第???話

鋼雄大とは俺の名前だ。

22歳になった俺は大手の会社に就職して、そして仲間との交流を深めていた。

そんな俺の前で微笑んでいるのは妻の鋼そら。

婚約してから2年経った頃だ。


「.....あなた.....」


「.....」


かなり苦しそうに見える、そら。

信じられないかも知れないが、そら、が妊娠した。


それから妊娠25週目となる。

妊娠した子は女の子.....なのだが、どうやら切迫早産の様で.....その理由としては.....俺の就職のストレスの様だ。


なんと言うか。

かなり心配なんだが。

俺の元には俺、そらと俺の両親が居る。


「.....頑張れ。そら」


「うん.....」


手術準備が早急に行われている。

そら、はそのまま産婦人科に入院して。


出産の時を待っていたのだがこの時まであっという間だった。

今は夕方でその時を待つ。


「.....ご、ごめんね、仕事が.....」


「そんな事は気にするな。ただ心配だから.....」


「.....有難う.....雄大。愛してる」


そのまま、また悶える。

すると、助産師さんがやって来た。


そのまま産婦人科の助産師さんに運ばれる、そら。

もう直ぐ産まれると.....思うのだが。

その時だった。


バァン!!!


「雄大くん。そら、くんは大丈夫かね」


真顔でドアを打ち抜く様に開けてくる、誰か。

まさかと顔を上げる俺達。

な、何事だ!


ドアの所に女性用バッグを携えたミタちゃんと。

白髪混じりの潾二郎さんが.....って。


俺は愕然とした。

まさかだな!この人、忙しいとか言ってたのに!


「ちょ、いきなり病室を開けないで下さい!潾二郎さん!」


「.....ふむ、そんな事はどうでも良い。そら、くんが心配だ」


「あ.....は.....は」


苦笑いの脂汗を流す、そら。

そしてそのまま緊急な感じで運ばれて行った。

俺はミタちゃんに向く。


「.....ごめんね。父が.....」


「.....いや、気にしなくても.....」


「.....まるで私が邪魔な様な言い草だな。私以外にも他に色々居るぞ。その人達も邪魔扱い出来るのか」


え?と俺が言うと。

病室のドアが開いて。


そこから大学生になったゴッド牧瀬、高校生になった白虎、年齢不詳の山手さん、大学生のノラと。

ゆっくりと苦笑しながら現れた。

俺は見開く。


「.....お前ら.....」


「私に邪魔とかなんて事を言うの!」


大学生のゴッド牧瀬は俺にプンスカ怒る。

指を押し当てて来て、だ。


「そうだぜ。雄大」


山手さんは相変わらず際どい衣装で.....。

苦笑いを浮かべる、俺。


「雄大」


そして高校生になった白虎が俺を見てくる。

なんて事を言うのだ的な感じで。


「雄大.....」


大学生になりたてのノラ、も元気そうだ。

俺はその様に見ながら苦笑する。


「.....全くお前らと来たら.....」


「.....そら、は大丈夫か」


「.....そうだな。.....まだ心配だが.....多分、大丈夫だ。白虎」


「.....良かった.....はまだ言えないな」


白虎は顎に手を添える。

すると、山手さんが腕を回した。

お、おう、乳が見えそう.....。

と思っていると。


ゴン!!!


「.....制裁」


「.....イッテェなノラ.....本気で殴ったろ今.....」


「当たり前。そら、に失礼」


まぁ確かにそうだが.....うん。

俺はその様に思いながらノラに苦笑いを浮かべて。

頭をゆっくりと摩る。


「.....有難う。ノラ。私は金槌で殴ろうとしたわ」


「.....何を言ってやがるお前.....ゴッド牧瀬よ。父親が死んだらどうすんだ」


「奥さん居るのに見蕩れるなよお前」


「悪かったけど!本気で叩くなよ!」


いや、かなりのマジで痛かったんだが。

俺はその様に思いながら、顔を引き攣らせる。

すると、潾二郎さんが真面目な顔で俺に向いてきた。

そして顎に手を添える。


「ふむ、出産後は私に直ぐに女の子を渡してくれ」


「馬鹿野郎ですか貴方」


「.....何を言っている。これは健康状態を.....」


と思っていると、ミタちゃんが潾二郎さんを病室から引きずり出した。

そして潾二郎さんは居なくなる。

俺はその様子を苦笑いで見送った。

すると、ゴッド牧瀬が俺に向いてくる。


「.....まぁとにかく。ちょっと色々有るけどオギャー!と聞ければ良いわね」


「.....お姉の言う通り」


俺は有難う、二人ともと思い。

その様に言いながら、外を見た。


取り敢えず今は、そら、が無事に出産する事を祈るしかない。

今は.....おっと!!!

直ぐに分娩室、手術室前に向かわないといけない!!!


「うおおおお!!!!!何やってんだ俺はぁ!!!」


「今頃.....」


ドタドタと慌てて走って行く。

そして分娩室の前に着いた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る