第33話 デート、デート、デート

余りにも疲れた、うん。

大きな存在に立ち向かったのでマジで吐き気がするわ。

どうしたもんかな。

俺は夜、青ざめながら机にぶっ倒れていた。

所謂、顔を突っ伏す様な感じで。

ライトの光が俺をゆっくりと優しく照らす。

なんつうか、ライトノベルで例えたのは間違いだったか?

でも、インパクトが有るのは大事だよな?

な?間違って無いよな?

頼むぞ。


「.....羽多野。これで少しは変わると良いがな」


何がどうあろうけど。

アイツはアイツなりに苦労しているのだ。

だから俺は変えてやりたいって思ったのだ。

それで、俺は打つけてやった。

幻想を右拳で破壊してやったのだ。

あ、違うか。


「でもなぁ。マジで疲れた。.....アカンぞこれ」


ピコン


「.....ゴッド牧瀬.....」


丁度、ゴッド牧瀬からラ○ンが来た。

俺はラ○ンを開く。

そしてスマホを見た。


(アンタ、凄いわね。嫌な事に立ち向かって.....それだけじゃ無く、倒すんじゃなくてライトノベルで説得をするなんてね。流石は私が見込んだ男だわ)


「.....それ程じゃ無いさ」


その様に呟き、俺は目を閉じて再度開いて笑んだ。

それから、ゴッド牧瀬にラ○ンで一言メッセージを送る。


(俺はそんなに強く無いからこの選択しか出来なかったんだ。まぁ、これが凄いと呼べるものかどうかは分からんが、有難うな)


ピコン


「なんや?」


(オメー、凄いな。オレっち見直したぜ。良くやったな。でも、無理はするなよ。行きたく無い時は行かなくて良いんだからな)


撫子さんだった。

俺はその言葉に、見開いて。

そして、メッセージを送った。


(有難う御座います。皆さんのお陰で、応援のお陰で、ここまで来れました。撫子さんのお陰でも有ります。感謝します。本当に感謝です)


ピコン


「.....?!」


(雄大くん。私だ。潾二郎だが。大丈夫かね)


「ちょ、まさか、かよ」


潾二郎さんから来るとは思わなんだ。

俺はその様に思いながら。

驚愕の眼差しを向ける。


(大丈夫っす。有難う御座います)


(因みに、娘も心配している。大丈夫なら良いのだが)


「.....うーむ。有難いな」


その様に思って。

俺は顎に手を添えて、空を見た。

そして横を見る。

今日は、そら、は攻撃して来ないのだろうか?


「.....ふう」


明日か。

試験は頑張らないといけない。

まぁ、赤点は避けたいよな。

俺はその様に思って勉強を始めた。

のだが、ラ○ンが来た。


(所で、君は御霊とはデートはしないのか。今度の31日とか)


「ファ!?」


俺は赤面で驚愕した。

すると、ゴッド牧瀬からもメッセージが。


(雄大。今度、落ち着いたらデートしない。丁度、プールチケットが当たったの。31日にデートしましょ)


なんつう偶然だよ!

俺はその様に思いながら。

赤面で返事をした。

その時だ。


バシンバシン!


「お。そら.....」


そら、からの相変わらずのメッセージ伝達に。

俺は苦笑しながら、カーテンを開ける。

そして顔を上げた。


「.....何だお前.....それは」


ピースサインをして。

相変わらずのジェイソンマスク姿の、そら、が立っている。

ポニテ髪に、制服姿。

その手には何かが握られていた。


プルルルル


「.....はいよ?」


『今度、その.....水族館に行かない?.....その.....2人っきりで.....31日に』


「.....」


ちょっとかなりキツイっす。

どうしたもんかなと俺は顎に手を添える。

すると、そら、がムーッと声をあげた。

怒った様だ。


『.....私とのデート嫌なの?』


「で、デート!?」


『あ。.....べ、別にアンタの事なんかこれっぽっちも思ってないんだからね!』


焦ったよ!

ってか、ツンデレかよ。

俺はその様に思いながら、マジで困惑していた。

どれを選択すれば良いのやら。


「.....そら」


『.....何?』


「水族館デート、ズラす事は可能か」


『何で?雄大って暇な日ばっかりでしょ?』


俺が年がら年中、暇だと思ったら大間違いだぞこの野郎。

その様に心でツッコミを入れながら。

ため息を吐いた。


「.....あのな。俺だって暇じゃ無いんだから.....」


『うーん。でも、水族館チケット31日までなんだよね』


「.....それは参ったな。ちょっと待ってくれ」


俺は断りを入れて。

電話を保留にして、メッセージを送った。


(ゴッド牧瀬。デートは8月以降、今度な)


(アンタ、暇でしょ?付き合いなさい。それにチケットは31日までなの。待ってられないわ)


(.....)


参った。

マジで困る。

思っていると、コンコンとドアがノックされ。

葉月が入って来た。


「兄貴。電話」


「.....は?」


「白雪潾二郎さんという方から」


何!?

俺はまさかの事態に。

葉月から受話器を受け取って出て行った葉月を見計らい話す。


「もしもし.....」


『雄大くん。今度、31日に御霊と高級レストランで食事する予約をした。頼むぞ』


「勝手に何やってんの!アンタ!」


俺に断りも無くかよ!

水を差すね!

困るわ!


『何か用事でも有ったかね?夏休みで暇だろう?その時期は』


俺の生活ってアンタらにどう思われてんの?

そら、も。

ゴッド牧瀬もだけどよ。

そんな毎度毎度、暇じゃ無いっつの。

と思ったが、面倒臭くなってきた。


「.....もう良いです.....」


『そうか。頼んだぞ』


その様に答え、受話器を机に置く。

クソッタレ。

どうしたもんかな。

でも嬉しいよな。

それだけ俺は愛されているって事だ。

まぁ、嬉しいっちゃ嬉しいけど。

どうしたもんかな、マジで。


「.....そら」


『?』


「.....すまん。ミタちゃんに付き合わないと殺されそうだ。すまん。マジで」


『.....御霊ちゃん.....と.....付き合う.....?』


なんか、空気が凍った気がした。

気のせいか?

俺は?を浮かべながら、そら、に聞こうとした。

が。


プルルルル


唐突に机の受話器が鳴った。

俺はビクッとしながら、受話器を取る。

すると。


「もしも.....」


『もしもし!何で電話が繋がらないのよ!アンタ!もしかして他の女と話しているんじゃないでしょうね!』


「.....」


ゴッツマキマキよ。

何でうちの電話番号を知ってやがる。

何だその感の鋭さは。

俺はその様に思いながら、受話器に言葉を発した。


「いやいや、ねーよ。そら、だ。ゴッド牧瀬」


『そら?ああ、それなら仕方が無いわね。.....まぁ良いわ。で、31日の件だけど.....』


「すまん。ちょっと用事でミタちゃんに付き合う。お前1人でプールには行ってくれ」


『.....ミタちゃん.....御霊.....付き合う.....ハッ!』


何かに目覚めた様に。

その様に声を上げた、ゴッド牧瀬。

いや、ちょ。

ってか、何でこんなに寒気がすんの?

俺はその様に思いながら。

電話を切ろうとした。


『.....そらに今直ぐに代わりなさい』


「.....?」


『早くしなさい』


俺は受話器をクエスチョンマークを浮かべている、そら、に投げて渡した。

そして、5分間という時間が過ぎて。

そら、が受話器を投げてきた。


『.....雄大。そら、から聞いたわ。その結果、私達、同盟を組む事になったから』


「.....は?」


『仕方が無いから、31日の御霊デート.....行きなさい.....フフフ.....そら、の事も有るけど.....フフフ.....行きなさい.....フフフ.....』


何だコイツ。

なんか俺は猛烈に困惑した。

目の前の、そら、からも邪気が上がっている。

ゴッド牧瀬と、そら、が何を話していたか知らないけど。

何でお前らそんななの?

こんなんで行けるのだろうか。

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