呼び捨て”なわけ?ムキー!! ヾ(`Д´*)ノ 」


・・・と心の中で、思う亜矢子であった。



「皆さん、もう、お集まりですわよ、どうぞ、こちらに」


玲奈は、みんなが居るところに、沙耶花たちを案内した。



「ども」


瑞希が言った。



「やっぴ―!」


由衣が言った。



「こんにちわ☆」


麻美が言った。



「おっす」


俊彦が言う。



「みなさん、こんにちわ、本日は、歓迎会を開いてくれて、ありがとうございます☆m(_ _"m)ペコリ」


沙耶花が挨拶をした。



「こ、こんにちわ、右に同じです」


亜矢子が、手抜きで挨拶をした。



「やはり、1年生というのは、とても、初々しいですわね」


玲奈が言った。



「そんなことよりも、ごはん、まだぁ?」


食いしん坊の由衣が言った。



「はいはい、わかりましたわ、まったく、この娘と来たら・・・」


玲奈がが呆れて言う。



「食い意地が張ってんな~相変わらず」


瑞希が言った。



「あはは・・・」


麻美が笑っている。



「あによ~これ以外に何の目的があって来てんのよ~~~!」


由衣が言う。


「俊彦さんたちも、どうぞ、お食べになって」


玲奈が、俊彦たちに促す。



「おう!コイツは、旨そうだな」


俊彦が言う。



「うふ☆今日は、歓迎会ですもの、シェフによりをかけて作らせませたわよ」


玲奈が言う。



「お口に合うかわかりませんがどうぞ、お召し上がりくださいませ」


シェフが言った。


 この場所は、玲奈の父が所有している、総合公園の1つで、桜並木があり、公園の敷地内には、200本以上の桜の木があって、今年は遅咲きで、今が満開の時である。


私有地のため、一般人は入れない。


 その1角に、玲奈たちは、専用のキャンピングカーを敷地内に入れて、専用のシェフがその中で料理を作っている。


 イスやテーブルもあるが、沙耶花と亜矢子は、芝生の上に座っている。

俊彦は、テーブルの前のイスに座っている。


 次々と料理が運ばれて来る。


 由衣は、馬車馬のごとく、食べまくっている。

シェフもびっくりしている。



「いや~しかし、見事な桜だな」


俊彦が言う。



「うふふふ☆お気に召しまして?俊彦さん」


玲奈が言う。



「ああ、壮大だな」


俊彦が言う。


「一般の方々は、入れないので、本日は、貸切でしてよ」


玲奈は、自慢げに言う。



「まったく、豪勢だ」


俊彦が言う。



「うふ☆ゆっくりしてらしてね」


玲奈が言う。



「ああ、そうさせて貰うよ」


俊彦が言った。



「どうかしら?少しは、学園には慣れましたか?」


そんなことを言いながら玲奈は、新入生に近づいていった。



「あ、は、はい!」


沙耶花は、返事した。



「はい」


亜矢子も返事した。



「沙耶花さん、ゆっくりしていってね!亜矢子もね」


玲奈が言う。



「はい、ありがとうございます」


沙耶花が言う。



「はい(まただ!なんで、あたしだけ、呼び捨てなのよ~~~!!!)」


亜矢子は、思った。そして、面白くない亜矢子は、”アレ”を出した。



「じゃ~ん☆沙耶花、飲も♪」


亜矢子は言った。



「ちょ、飲もって、そ、それ、お酒じゃないの?亜矢ちゃん!?」


沙耶花は、驚いて、言った。



「そうよ?何かいけない??」


亜矢子は、沙耶花に聞いた。



「え?だ、だって、あたしたち、まだ、未成年だし・・・」


沙耶花は、言う。



「なに、カタイこと言ってんのよ?今日は、”そういう日”なんだから、飲んでもいい日なのよ」


亜矢子は、意味不明なことを言った。



「そういう日ってなに~?未成年者は、お酒飲んだら、ダメなんだよ~??」


沙耶花は、亜矢子に正論を言った。



「しらける子ねぇ・・・お花見と言ったら、お酒!これは、日本では決まっていることなのよ、沙耶花」


亜矢子は言う。



「えええ~~~~!!???き、決まっていることなのぉ?し、知らなかった」


このままだと、沙耶花は、亜矢子に言い包められそうだ。



「よう、楽しそうだな」


そこに俊彦がやって来た。テーブル席から、芝生の方に移って、沙耶花たちのところに座った。



「お、お兄ちゃんからも言ってよ!」


沙耶花は、俊彦に言った。



「ん?何をだ??」


俊彦は、沙耶花に聞いた。



「亜矢ちゃんったら、お酒持って来てるんだよ~!!」


沙耶花は、俊彦に言った。



「それがどうしたんだ?俺も持って来たぞ、ほら!どんっ!!(芝生の上に一升瓶を置いた)」


俊彦は、沙耶花に言った。



「工工エエエエェェェェェヽ(゚Д゚;)ノ゙ェェェェエエエエ工工 !な、なんでお兄ちゃんまでぇ???」


沙耶花は、驚いた。



「そりゃ、おまえ、花見と言ったら、酒だろう!」

「ですよね~先輩♪」

「おう!当たり前じゃないか!!お前も持って来たか?」

「当然ですよ~☆ほら!」

「おお!銘酒じゃないか!!やるな~亜矢子」

「俊彦先輩のも、地酒じゃないですか!美味しそう~~~♪」

「飲むか?」

「飲みましょう!」


亜矢子と俊彦は意気投合した。



「ちょ、ちょっと・・・ふ、二人とも、じょ、冗談でしょう?」 


沙耶花は、焦っている。



「わはははは!亜矢子、お前、イケるクチだな!」


俊彦は言った。



「そういう先輩こそ、強いじゃないの~~~!」


亜矢子は、お酒を飲んで上機嫌だ。



「わはははは!亜矢子、もっと飲め!!」

「おっとっとっ!こぼれるぅ~~~勿体ない~~~ごくごくっ!ぷっは~♪美味しぃ~」

「俊彦先輩も、飲んでくださいよ~ほら~~~!」

「うぉ~~~~!そ、そんなに一気に注ぐなよ~~~ごくごくごくっ!ぶは~~~旨い♪」


二人とも豪快に酒を飲んでいる。


「何よ?沙耶花~ぜんぜん、飲んでないじゃないの~?なにそれ??ウーロン茶?ポイね!」


亜矢子は、沙耶花が飲んでいた、ウーロン茶を近くの芝生に撒いて捨てた。



「あ~ん!ひど~~~い、なにするの~~~?亜矢ちゃ~ん(涙)」


沙耶花は、涙目になって訴える。


「沙耶花、はい」


亜矢子は、そう言って、お酒を注いだ。



「えええ~~~?沙耶花、お酒なんか、飲めないよ~~~!!」


沙耶花は、手をぶんぶん振って、お酒を拒否する。




「飲めるわよ!飲まず嫌いは良くないわよ!!お酒はお薬なの、さあ!」


亜矢子が言う。



「お薬?」


沙耶花は、首をかしげた。



「そうよ、元気になるお薬よ!」


亜矢子が言う。



「元気になる?」


沙耶花は、お酒をじっと眺めている。



「そうよ、試しに飲んでみなさいって!」


亜矢子は、沙耶花にお酒を勧めていく。


「くんくんっ」


沙耶花は、ニオイを嗅いでいる。



「それ、俊彦先輩が持って来た地酒の方だから、沙耶花でも飲めるわよ、きっと!」


亜矢子がそんなことを言った。



「なんか、フルーティなニオイがする」


沙耶花は、ニオイを嗅いでいた。



「ちょっと、舐めてみたら?」


亜矢子が言う。



「う、うん、ちろっ♪あ・・・」


沙耶花は、ペロっとひと舐めしていた。



「どう?」


亜矢子は聞く。



「う、うん、呑めそうな気がする」


沙耶花は、言った。



「じゃあ、かんぱ~い♪」

「か、かんぱ~い♪ごくごくごくっ・・・・・・」


沙耶花は、お酒を飲んだ。


「うわぉ!結構、ごくごく飲むのね、沙耶花(汗)」


亜矢子は、沙耶花の飲みぷりにちょっと焦った。



「ぷっはぁああああああ~~~!ウィ~~~ヒック!!」


沙耶花の目がすわっている。



「さ、沙耶花?」


亜矢子は、沙耶花に呼びかける。



「なにしてんの?」


沙耶花は、亜矢子に言う。



「へ?」


亜矢子は、間抜けな返事をする。



「ん!(コップを亜矢子に向けた)」

「え?あ、はいはい、つ、注げばいいのね?はい、どうぞ」


亜矢子は、何かヤバい気がした。


「ぷっはあ♪美味しいねぇ~お兄ちゃん」

「あ?ああ、あんまり飲みすぎるなよ?沙耶花」

「なによ~?勧めておいて、それはないでしょう?お兄ちゃん」

「わ、わかった、わかった、あんまりひっつくな、暑苦しい」


俊彦は、沙耶花を引き離そうとするが、お酒のせいか、凄い力で抱きついて来る。



「おにい・・・ちゃ~~~ん♪ぶちゅっ!」

「ぶはっ!」


亜矢子は、お酒を吹き出した。



「よ、よせ、や、やめろ、沙耶花!お、おまえ、酔ってるな?」


俊彦が言う。



「あ、あらししは~~~、酔ってなんか、いないるれ!」


沙耶花は、酔っていた。



「お、おまえ、やっぱ、ウーロン茶にしろ、ほら!」


俊彦が、沙耶花にウーロン茶を渡す。



「あに?これ??こえも、お酒?」


沙耶花が言う。



「いや、違う」


俊彦が言った。



「じゃあ、こんなもん要るか~~~!」


沙耶花はそういって近くの芝生にコップごと捨てた。



「お、おい!」


俊彦は、焦った。



「自分で注ぐからいい!」


沙耶花はそう言ってコップに酒を注ぎ始めた。



「さ、沙耶花~?あ、あんまり飲み過ぎないようにねぇ??」


亜矢子は、言う。



「なによ!お酒はクスリなんでしょう?」


沙耶花は言う。



「そ、そうなんだけどぉ?ほら!クスリも沢山飲んでも意味がないでしょう?」


亜矢子は言う。



「ふんっ!」



沙耶花は、鼻を鳴らした。




「俊彦先輩?沙耶花は、酒乱の気でも??」

「い、いや、それはない・・・まさか、飲めるとは思ってなかったけどな(汗)」

「あたしも吐き出すと思ってたら、ごくごく飲むもんだから、焦って(汗)」

「そこ!なにをごちゃごごちゃ言ってんの!!」


沙耶花は、亜矢子たちに向かって言った。


「は、はい!な、なに?さ、沙耶花?」


亜矢子は、慌てて返事した。



「こっち来て、一緒に飲む!」


沙耶花は、言った。



「そ、そうね・・・うん、わかった、俊彦先輩」

「あ、ああ、わかった、仕方ない」


ドンチャン!ドンチャン!!

それなりに楽しくお酒を飲む、3人、そこへ誰かがやって来た。



「はろはろー!」


由衣だ。



「おう、由衣、お前も飲むか~?」


俊彦が言った。

※俊彦は、何故か、年上である玲奈、瑞希、麻美、由衣は、呼び捨てである。逆に、向こうからは、”さんづけ”なのだ。



「お酒?飲む~~~!」

「よし、まずは一気だ!」

「オッケー!ぐぶぐびぐびぐびっ!!ぷっはあ!!!き、効っくぅううう!!!」

「おお?由衣イケるじゃねぇか!」

「まぁねぇ~☆よーし!ドンドン来~~~い!!俊彦さんも飲んで飲んで~!」

「おう!」



少し離れた芝生の上で・・・・・・・


「あっちは大盛り上がりね」


瑞希が言った。



「うふふ☆そうね」


麻美が言った。



「一緒に飲まなくてもいいの?」

「うん、私、アルコールのニオイが苦手でね」

「え?そ、そうなの??でも、料理とかに使ったりしないの?」

「うん、あまり、使わないようにしてる」

「料理酒使わないで、あんなに上手に作れるなんて、麻美は凄いのね」

「そ、そんなことないよ~素材の味を活かせばなんでも美味しく出来るわ~」

「へぇ~」

「それより、瑞希さんは、あっち行かなくていいの?」

「あたしは、騒がしいのは嫌いよ、それに由衣も居るから尚更近づきたくないわね」

「あははは・・・・・そうなのね」


麻美がそんなことを言ってると、誰かが近づいて来た。


「二人とも、楽しんでます?」


玲奈が言った。



「はい、今日は呼んで頂いて、ありがとうございます、玲奈さん」


麻美が丁寧に言った。



「うふふ☆どういたしまして!わたくしたち”執行部”のメンバーは何をするにも一緒ですわ」


玲奈は言った。



「そうですね(執行部・・・最初に説明された時、言ってる意味が分からない謎の組織?)」


 麻美は、1学年のときに、帰宅部だったので、することもなく、玲奈に誘われるまま、執行部に入ったが、これといって何をどうする組織なのか、説明がなく時が過ぎていた。表面的な風紀の乱れなんかを正すというようなことは日々行なってはいるが、執行部の中に、由衣ちゃんが居るのも、ナンセンスだし、正直、”別の目的”があるとしか思えない麻美であった。


「ところで、他の方々は、どこにおられますの?」


玲奈が言った。



「ああ、あっちで、ドンチャン騒ぎしてるみたいよ」


瑞希が言った。



「貴女方は、一緒に騒ぎませんの?」


玲奈が言う。



「ああ、あたしも、麻美も、酒は好きじゃねぇんだよ」


瑞希が言う。



「は?いま、なんて??わたくしには、”酒”と聴こえましたけど?」


玲奈が聞いた。



「酒って言ったけど、何かおかしなこと言ったか?あたし??」


瑞希は、首をかしげた。




「な、なにを言ってますの!未成年者が飲酒をしたら、いけないのは当然でしょう!!」


玲奈は激高した。




「はあ?玲奈が用意したんじゃないの??」


瑞希が言う。




「ば、ばかなことおっしゃるんじゃありませんわよ!わ、わたくしがそんなもの・・・・・は!?」


玲奈は、執事やシェフを睨む。



「玲奈お嬢様、私ども、お客様にアルコール類は一切、お出ししておりません」


執事が言った。



「そう・・・ということは、持込ってことかしら?どなたが??確率で言うと由衣あたりかしらね?」


玲奈は、考える。




「なに言ってんの?由衣は、手ぶらで来てたでしょ」


瑞希が言う。



「あ・・・そうでしたわね、あのドケチな由衣が何か持って来るはずが・・・そういえば・・・?」


玲奈はココに来た時に、手に荷物を持ってた数名が脳裏をよぎった。



「別に、今日は、学園内じゃないし、そんなにカタイこと言わなくてもいいんじゃないの?」


瑞希が言う。



「学園の中であろうと外であろうと法に抵触する行為は許しませんことよ、執行部の長として!」


玲奈は言う。



「はいはい、そうですか」


瑞希は適当に返事する。



「注意してきますの」



玲奈は、そう言って、俊彦たちが居る場所へと足を向けた。



「おう!玲奈、お前も飲むか?」


俊彦が、玲奈に言った。



「俊彦さん!!!」


玲奈は強い口調で言う。



「お?おう、な、なんだ??」


俊彦は、玲奈の迫力に一瞬、躊躇した。



「な、なにをしてらっしゃるのか、分かってらっしゃるの?ワナワナワナ・・・・・・」


玲奈は言いながら、ワナワナしている。



「な、なにって、楽しく、酒を飲んでるだけだぞ?」


俊彦は、あるがままのことを言う。



「玲奈~楽しいよ~一緒に飲もう~☆あと、ここに、つまみ持って来てぇ~☆キャハ♪」


由衣が言う。



「由衣!むっきぃ!!執行部の一員である貴女までお酒を飲んで、どうするのよ!!!」


玲奈は怒った。



「はにゃ!?だって、今日は、学園の外だよ~?問題ないでしょ??」


由衣は、言う。



「大ありです!!!」


玲奈は言う。



「な、なにが問題あるにょ~?」


由衣が言う。



「貴女は黙ってなさい!俊彦さん、ちょっと・・・・・」


玲奈は、顔の仕草で俊彦と2人で話したいと言った。



「何だよ?玲奈、人が楽しくやってんのに、水を差すなよ」

「わたくしは、未成年者の飲酒は認めませんことよ」

「カタイこと言うなよ?今日は、歓迎会だろう??少しは生き抜きさせろよ」

「わたくしは、生徒会長であり、執行部の長として、不正を見過ごすことは出来ません」


「不正って、お前なぁ・・・(苦笑)」

「なんですの?」


「あのさ~」

「なんですの?」

「ココって、一応、お前んとこの私有地じゃん?」

「そうですわよ、それが何か?」


「誰も見てねーじゃん?」

「わたくしが見ております!」


「だからさ、玲奈が見なかったことにすれば、いいわけだろ?」

「そんなこと出来ませんわ」


「じゃあ、どうすんだ?」

「もちろん、処罰しますわ」


「俺もか?」

「うっ・・・・・」


「罰するなら、すればいいさ」

「え?」


「だがな?玲奈、金輪際、俺には近づくなよ」

「そ、そんな・・・」


「さぁ、どうするんだ?」

「うううっ・・・」


そんなとき、麻美と瑞希がやって来た。


「玲奈さん」

「麻美、それに瑞希も・・・」


「玲奈さ?さっきも言ったけど、今日ぐらいは、カタイこと言わないほうがいいんじゃないか?」


瑞希が言った。



「押さえつけるだけでは、反発も生まれますし、器量の大きさを見せるのも長の務めでは?」


麻美が言った。


「・・・・・・・・・・(確かに麻美の言うことにも一理あるわね、押さえつけて、いずれ、反発されるよりかは、器量の大きさを見せておいた方が得策か?)」


玲奈は、意を決した。


「どうすんだ?玲奈よ、俺は妹連れてもう帰ってもいいんだぜ??」


俊彦はそんなことを言う。



「分かりました・・・本日の飲酒に関しては、目を瞑ります」


玲奈が言った。



「よし!宴会再開だ!!」


俊彦が言った。



「キャッホゥ!」


由衣が、はしゃいだ。



「ってことで、玲奈飲め!」

「い、いえ、わたくしは、け、結構ですわ、むぶっ!!」

「由衣、手伝え!」

「がってんでぃ!」


俊彦と由衣は強引に玲奈の口へ酒を押し込んだ。


「ゴクゴクゴクゴクっ・・・げほっ・・・げほっ・・・げほっ・・・なに、これ、キツい・・・(涙目)」


玲奈は、酒にむせた。



「よーし、これで、玲奈も同罪だな」


俊彦は、邪笑しながら言った。



「そ、そんなことをなさらなくても、先程、許可を出しましたわよ?げほっ・・・げほっ・・・(涙)」


玲奈は言う。



「そうだったか?由衣??」

「さぁ?」


「あ、あんたたち・・・ワナワナワナワナ・・・・・・執事!」


玲奈は、執事を呼んだ。



「はい、お嬢様」


執事が忍者のように現れた。



「やべっ!悪ィ、由衣!!どんっ!(由衣を人身御供にした)」

「うわわわっ!?ちょ、な、なにするのよ、俊・・・」

「抑えて」

「御意」

「がぼぼぼっ!?(ちょ、ちょっと、く、苦しっ・・・!)ジタバタ (((o(><;)(;><)o))) ジタバタ」

「由衣~?そんなにお酒が飲みたいなら、ほ~ら好きなだけ飲むといいですわ☆」


玲奈は、一升瓶を由衣の口に突っ込んだ。





少し離れた場所で見ていた、瑞希と麻美・・・



「また、バカなことしてるわねぇ~」


瑞希が言う。



「ふふ☆そうね、でも楽しそうだわ」


麻美が言う。



「しかし、一升瓶、飲み干す気か?あいつ、うわばみだったっけ!?」

「ほんと、あの小さな身体のどこに入るんだろうね?」

「執事に羽交い絞めされて、飲むしかない由衣だけど、あれで飲めるんだから、凄い」

「飲まないと窒息しちゃうわ(;^_^A アセアセ・・・」


「大丈夫!あいつは、殺しても死なないよ」

「うわっ!?ひっど~い」


「さすがにお腹がカエルみたいになってきたわね」

「ホントね、口から噴水みたいに出しちゃってるわ」


「あはははは!びっくり人間みたいだ」

「笑い事じゃないような?(;^_^A アセアセ・・・」


瑞希と麻美は、由衣たちを呑気に遠巻きに見ていた。



「し、しぶぅ~!(し、死ぬぅ~!)」


由衣は、言った。



「さて、次は、俊彦さんね、どこ行きました?」

「由衣殿をお嬢様の前に突き飛ばした隙に、姿を消しましたな」

「ちぃ・・・あなたは、探して来なさい」

「わかりました」




「ふぅ・・・ヤバかった」

「俊彦先輩!どうしたんですか?急に走り出して?」

「いや、ちょっと、悪ノリしてな?玲奈の反撃から逃げて来たんだ」

「あははは!」


「亜矢子は、なんで、ここに居るんだ?オレを追って来たのか??」

「いえ、お酒が切れたので、キャンピングカーから”コレ”をくすねて来たんです」


「おお!でかした!!亜矢子、早速飲もうぜ」

「ええ」


「ところで、沙耶花は、どうした?」

「一升瓶抱えたまま寝ました(笑)」

「ははは・・・そうか」


「それにしても、こんな壮大な桜の木に囲まれて飲むお酒は、格別な気がします」

「そうだな、見事なものだ・・・そして、酒が旨い!」

「きっと、イイお酒ですね、これ♪」


「お酒は駄目とか言ってた割りには、こんなに酒を隠し持ってたのか!」

「もしかしたら、執事さんとシェフさんのかもしれませんよ?」


「まったくもって、その通りなのです」

「うわぁ!い、いつの間に、そこに!!(驚)」


「そうだな、見事なものだ・・・のあたりから、ずっと居ましたよ」


玲奈の執事が答えた。



「ぜんぜん、気がつかんかった(汗)」


俊彦が言った。



「忍者みたいな人ですね(汗)」


亜矢子が言った。



「恐れ入ります」


執事が言った。



「で?玲奈の命令で俺を捕まえに来たのか??」


俊彦は言う。



「そのつもりでしたけど、気が変わりました」


執事が言った。



「ほぅ?・・・というと、目的は、コレか?」


俊彦は、飲んでいたお酒を指す。



「はい、密かに隠しておいた銘酒が無くなっていましたので、もしやと思い、探しに参りました」


執事が言う。



「す、すみませ~ん、勝手に持って来てしまって~~~」


亜矢子が執事に謝る。



「ふふふ、いいんですよ、お酒好きの人に飲まれるのであれば、本望です、私もご一緒しても?」


執事は控えめに言う。



「ああ、もちろんだ、一緒に飲もう」

「はい、もちろんです、どうぞ!」


俊彦と亜矢子は言った。



「ああ・・・旨い♪本当にイイ酒ですな」

「こんな場所で酒飲んでると、なにか一句浮かんで来そうだなぁ・・・」

「いいですね☆お互い詠み合いしませんか?」


「では、私から、いきますか・・・ゴホン!(咳払いを1つ)」

「よっ!執事さん、待ってました!!」

「パチパチパチっ!がんばってぇ~☆」


「桜散る~、銘酒傾け~、月と星~、字余りでしたな・・・はははっ、慣れないことはするもんじゃないですな・・・いやはや、お恥ずかしい!」


「いやいや、深いね!!いい詩だよ、執事さん」

「うんうん、感慨深いですよ、やるな~!執事さん」


「いやぁ、そうですか?ありがとうございます」

「次は、俺か~!よし、詠むか」


「俊彦先輩、しっかり~!」

「お手並み拝見ですな、俊彦殿」


「輝きを~、花舞う姿に~、恋心~」



「なるほど~!そう来ましたか!!やりますな~ここに居る乙女たちの心を詠いましたな・・・」


「俊彦先輩、やるぅ~♪(。’Д’)。゚Д゚)。’Д’)。゚Д゚)フムフム」

「ははは・・・次は、亜矢子だぞ、イケるか?」


「頑張ります!桃の風~」

「お?いい出だしですな、桜を桃色で例えましたか」


執事が言った。


「やっぱ、やめた」


亜矢子が言った。



「へ?」


執事が言った。



「普通に詠んでも面白くないので、ちょっと、遊んで詠みます」


亜矢子は、言った。



「そうか、それでもいいぞ」


俊彦が言う。



「赤い人~」



「え?あ、赤い??」

「しっ・・・黙って、執事さん」

「は、はい」


俊彦に制止されて、黙る執事。



「食欲旺盛~カエル腹~」


亜矢子は、詠み終えた。



「わはははは!由衣のことだな、いいぞ、亜矢子」


俊彦は言った。



「当たりです、俊彦先輩!じゃあ、続けて行きますよ~」


亜矢子は言う。



「おう!どんどん、詠め」


俊彦は、”煽った”。



「桜散る~」

「お?今度は、普通ですな」

「いえ、オチがありますよ、きっと(執事さん、奴らが来た、少し離れましょう」

「(奴ら?・・・あ、お嬢様もいらっしゃる・・・分かりました、俊彦殿、教えて頂いてかたじけない)」


「一撃入れて~ゴリ女~」

「根暗さん~お通夜じゃないのよ~歓迎会~字余りでした~」

「ひと睨み~石になっちゃう~蛇玲奈~」


「ゴンッ!」

「ゴツンッ!」

「ゴチンッ!」


「ぶぎゃああああああああ!!!!!」


亜矢子は、背後からの、3人同時攻撃により、ノックアウトされた。



「お嬢様!」


執事が呼びかけた。



「俊彦さんは見つかりまして?」


玲奈が言う。



「はい、こちらにいらっしゃいます」

「何か凄ぇ音がしたけど、亜矢子、死んだんじゃねぇの?(汗)」


「コイツの頭って意外とカタイのね、一升瓶が割れなかったわ」

「中身入ったまま殴っちゃって、大丈夫なのかなぁ?」

「大丈夫ですわ!この程度じゃ、人って死にませんわ」


「いや、十分死ぬだろ・・・3人同時にそんなので殴ったら(汗)」

「生きておりますゆえ、皆さんが殺人にならなくて、ようございました」


執事が冷静に言った。



「それより、俊彦さん!やっと見つけましたわよ~~~」

「うっ・・・ま、待て!玲奈、話し合おうじゃないか!!」

「何をですの?」

「しょ、勝負しよう!」


「勝負?」

「負けた方は、勝ったやつの言うことを聞く、っていうので、どうだ?」


「ふ~ん・・・で、何の勝負をなさいますの?」

「あ、あれさ」


「お酒ですの?」

「ああ、ちょうど、一升瓶、3本あるなら、話も早い」


「なるほど、瑞希、麻美、それ渡してちょうだい」

「あいよ、ほらよ、玲奈、受け取りな!ポイっ!!」

「こ、こら~~~!投げるんじゃ、ありません!!執事~~~」

「はい、お嬢様!おっとぉ!」


「ナイスキャッチ☆執事さん」

「お任せを!」


「はい(麻美は手渡し)」

「ありがとうございます」


「それじゃ、あたしら、キャンピングカーのところに居るわ」

「玲奈さん、私も瑞希さんと一緒に・・・m(_ _"m)ペコリ」


「わかりましたわ、わたくしも俊彦さんを倒してすぐに向かいますわ」

「言ってくれるじゃねぇか、玲奈よ」

「わたくしは、年中パーティでお酒にはそこそこ強くってよ」

「そうかい、それは楽しみだな」


「うふふふ☆」

「ふふふ」


玲奈と俊彦は不気味に笑っている。

互いに一升瓶を1本ずつ空けた頃・・・・・・・・


「うぷっ・・・俊彦さん、早くギブアップなさいませ」

「ウプッ・・・そういう玲奈こそ、無理すんな!」


「うううっ・・・いつもはシャンパンばかりなので、酔いが回りますわねぇ・・・クラクラ?」

「ふふふ・・・玲奈、それは、言い訳のつもりか?早く降参したら、どうだ?」

「な、なにをおっしゃいますの!まだまだ、全然平気ですわ!!執事、注ぎなさい」


「はい、お嬢様」


「亜矢子たちと随分飲んだからなぁ・・・結構、酔って来たな・・・」

「あら?俊彦さん、言い訳ですの?無理なさらなくてよろしくてよ☆うふふ」


「あ?ふざけんなっ!全然、大丈夫だよ、俺は!!執事さん、注いでくれ」

「はい、俊彦殿」




そして、夕方になった・・・・・


「俊彦さん、提案ですけれど?」

「なんだ?玲奈??」


「一升瓶3本がもうじき、空になりますの」

「ああ、そうだな」


「引き分けに致しませんか?」

「ああ、わかった」

「それでは、片付けに入ります」


執事が言った。



「皆さん、お開きに致しますわよ~本日は、参加して頂いてありがとうございました・・・うぷっ!」

「うわっ!玲奈、酒臭っ!」


「し、失礼・・・うぷっ!」

「玲奈お嬢様、酔い止めです」


「ありがとう・・・ごくんっ・・・」

「玲奈~由衣は、どうすんだ?」


「悪いわね、瑞希が担いで、駅かどっかに捨ててって下さる?」

「おいおい、どうせ捨てるなら、ここでもいいだろ!」


「わたくしの敷地内で、そんなの捨てられたら困りますわ~」

「ちっ!仕方ねぇなぁ・・・」


「あ、あの・・・私が、おんぶして、家の前に連れて行こうか?」

「いいって!駅前の交番に捨ててくから(笑)」


「えええ~~~!?由衣ちゃん、お酒臭いから捕まっちゃうよ~~~?」

「それが狙いよ」


「うわっ!瑞希さん、ひっど!!」

「あはははは、大丈夫よ、こいつ逃げ足速いから、きっと捕まらないわ」


「由衣ちゃんがそれまでに起きればね」

「しかし、このヤドク赤ガエル、重たいわねぇ・・・」


「ヤドクって・・・(苦笑)」

「2~3発殴って、吐かせるか」


「ちょ・・・(汗)」

「あははは、冗談よ、麻美、帰ろ!」

「うん」



「ほら!沙耶花、起きろって!!いつまで寝てんだよ!ペチペチっ!(沙耶花の頬をたたく)」


「う、う~~~ん・・・お兄ちゃん、あと、5分だけ~~~」

「なに寝ぼけてるんだ!起きろ、沙耶花!!」


「お兄ちゃ~~~ん♪キスしてくれたら、起きる~~~!」

「なに言ってるんだ!お前は!!あ~もう仕方ない!おぶって帰るか・・・」




みんなが、帰ったあと・・・・・・・・・・・深夜過ぎ。


「あのぉ~?もし??」

「なによ?うるさいわねぇ・・・」


「あのぉ?もし??」

「もうなによ~まだ、寝かせてよ~頭痛いんだから~~~!」


「あのぉ?」

「もう、うっさいわね!だれよ!!がばっ!!!(亜矢子は身体を起こした)」


「あのぉ?」

「え?え??えええ???だ、だれ?っていうか、ここ、どこよ???」


亜矢子は、まだ寝ぼけている。


「あのぉ?」

「ん?あたし寝ぼけてるのかなぁ??とりあえず、帰らないと・・・よいしょっと!」


亜矢子は、すぐっと起き上がり、おもむろに歩き出した。


「あ、そっちには行けませんよ」

「え?ゴチンっ!あ痛っ!!な、なに?み、見えない壁???」


亜矢子は、見えない壁におでこをぶつけた。


「だから、言ったのに・・・」

「ちょ、ちょっと、なんなのよ!これ?説明してよ!!」


「説明・・・ですか?」

「ジバちゃん、順を追って説明してあげたら?」

「そ、そうですね、ふーちゃん」


「えーとですね・・・?貴女、今日、詩を詠いましたよね?ここで」

「はい?(一体だれなんだろう?この人たちは???)」


「短歌です」

「ああ・・・はい、それが何か?(なんで、そんなこと知ってるのかな?あの場に居たっけ??)」


「この場所で、お通夜とか、霊って禁句なんですよ」

「はあ???(なに、ゆってんの?)」


「つまりね?この場所は、霊界と繫がってる言わばトンネルみたいな場所なわけ」

「え?(硬直)」


「そのトンネルの入り口が、お通夜とか霊に関する言葉で、開いちゃうんだよ」

「はあ??????(ぜんっぜん、言ってる意味が分からないんですけどぉ?)」


「ところで、貴女には、私たちが、何に見えてるんですか?」

「な、なにって、知らない人ですけど?」


「人間に見えてるんですか?」

「そ、そうですけど、違うんですか??」


「それじゃあ、私たちに触れて見て」

「え?ええ、じゃ、じゃあ・・・すっ(すり抜けた)えっ!?ちょ・・・ま、まさか、幽霊ぇ!??うそでしょう?こんなにハッキリ見えるのに???」


「そうです、こっちが、地縛霊のジバちゃん」

「こっちが、浮遊霊のふーちゃんだよ」


「ちょ、ちょっと、ちょっと!あたし飲みすぎたみたいね、あはははっ!痛っ!夢じゃないの?うわ、赤くなってるし~~~!」


亜矢子は、自分をつねってみた。



「現実逃避したいのは、分かるけどね、このジバちゃんも貴女みたいにこの間まで人間だったの」

「え?(驚)」

「つい、うっかり、短歌を詠っちゃったんだよ~あははは~(苦笑)」

「あはは~って、あんたねぇ・・・(汗)」


「なっちゃったもんは、しょうがないからねぇ・・・」

「それでね?貴女には、2つの選択肢があるわけ」


「選択肢?」


「そう、私たちの仲間になるか、私たちを倒すか、よ」


「ど、どうやって、倒すの?」


「あら?やっぱ、そっち選んじゃう?ジバちゃんと一緒だね」

「そりゃ、出来ることなら、抗うよ~それが人間なのさ~」


「いいから!早く勝負の方法を言って!!」


「あらあら?せっかちさんねぇ~、いいわ、みんな、出て来て!」


ゾロゾロゾロゾロ・・・・・・・・・・・・


「うわわわっ!?な、なに、この人たち???」


「死霊とか、生霊とか、悪霊とか、怨霊とかね、ここで亡くなった人たちよ」


「ううう~~~!」


「ああ、そんなに怖がらなくてもいいわよ、勝負前から、酷いこととかは絶対にしないから!」


「そ、それで、あたしは、どうすればいいわけ?(涙目)」


「ここに居る21人の霊と飲み比べ勝負をすればいいのよ」


「飲み比べ勝負ぅ!?霊とですかぁ???」


「そうよ、カンタンでしょ?」


「い、いや、そもそも、それって、あたしに、勝ち目があるんですかぁ???(汗)」


「もちろん、あるわよ、ちゃんと公平に勝負をするから、安心していいわ」


「そうはいっても、どうやって、判定するのか・・・(汗)」


「それは、こちらの判定内容になっちゃうけど、ガマンして貰うしかないわねぇ・・・」


「ううう~~~~~!ちらっ・・・」


「さっき、見えない壁にぶつかったと思うけど、それ結界だから!!」

「え?」


「いま、逃げようとしたでしょ?」

「ううん(否定してみる)」


「分かるから否定しなくていいわよ。それに、貴女のために教えてあげてるの」

「な、なにが?」


「無理に結界から出ようとすれば出れるかもしれないけど、多分だけど、身体が千切れるわよ、綺麗に2つに割れたらいいけど、多分、エグイ千切れ方すると思う」


「えええ~~~!?!??」

「試してもいいわよ」

「い、いえ、結構です(泣)」


「で、どうするの?勝負するの?それとも仲間になる?あるいは、思い切って逃げてみる?」


「うううっ・・・分かったわよ、勝負するわ、それで、あたしが助かる可能性があるならね!」


「そう、じゃあ、みんな、準備して!勝負は、いつも通り、早飲み対決よ、いいわね?」


「へ~い、まずは、俺からだぜ、お嬢さん」

「お、落ち武者!?」


「ここは昔、戦場でな、俺はここで戦死したんだよ、その後、死にきれずに、ずっとここに居るのさ」

「き、気の毒な話だけど、あたしは、負けない!」


「いいぜ」

「レディ!GO!!」


「ぐびっ!」

「くっ・・・な、なんて、早いんだ、負けたぜ~~~!」


「ふう・・・まずは、1勝ね」

「うふふふ☆やるわね、次!」


「次は、俺だ~!よろしくな、お嬢さん」

「いくわよ」


「レディ!GO~!!」

「ぐいっ!ゴクンっ・・・」


「や、やるじゃねぇか、お嬢さん、ま、負けたぜ~~~」

「ふう・・・2勝目」

      ・

      ・

      ・

      ・

      ・

      ・

      ・

      ・

      ・

      ・

「なかなか、粘るわね、貴女☆うふふふ♪」

「はぁはぁはぁ・・・そりゃ、生きて”ココ”から出たいからね」


「応援したくなっちまうな、こういうの見てると」

「ジバちゃん、手抜きは許されないからね!」


「分かってるよ、俺だって、”ココ”から出たいしな!」

「え?ど、どういうこと??」


「もし、貴女が、ジバちゃんに負けたら、代わりに”ココ”を出ることが出来るのよ」

「えええ~~~!???」


「そういうわけだから、俺も本気でやらせて貰うぜ、お嬢さん」

「あ、あたしだって、ま、負けないんだから(とは言うものの、もう、胃が荒れまくってるわ><)」


「残すは、あと、私とジバちゃんのみね」

「いくぜ、お嬢さん」

「望むところよ」


「レディ!GO~~~!!」


「・・・・・・・ふっ、いい勝負だったな、僅差だった」


「ジバちゃん、お疲れ、また、次の獲物が来るまで、気長に待っててね」

「ああ、そうする、お嬢さん、健闘を祈ってるぜ!」


「うふふ☆とうとう、ここまで来たわね、私までたどり着いた人間は貴女が初めてよ♪嬉しいわ~」


「そ、そう?光栄ね(うううっ・・・もう、胃が限界だわ~~~早くしてぇ!)」


「そろそろ、胃も爛れて、顔色も悪くなって来たようね、でも、手加減はしてあげないわよ」


「は、早く勝負しましょ!」


「わかったわ☆いくわよ?レディ・・・GO!ぐびっ!!」

「ぐびっ!」


「うふふ☆引き分けね♪」


「くっ・・・(あ、危なかった・・・危うく負けるところだわ・・・長引けばあたしがヤバイ!)」


「レディ!GO~~~!!」

      ・

      ・

      ・

      ・

      ・

「はぁはぁはぁはぁ・・・」


「ぜぇぜぇぜぇぜぇ・・・な、なかなか、やるわね、貴女・・・ホントに人間?」


「そ、そうよ・・・はぁはぁはぁ・・・(も、もう、無理、次が限界よ、勝っても死にそうだわ・・・)」


「勝負!レディ~~~GO~~~!!!」

「ぐびっ!か、勝ったぁ!!!」


「ま、負けたわぁ・・・貴女、や、やるわね・・・わ、私が消えたら、結界も消えるわ、安心なさい」


「やった・・・終わった・・・け、結界が解けてる・・・こ、これで、か、帰れる・・・わ・・・うううっ・・・も、もう、限界・・・・・・・ばたっ・・・」




翌朝・・・



「お、おい!誰か倒れてるぞ~!女の子みたいだ!!うわっ!酒臭いっ!!」

「しかし、なんで、こんなところに???」

「ああ、周囲には何もないのにな?それより、病院に運ぼう!」



 亜矢子は、玲奈の私有地から、少し離れた場所の道の上で、生き倒れてた。近くを通りかかった人たちに発見され、病院に運ばれた。外傷においては、頭部には、玲奈、瑞希、麻美から一升瓶で思いっきり殴られた、タンコブが3つと、胃の内容物から、”この世のモノではない得体の知れない”液体が検出された。

 あれは、夢だったのか、現実だったのかは、定かではないが、亜矢子は、謎の腹痛に悩まされ、3日程入院した。


             おしまい☆

























 ここで、唐突ですが、キャラクター紹介をさせて頂きます。

以前、お見せした、作品の【白雪姫】と【夏はやっぱりプールだね】のお話の中では、キャラクターがどういう性格なのかは、紹介していませんでしたので、お教え致します。

 他の作品中にも、俊彦と沙耶花の出生の部分とかに疑問を持たれた方もいらっしゃると思いますので、ここで理解して頂けると思います。


 


<君島俊彦> ●本編の主人公です●

・成績優秀、スポーツ万能、容姿端麗と、天が二物を与えた存在である。

性格は、温厚で、感情を一切表に出さないポーカーフェイスを得意とする。

感情を露にしているときは、とある目的の為に、”フリ”で、わざと出している時である。


・俊彦の母親(元、著名な舞台女優)は、幼少の頃の離婚により、居ません。

(現在は、別の男性と結婚し、幸せに暮らしている)

※俊彦と沙耶花は、母親の愛を知らずに育っているので、何かしらの共通点があるらしい。


・父は、単身でアメリカで某有名大学で教授をしている。

(日本には殆ど帰国しない、沙耶花がサナトリウムに入ってる間までは日本に居た)。

・そのため、俊彦は、お金持ちの子であると推察される。


★一口メモ:沙耶花の涙に弱い。



<君島沙耶花> ●サブヒロイン●

・旧姓、藤野沙耶花。幼少時、沙耶花の母は、沙耶花を産んですぐに他界。

(但し、沙耶花本人はこのことを知らない)

沙耶花の父親のことは、誰も知らない。藤野に沙耶花を託された時、すでに父親の影はなかった。

また、藤野は、母方の姓である。


・俊彦の父が、沙耶花を引き取り、自分の娘として、育てる。

俊彦が物心ついたとき、父親から、「この子は今日からお前の妹だ」と告げた。


・沙耶花は、母親の心臓の弱い体質を遺伝し、15歳まで、父の別荘地にあるサナトリウムに入って生活をしていた。


・沙耶花は、15歳のとき、高校への進学を強く願い、サナトリウムから出て都会に来た。

父は反対したが、俊彦からのお願いもあって、渋々承諾をした。

※沙耶花の俊彦に対する恋心は、いつ、お兄ちゃんから1人の男性へと変わったのか、それはいずれ作中でお話致します。


・成績は、常に上で、勉強しなくても出来る子なのだが、お兄ちゃんに教えて貰うために、わざと、おばかなフリをすることもしばしば・・・。


・スポーツは、昔からあまり運動をしたことがないため、出来るかどうかは不明。体育は常に見学。

恐らく苦手だと思われる。


★一口メモ:沙耶花は、すぐ泣く(心臓が弱い体質の人は涙腺がもろいと聞いたことがあります)。

<北条院玲奈> ●サブヒロイン●

・言わずと知れた、北条院財閥の1人娘である。

父親は、政財界に絶大な力を示し、警察、官僚などにも顔が利き、米軍の司令官とも親しい人物である。およそこの世の中にある全てにおいて何も不可能はないとさえ言われているフィクサーである。


・玲奈の母は、現在、フランスに居る。

父が言うには、母親は、玲奈教育の邪魔となると言い、父が母を遠ざけたのだ。


・屋敷には、約2000人が常駐し、SPはもちろん、兵士や、警備員、メイド、使用人、その他、大勢の人間が居る。


・敷地内には、攻撃ヘリ、戦闘爆撃機、戦車などがあり、ちょっとした要塞となっている。

1つの国家と言っても過言ではないらしい。


・父は、娘に対しては、厳格であり、幼少の頃より、血の滲む様な努力を強いられて来た玲奈。

”1つのミス”が、全てを駄目にすると教えられた玲奈は、冷血、冷徹さを叩き込まれていき、いずれ冷酷無比な完璧主義者となる。自分が唯一無二の存在であることが何よりも玲奈の証とされ、英才教育で、そう刷り込まれていった。

※冷酷無比な玲奈を示すストーリーもあるので、それはいずれ作中でお見せ致します。


・常に”1番でなければならない”というプレッシャー。

2番以下になった時点で、父から勘当され捨てられるという恐怖が常に玲奈の心にはあった。

ただ、玲奈のIQは高く、常に自分の実際の年齢よりも、3~4歳先の能力がすでにあった。

中学3年生の時点で、大学に入れるだけの知能を持ち合わせてはいたのだ。


・学内成績は、常に1位(但し、全国の模試は、1位じゃないときもあり?)。


・高校生になったとき、父は1つの課題を玲奈に与えた。

玲奈の為に、学園を1つ建設したので、玲奈に「3年間、見事まとめてみよ」というものであった。


・1学年の時から生徒会長をしていたのも、そのためである。

下駄箱には、毎日、多数のファンレターがあり、9割以上が女生徒からの物で、1割が男子生徒。

”見た目”は、憧れのマドンナ的存在なので、玲奈のファンは多い。


・また、玲奈は、教員ですら、手が出せない、あるいは、教員すらも処罰の対象として実行が可能な、「執行部」を設立した。執行部の設立目的は、また、いずれ本編の作中で紹介していきます。


★一口メモ:俊彦には、弱い。










<笹原瑞希> ●サブヒロイン●

・性格は、口より先に手が出る。ケンカっぱやい。

ケンカが強い。我流の空手をやっている。

空手部の主将くらいなら簡単に倒せる強さである(そのお話もあるので、いずれ紹介します)。


・同級生の麻美と仲良し(親友)。

何でも言い合える仲。

瑞希は嘘つきが大嫌いなので、麻美は、”絶対に嘘をつかない”ので好きらしい。

瑞希は、周囲から、凶暴だと思われてるが(実際凶暴だがw)、まっすぐ(実直とはちょっと違う)な人間である。


・成績は、中の下あたり。

脳みそ筋肉なので、頭は、あまり良くない(何故、名門女学園に入れたかは不明w)。

・スポーツは万能(スキーだけ苦手、この話は、作中の物語で、ご紹介します)。


・父は、ごくごく普通のサラリーマン(本編には1度も登場しない)。

・母は、瑞希には、厳しいが、弟には超甘い。

・弟は、瑞希をいつもからかっておちょくる。

心臓が弱いため、すぐ疲れて顔が真っ青になる。


★一口メモ:弟に弱い。



<高梁麻美> ●サブヒロイン●

・性格は、温厚で優しく、とても大人しい。

(但し、彼女の中には、もう1人、別の人格があり、真逆の性格で、とても恐ろしいのが居る!麻美の中で感情の起伏によって、”ソレ”が表面化することがある。”ソレ”が表に出ているときは、麻美の意識は睡眠状態にあり、”そのときのことを全く覚えてはいない”という。いずれ、作中でお話することになるが、冷酷無比な玲奈でさえ、”その人物”には、逆らわないのだ)


・麻美は、頭脳明晰、スポーツ万能。告白者も多数(毎日、下駄箱にラブレターあり)。

学内成績は、常に2位(玲奈が1位、次位が麻美である)。


・料理が得意(なんでも作れる・・・逆に”中に居る人物”は、料理が超下手、このお話はとても笑えるので、オススメですw)。


・父は、考古学者となっているが、それは仮の姿(母は信じて疑わずw)。

・母は、麻美をそのまま、大きくしたような感じで、温厚で優しい人。

(母の中には、別人格は居ませんよw)。


★一口メモ:お酒が苦手(お酒のニオイがダメ)。








<杜生由衣> ●サブヒロイン●

・学園始まって以来の異端児(名門女学園の名に恥じる行為ばかり)。


・素行不良(誰がみても、まともじゃないという)。


・髪の毛は、入学した時より、真っ赤っかで、ピアス当たり前。

(これが、あたしなの!と教師に言ったらしい)。


・授業中は、居眠りばかり(朝帰りが多いので、授業中は眠いらしい。


・遅刻は多い、早退も多い(朝帰り当たり前で寝坊したり、すぐ授業をフケる)。


・悪い輩と付き合っている(いつでも私服に着替えて学園の外に出て行けるようにしている)。


・成績は、最下位

(どうして、名門女学園に入学出来たかは不明、マークシート方式なので、偶然が重なって合格したのは言うまでもないが、由衣が合格出来る確率は、0.001%以下であった。そのため、入学は出来ても、普段の授業内容についていけるはずもなく、寝ているだけというオチであるwしかし、今はすでに、3年生、どうやって、単位を取得しているのか、謎である)


・スポーツは万能。

特に足が速い(逃げ足の速さは天下一品)。

真面目にオリンピックが狙えるのではないかと思われるぐらい足がメチャクチャ速いwww


★一口メモ:よく食べる。



<小野亜矢子> ●サブヒロイン●

・沙耶花と同じクラスで、友達(親友)。


・性格は、自由奔放で明るく、友達も多い。


※亜矢子はイタズラ好き、その内容によっては、自分の命が危険にさらされる時も多い。噂話が元で、それにまつわる情報収集を行ない、”真偽”を確かめずには居られない為、イタズラという形で、事の真相に迫る(この手のお話は沢山、作中でご紹介出来ます)。


・成績は、中の上くらい。

(普段勉強を全くしないが、テストの前日だけやるタイプ、”ヤマを張って当たった時”のみ、沙耶花に並ぶかそれ以上の順位に行く場合もありw)


・スポーツは、普通(適度にこなす程度でオールマイティ、可もなく、不可もなく)。


・父は、某、有名商社で勤務、役職は、部長。


・母は、専業主婦。


★一口メモ:噂話が大好物。

                 以上

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