「シッパイ」
『私も……あなたが好き』
そう、言ってくれたんだ……。
もう昨日のことになるね。
……あれはもう生涯忘れられないよ。
歩美が確かにそう言ってくれた。
潤んだ瞳であんなこと言われると、もうヤバかった。
本当に可愛かった。
こんな可愛い子の彼氏になれる男って幸せ者だよ。
生涯誰にでも自慢できる。
みんな羨む。
それぐらい本当に可愛い女の子だった。
幸せにしてやりたいって、本気でそう思った。
ああ、そうだね……うん。その後のこともちゃんと話すよ。
正直言うと、むしろ話したい方なんだ。自慢したいからさ。
まず最初に手を触れたのがあの白い足だった。
細くて長くて、触れれば自分の手がいかに汚いかがよくわかる足だった。
感触もすごかったよ。スベスベじゃなくてサラサラしてたっていうか、何に例えればいいんだろうね?
多分その辺の女子のものとは全然質が違うと思う。
エロ小説とかだと、上手い表現があるのかもしれないけど、俺にはそんな言い方できないな。
とにかく、体のひとつひとつがすごかった。
あの細くて長い綺麗な指とか、ギュッとするとわかる意外に小さな体とか、胸がちょっと大きかったこととかさ。
巨乳に憧れてたから嬉しかったなぁ。すごい柔らかくてさ、何回もぱふぱふしちゃったよ。
その次は開いた両足の間に顔を突っ込んだ。AVとかだと当たり前のようにやってるけど、俺はそれ正直やりたいと思ったことがなかったんだよね。だって人間の股って絶対汚いじゃん。
でもまあ、せっかくだしと思ってやってみたよ。
結果的には意外に良かった。好きな人とだったから、不思議と嫌じゃなかった。舐めるのも全然大丈夫だったよ。
俺のもくわえさせたかったけど、まあ仕方ないよね。残念だけどそこは省いた。
大体の前置きは終わらせたから、いよいよ本番ってことになったんだけどさ、暗かったし童貞だったから場所わからなくてさ、色々と手こずったよ。
もしかしてこのまま入れられないんじゃないかと思って、ちょっと焦ってたなぁ。
でも時間かかったけど、ようやく入れることができた。
入れた瞬間はホッとしたのと、すごい優越感があったな。
誰もが美少女って認める女の子と一番最初に繋がったわけだからさ、快楽よりも遥かに満足感の方が大きかった。
歩美は処女だったよ。暗かったけど、それはすぐにわかった。
もちろん俺も童貞。
処女と童貞の初めて同士だったけど、俺はエロ漫画とかで手順はちゃんと見てたし、一週間毎日妄想してたから、手こずったけど失敗はしなかったよ。
ちゃんと最後までやり遂げたんだ。
……本物は想像以上だったなぁ。すごい燃えたよ。
何回出しても止められなくてさ、ようやく落ち着いた頃には二人ともヘトヘトだった。あそこも先っちょがヒリヒリしてた。歩美は最初だけ痛かっただろうけど、後はどうだったんだろう。気持ちよければ良かったんだけど。集中しすぎて歩美の声、全然聴こえなかったから、わかんなかったなぁ。
終わった後は……考え事をしてたよ。
普段一人でやるときとは違った賢者モードになってた。
そのときはやたらと荒い自分の息とか、心臓の音がやけにうるさくてさ。
それで……目の前で横になっている歩美を見てると、歩美のこれからのことを考え始めてたんだ。
これからのことっていっても、明日とか明後日のことじゃないんだ。一年二年先のことだよ。そのとき歩美はどうなっているんだろうかってね……。
歩美が強い女の子だってのは、昔から知ってる。
彼女はどんな困難にも立ち向かえる女の子だ。昔から彼女を見てたから、それはよくわかる。
歩美はきっと、数年もしない内に俺のことなんて忘れて、俺じゃない誰かと恋をする。その誰かは、歩美のことを受け入れてくれる懐の大きいやつなんだと思う。
そして歩美は俺ではないそいつと、一緒になるんだ……。
そう考えていたらさ――。
彼女を、誰にも渡したくないって思った……。
これから俺達が離れ離れになることはわかってた。
もう二度と会うこともできなくなる。そう思うと胸が苦しくなった。
だから絶対に、他の男に渡したくなんてなかった。
だから……。
……うん、だからさ。
だから……ね。
……刑事さん。聞いてる?
「それが――」
ん?
「それがあなたのクラスメイトであった中瀬歩美をナイフで脅し、暴行して殺した理由ですか?」
……。
…………。
………………うん、そうだね。そう、なるね。
「好きだと言わせて、嬉しかったんですか?」
うん。嬉しかったよ。
だって、そうすることでしか願いは叶えられなかったんだからさ。
親には悪いとは思ってる。俺のせいでいろんなことが台無しになっちゃったわけだし……。生涯二人には恨まれるだろうね。
俺は未成年だから死刑はないとは思うけれど、十年くらい檻の中なのは間違いないね。
でもそれだけで済むなら安いもんだよ。
なんたって俺は、どんなやつにでも自慢できる経験を手に入れたんだからさ。
少しも苦じゃないよ。
自分の生涯をかけて願いを叶えられたんだ。本当に良かったって今でも思ってるよ。後悔は少しもない。
動かなくなった歩美を見たそのときも、今と同じ気持ちだったよ。
ああ、最後に動かなくなった歩美と別れのキスをしたんだけど、あれはやばかったな。
初めてだったけど、びっくりするくらいおいしかった。
いや、味はないとは思うんだけど、舌を吸い込みたくなるぐらい舐め心地が良かった。
あれだけで何分ぐらいやってただろう? そんなに夢中になるとは思ってなかったから、かなり時間食っちゃったね。
だから、あんたらに捕まったんだと思う。
あれだけは……本当に失敗だったね。
自慢話 たけやぶ @takeyabuquestion
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます