二十二の段 名君への第一歩(前編)
義苗さまが
すでに、「オレ、登城しまーす!」という
大名たちが将軍さまにあいさつするために登城する日は、毎月1日、15日、28日。そして、今日は5月15日で登城日でござる。
「フフフ。そろそろ
江戸城のとある部屋で松平定信さまはニヤリと笑っていました。
定信さまは、菰野から逃げ帰って来た隠密たちから「義苗が江戸を
「私の清く美しい政治を
定信さま、ひどい! 菰野藩は定信さまの隠密たちにすっごい迷惑をかけられたのに、まだイジメようとするんですか?
「隠密たち? ああ、あいつらは
え⁉ そうなの?
「あいつらはシシ垣を
あんな
「ところで、物語の語り手よ。菰野藩は何か
そ、それはさすがに無理でござる。物語の語り手にそんなことを聞くのは
「うるさい! キビキビ教えないと、おまえにも
ひぃぃ~! おーたーすーけー‼
ふ、ふぅ~……。何とか定信さまから逃げきりました……。
定信さまは、「義苗は隠居の
きっと、秘密を暴露される前に将軍さまから「江戸脱走の罪で菰野藩はお取り
義苗さま! 敵は
というわけで、義苗さまもそろそろ江戸城に着いた頃なので、義苗さまの元へワープ!
「……
もー、何やっているんですかぁ~。え?
ちなみに、義苗さまは今一人ぼっちです。ここは将軍さまがいらっしゃる大事な場所なので、大名たちは
そう、供の者は
「殿さま。道に迷った時は、誰かに聞きましょう。ほら、あそこに
どこからともなく、ミヤの声が聞こえてきました。
城内のどこかに姿を
「あ、あの、すみません。
義苗さまは、廊下を歩いていたお侍に
このおじさんは、どうやら
ちなみに、柳間とは、
「とても
義苗さまがペコリとお
「……立派になったな、
「え?」
「あの人、もしかして……」
「殿さま。そろそろ柳間に行かないと、
「あっ、そうだった。き……
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