第44話 白雪潾二郎2

「.....」


「.....」


何故か見つめ合っている俺達。

目の前に座っている真を見ていた。

そして真も俺を見つめてくる。

男二人で綺麗な部屋で暮らして見つめ合うってのもな。

その様に思ったが、そんな事より。

ゴッド牧瀬をどうしたら良いのか、その事を考えなくてはいけない。

コイツに座ってもらったのは何よりも案を聞こうかと思って。


「.....でも軸はやはり白虎に聞く必要が有るな」


「そうかもな.....」


真は手を上げた。

俺はこの部屋に居るわ、なんか有ったら困るしなと言ってくれた。

頷いてから俺はガタンと椅子を鳴らして立ち上がった。

そして、直ぐに急ぎ足で歩き出す。

隣の部屋まで、だ。


ガチャッ


「おい。すまないがー」


扉を開けてから声を挙げた。

前を静かに見る。

固まった。


「.....」


「.....」


とても細い裸体が2つ有った。

細く、くびれているナイスな体型に、美顔で濡れていて.....って!?

これはまさか!?


「.....うん、雄大.....殺す.....」


俺は赤面で大慌てになる。

まさかの事に、バッと恥ずかしそうに身を隠す、白虎。

次の瞬間、バスタオルに身を隠しながら、そら、によって玄関先に置かれていたカッターナイフが瞬時にチキチキ鳴る。

そして、俺に白目でユラユラと、そら、は接近してきた。

ぎゃあああああ!?

ちょっと待ってくれぇ!


「す、すまん!ノックすれば良かった!マジですいません!カッター下ろせ!」


「問答無用。殺してやる」


「いや、ヒエェ!?」


「私も協力する。ぶっ殺す」


白虎までお怒りじゃー!

誰か、助けてクレメンス。

マジでお怒りだぁ!



「オホン.....」


「.....」


「.....すまん。マジですまなかった。声を掛ければ良かったんだ」


可愛らしい服を着た二人。

結論から言って俺は、そら、と白虎の部屋で。

正座させられていた

俺の正座の膝の上には水タンクが乗せられている。

めっちゃ痛い。

いや、地獄かよ。


「.....あのね。ノックの重要さは大切だよ?雄大」


「そうだな。うん」


「.....ノック無しで入って来るなんて.....信じられない事をするね。お前」


「全くその通りだ。だけど、お前ら防犯の為に鍵掛けろよ」


俺はその様に言いながらツッコミを入れつつ。

ハッと相談内容を思い出して。

そして未だ赤い、白虎に静かに向いた。

白虎は?を浮かべる。


「.....白虎。お前の姉さん。ゴッド牧瀬を親父さんから取り戻す方法。何か無いか?」


「.....アイデア的な?そうだな。.....もうセキュリティを突破して七星姉さんの元へ向かう方法しか無いって言うか。無理矢理するしか無いと思うんだ。多分、アイツらは.....言う事は聞かないと思うからな」


「やはりか.....」


クソ、説得は難しいか。

ん?って言うか、セキュリティ?

そう言えばセキュリティに詳しい奴が居たな。

ミタちゃんの父親.....。

その時だ。

電話が掛かってきた。

俺は驚愕しながら、電話に出る。


プルルルル


『用事が有るのだろう雄大くん』


「何やってんですか!?相当なナイスタイミングっすね!」


このスマホにはGPSでも着いてんのか!?

かなりナイスなタイミングで潾二郎さんから電話が掛かってきた。

俺は唖然として聞きながらも白虎と、そら、を見てから話を続ける。


「.....俺の家のホームセキュリティを以前、突破してましたよね?それ、出来ますか?」


『出来る事は出来るが、他人の家へのセキュリティへの接触は犯罪行為だ。責任は誰が持つのだ?』


「.....そうですね.....まぁ、そうなるか.....」


無理矢理は警察に捕まるな、まぁ当たり前か。

じゃあこの方法は却下か、とその様にため息を吐いて思っていると。

潾二郎さんは柔和な感じで話してきた。


『.....代わりに、情報を教えよう。真正面から打つかっても大丈夫な様に。君なら直接、説得出来る。私を信じろ。君は勇敢な男だから』


「無茶苦茶な事を言いますね.....でも、自信が付きましたよ」


『.....万が一何かあった場合は私を呼べ。それなりに私は大人だからな。あと、撫子くんにも頼ったらどうだね』


「.....そうします。有難う御座います。潾二郎さん」


電話は、では、失礼するぞ。

とそこで切れた。

うむ、何と無く自信が付いたぞ。

俺は静かに見守っていた、二人に向いて、そして話した。


「俺は直接、説得しに行く。お前ら、見守っていてくれ」


「.....そ、そんな無茶な事!出来る訳がねぇ!あんな.....ゴミ親父を.....!」


「いや、大丈夫だ。潾二郎さんが居る」


何の事だ?

的な感じでして居る。

なかなか、その仕草も可愛い。

だがそうだ、あの時を思い出せ。

羽多野と対決した時を。

確かに冷や汗は出るが、それよりかは遥かにマシの様な気がする。

俺は立ち上がる。


「.....決めたぞ。俺は説得する。お前の親父を!」


「.....ゆ、雄大。何を言ってんの?.....無理だよ!敵がデカすぎるよ!」


「こういうのはやってから後悔するんだ。ゴッド牧瀬を助けるにはもうこの方法しか無い。真正面から説得したら心が動いてくれるだろ。少しは」


待ってろ、絶対に助けてやる。

その様な、決意で俺は前を見据える。

大切な仲間をこのままにしておくものか。

絶対に助ける。

お前をそのままにしては置かない。

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