第47話 戻って来た日じょ.....う?

8月25日、朝7時30分、現在。

普通の一軒家の俺の家にはホームステイして来た、白虎と。

葉月、俺、父さん、深雪さんが一応、幸せに暮らす。

暮らしている途中で白虎は俺を、


『気に食わないけど、兄貴と呼ぶわ。宜しく兄貴』


と言って、俺を慕ってきた。

口は暴言ばっかりだが、良い奴である。

この数日をホームステイで過ごした、白虎はそれなりに現状況に慣れた様だ。

因みに今日は始業式で、白虎の小学校の転学日だ。

俺は玄関先で制服で整った髪型で、顔を恥ずかしいのかほんのり赤く染めた白虎と向き合って居た。

白虎は相変わらずのパーカー姿でランドセルを背負って居る。


「白虎。あまり気にしない様にな。仲間も無理して作る必要は無いからな」


「分かってる兄貴。大丈夫だ。アタシは」


「なら良いんだけどな」


葉月もやって来た。

その顔はすっかりお姉ちゃんじみている。

思えば、白虎を最も愛しているのはコイツなんじゃ無いだろうか。

何たって、本当に可愛がっているから。


「白虎ちゃん可愛いね」


「.....う、うっせ!」


「うふふ」


「全く.....母親かお前は」


その様にツッコミを入れながらも俺はニヤニヤしていた。

いや、例えば俺に子供が出来たらこんな感じなのかなって。

思ってしまってな。

ニヤニヤするわ、くそう。


「.....それじゃ、行ってくるぜ」


「おう。俺も葉月ももう直ぐしたら出るから」


「有難うな、兄貴。ネックレスも付けてくれて」


俺の胸元をマジマジと射抜く様に見てくる、白虎。

白虎は嬉しそうだった。

俺は苦笑しながら、白虎の頭を触る。


「.....ははっ。お前から頂いた大切な物だからな」


「嬉し.....いや!嬉しくは無いんだけどな!じゃ、じゃあな!」


ツンデレかよ、俺はその様にツッコミながら。

白虎に手を振って、見送った。

それから、準備しようと後ろを向いた時だ。


プルルルル


「.....ゴッド牧瀬?はい」


『大変よ!雄大!本当に!』


「.....何がだ。俺は忙しいんだが」


朝っぱらから煩いな。

いきなり大変と言われて分かる奴なんて居るかよ。

俺はジト目でため息を吐きながら言う。

すると、ゴッド牧瀬は、そ、それもそうね。

と納得する様にしてから、説明を始めた。


『.....私のイラストレーターが.....変わっちゃうの!』


「あん?それは一大事だな」


イラスト担当。

それは、ラノベ小説家にとっては無くてはならない存在で。

多分、相棒と言えると思う。

俺にはよく分からんが。

それが変わるという事は。

雰囲気が変わってしまう事を意味している。

ああ、そういや説明して無かったな。

ゴッド牧瀬はまたレーベルに復帰して小説を書き始めたのだ。

って言うか、ラノベのこれまでの作風変わったらヤバくね?


『私がレーベルを辞めた時に同時に体調不良を理由に作画を担当している山手が変わってしまって!それで別のイラストレーターが私の偉大なる小説に就く事になったんだけど!滅茶苦茶に作画が変わるわ!絶対に許せないわ!山手を説得しに行くわよ!」


山手俊介(やまてしゅんすけ)

ピ○シブでも有名なイラストレーター。

まぁ、完全な偽名だろうけど。

ゴッド牧瀬の専属イラストレーターである。

同時に辞めたって、そらさぞかし問題だ。

俺はうーんと首を捻る。


「あのな、行くわよって.....今日は始業式なんだが.....」


『関係無いわ!行くわよ!』


「馬鹿野郎!重要事項だ!放課後にしろ!」


『う.....まぁ仕方が無いわね.....放課後にまた』


それで良い。

俺はため息を吐いてその様に言いながら。

横に有る、デジタル時計を見た。

マジで!?8時!?


「おい切るぞ!本当に学校に行かないと!」


『あら、本当ね。学校に行かないと』


「緩やかだな!」


『私はお金持ちだから大丈夫よ』


俺はあぁ!?と言った。

金持ちってのがバレて傲慢になりやがったな!

巫山戯んな!学校は大事だ!


「ゴッド牧瀬。学校は重要な場所です。行かれて下さい」


『ウルサイわね。行くわよ』


「切るぞ!」


俺はスマホの通話ボタンを切ってから。

そして俺はリビングに猛ダッシュで通学鞄を.....と思ったら。

制服に着替えた、葉月が持って来てくれた。

ため息を交えて、苦笑しながら、だ。


「全く。話すのは良いけど、良い加減にしなさいよね。兄貴」


「.....すまん。葉月。助かった」


両手を合わせて俺は葉月に礼を言いながら。

そして猛ダッシュで駆け出して行った。

こんな日に遅刻だけはメンゴだぜ。

面倒臭い。



そんな始業式あっと言う間に体育館で終了した。

後はプリントが配られて終わりだ。

流石は11時までだ、短いな。

俺はその様に思いながら、外の変わりゆく季節を眺める。

もう直ぐ9月やなぁ、と思いながら、だ。


ガラッ


「.....いやー、ホノボノしてるな。外は」


俺は目を==にしながら、外を眺める。

小鳥が飛んでいる。

ガラスに映った俺の顔はアホヅラの様だ。

まぁ、知ったこっちゃ無いけど。

本当に良い天気だな。


「お、おい。あの制服、中学生じゃね?アイツ」


「そうだな.....」


「何しに来たんだ!?」


そんな変なボソボソ声も無視で。

俺は==のまま、ホノボノ感を出しながら外を眺め見る。

すると、いきなり頭をぶっ叩かれた。

真の様だ。

衝撃で俺の手が顎に当たり、痛みで文句を言った。


「何しやがる!」


「何ボーッとしてんだよ!ゴッド牧瀬さんが居るぞ!雄大!」


「は、はぁ!?」


俺は頭を抑えながら唖然とする。

いや、ちょ、まさかだろ。

俺は目の前を見る。

そんな目の前、至近距離にゴッド牧瀬が腰に手を当てて立っていた。

うぁ!?何やってんだこのバカ!

何で居るんだ!?


「建築物侵入罪になるぞ!高校だぞ!ココ!以前も言ったかもだけど!」


「こっちが1時間早く終わったから早速、迎えに来たわよ。雄大」


「話を聞けや!それにまだ授業、終わってねぇ!」


「そんなことは知ったこっちゃ無いわよ。行くわよ」


俺は、はぁ!?と言った。

その次の瞬間、早速とゴッド牧瀬は俺を通学鞄を持って引きずって行く。

いや、ちょ、誰か止めろよ!コイツ!

真!お前は付いてくる準備すな!

ふざけるなぁ!



































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