第37話 エッセイバトル閉幕→夜

夜、この様な事は普通、有るのだろうか。

成長途中の4つの谷間に挟まれている様な不幸な状態が、だ。

何だろうか、相当にアカンこれ。

俺の下半身がファイヤー!

という感じになりそうなんだけど。

絶対にアカンぞコレ。


「すうすう.....」


「くうくう.....」


俺の部屋。

深夜3時の事だ。

ベッドから落ちてきた、そら、と。

同じく、ベッドから落ちてきたゴッド牧瀬に挟まれると言うか。

そのまま、何かと間違われて抱きつかれていた。

このクソッタレども。

俺の不幸も知らないで何をやっているのだ。


「.....ね、寝れない.....」


息苦しいんですが。

俺はどうしたら良いんだ。

幸いにも明日は休みだから良いけど!

滅茶苦茶に良い香りで、尚且つ苦しくて。

どうしようもねぇ!


「.....すうすう.....ふふ.....雄大.....」


「.....?」


静かに口呼吸しながら。

息を整えていると、その様な寝言が聞こえた。

俺はコッソリと耳を傾ける。

すると、とんでもない寝言を、そら、は放った。


「昔から.....好き.....だったんだよ.....うふふ.....」


「.....!!!」


滅茶苦茶に赤面した。

俺はボッと火が点いた様に顔を赤くする。

って言うか、赤くなっていると思う。

そら、の寝言、だよな?

うん寝言だ。

絶対にそうだ、よな?


「.....ムニャムニャ.....雄大.....のエッチ.....」


左に居る、ゴッド牧瀬。

ウヘヘと声を上げて、ニヤつくその様な声が聞こえた。

コイツはコイツでどんな夢見てんだよ!

エッチな野郎だな!

くそう!


「少し態勢を変えないと.....絶対に息が.....って」


目の前を見ると。

そら、のボタンが外れて。

えっと、なんだっけ?

これは確か.....ブラジャーだったか。

その奥の、乳輪と乳首が見えた.....って。

うおおおあ!?


「.....くっ!.....いかん、下半身が!.....やばい!」


マジでヤバイ!

察される訳にはいかない!

その様に悶えながら俺は態勢を変える。

すると、足がゴッド牧瀬の股間を擦った。

その瞬間、ゴッド牧瀬の喘ぎ声が。


「ああん.....気持ち.....が.....」


気持ちが良いのか、ブルブルと震えるゴッド牧瀬。

俺はヴォッと思いっきり赤面した。

ってか、すいません。

誰か助けて下さい。

マジというか、本格的にマジで窒息するわコレ。

アカン、絶対にアカンぞコレ。

地獄すぎてクソワロ。


「くっ.....」


俺は態勢を一生懸命に捻る。

そして、何とか女の子地獄から抜け出した。

それから俺は2人に掛け布団を掛ける。

まるで桃と林檎の様に良い香りの2人から。

全くな、クソッタレ。

汗をかいてしまったではないか。


「.....ちょっとトイレに行くか.....」


俺は欠伸をした。

それからその様に思い、グシャグシャの頭を整えながら。

俺は部屋を出た。

そして真黒な廊下をフラフラ歩いて、奥のトイレに辿り着く。

戸を開けた。


「.....ふあ。眠い.....」


くそう。

ゴッド牧瀬も、そら、も油断し過ぎだ。

俺はその様に思いながら。

トイレに入る。

その下半身は見事にファイヤーになっていた。



「ったく、眠い.....」


俺はその様に思いつつ。

ガチャッと開けて部屋に入る。

そして、横に有るベッドに寝転がった。

その瞬間、女の子の悲鳴が上がる。

俺は目をパチッと見開いた。


「ちょ、あ、兄貴、何やってんの!?」


「.....な、ちょ、どういう事だ!?」


なんと目の前に葉月が居る。

驚愕した眼差しを俺に向けて、目をパチクリしていた。

俺は咄嗟に起き上がり、周りを見渡す。

周りは俺の部屋では無い、装飾。

しまった、間違えたのか。


「.....寝ぼけて葉月の部屋に.....!」


葉月は胸元を見つめて、また悲鳴を少し上げた。

よく見たら、葉月の胸元に手を当てている。

いかん!俺とした事が!

これは!


「.....何やってんのアンタ.....」


「.....はっ!」


背後を見ると。

手をポキポキ鳴らして眉を寄せているゴッド牧瀬と。

軽蔑の眼差しを此方に向けている、そら、が居た。

お前達!さっきの葉月の悲鳴でか!


「このシスコン.....」


「.....」


「違うわ!シスコンじゃねぇよ!」


ゴッド牧瀬はゴッドブローをかましてこようとしている。

いや、ってか。

第一、お前らのせいだぞ!

間違えたのは!

寝不足でこんな感じになったんだからな!


「.....兄貴。えっと、取り敢えず、部屋から出て.....」


「そうですね」


俺は2人を引き連れて赤面でその様に返事して。

直ぐに葉月の部屋を出た。

そして、ゴッド牧瀬達を見る。


「.....」


「.....その、すまないわね。私達のせいかも知れないわね。でも.....くっ」


「.....」


取り敢えず、反省はしているのな。

良かった。

俺はその様に思い、ため息を吐いた。

うん、取り敢えず寝るか。


「.....そら?」


プルルルル


「.....もしもし?」


『ふん!バカ!』


「.....」


俺は苦笑いを浮かべる。

それから、電話先に答えた。

大きくため息を吐いて。


「.....すまんって.....拗ねるな」


何故そんなにすね.....

と思ったところで。

俺は思いっきりに赤面をした。


『雄大.....好き.....』


「.....」


その何だ。

うん、そら、が本当に俺の事を好きだったら凄いなと。

思ったんだが。

と、思っていると、ゴッド牧瀬がジト目で見てきた。


「雄大?アンタ変な事考えてない?」


「ないわっ」


お前らのせいだけどな!

全く、今日はなんて日だっ!

その様に思いながら。

頭に手を添えた。

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