コップを手にしていたのは…

 華やかな女学校に伝わる奇妙なしきたり。そのしきたりに異を唱える転入生、エリーさん。彼女の純粋な感情が、クラスに波風を立たせる。コップに漣を立たせるには、そのコップを持つしかない。

 つまり、コップを手にしていたのは…。

 物語を包む奇妙な雰囲気が、最後には靄が晴れたように散っていく不思議な感覚は読まなければ伝わらない。とても引き込まれる作品でした。