第24話 ミタちゃんの父親の秘密

「.....」


「.....まぁ、予想はしてたけど.....デカ過ぎるわ」


「.....さ、流石は3000万部の化け物.....」


俺達はミタちゃんに誘われて。

ゴッド牧瀬、俺、真、でミタちゃんの家までやって来た。

ここは超高級住宅街。

簡単に言えば、ミタちゃんに聞いた所、1坪.....500万らしい。

生半可な土地では無い。

そして、目の前にそびえ立つは、城ですか?

洋館の様なものが建っている。

白を基調としたデザイン。

門も馬鹿デカイ。

流石の俺達もドン引きであった。


「.....ささ、早くいらっしゃって下さい」


「.....は、はい.....」


小説家ってそんな儲かるの?

俺は思いながら、屋敷に招かれて入って行った。



「.....フェー」


デカイ。

とにかく、室内もデカかった。

高さ的に俺3人分ぐらい?

俺達は天井の絵を見ながら、廊下を歩く。


「.....この屋敷って.....お前の印税か?ミタちゃん」


「.....違いますよ。.....お父上のお力です。AIを駆使した事業を立ち上げていて、会社を持っています」


「.....AI.....」


それってバーチャルユーチューバーとかのヤツか?

キズ○アイとか最近有名だよな。

俺は顎に手を添えて、考える。

でも、そんな甘っちょろい考えで良いのか?

ミタちゃんの親父さんだから寡黙な人だと思うんだが。


「そのAIで美少女キャラとか作れねぇかなぁ.....」


「アホかオメェは。何を言ってんだ真」


「そうよ。そんなものを造っているとは思えないわ!」


真の馬鹿野郎め。

何でも女の子に例えやがって。

まぁ、それは俺も僅かに期待するんだけどよ。

と、思っていると。

ミタちゃんが眉を顰めていた。


「.....どうした?」


「.....お父上です」


「.....あ!?」


目の前を見る。

そこには、円型の装置が転がって来ていた。

俺達は驚愕する。

すると、その円型からホログラム?の様なものが起動して.....。

誰か出現した。


『御霊のおとーさん、潾二郎でーす!』


俺達は眉を顰めた。

かなりの美少女が出現した。

所謂、目が大きくて。

2次元のとっても可愛らしい、美少女。

長い金髪をツインテにして。

更に、鼻が小さい。

肩出しの服。

アイドルみたいな.....って言うか。

何じゃこりゃァ!!!!!


「.....お父様。人前でその装置を起動させるのは止めて下さいとあれ程.....」


『.....ふえ?ミタミタ怒ってる?潾二郎、悲しい!』


「.....」


まさにドン引きレベルであった。

何だコレは?

思っていると、ゴッド牧瀬がヒソヒソ声で話してきた。

流石のゴッド牧瀬もマジで青ざめている。


「.....ちょっと何なのコレ?何を見せつけられているの?」


「.....俺に聞いて分かると思うかそれが.....」


真に至っては。

大喜びでパンチらを拝もうとしている。

何やってんだあの馬鹿。

って言うか、なかなか角度的にパンチラにならん。

所謂、漫画の表示で。

太ももは見えるのに、パンチらが無い的な。

思っていると、ミタちゃんは諦めた様に解説を始めた。


「.....コホン。失礼致しました。こちら、父親の潾二郎です」


『ニコニコニーン!ヨロ〜!』


「うおおおお!」


真は二次元アイドルに遭遇した様に。

大喜び。

なんかもう。

色々とヤバイ。

このシステムを秋葉にほっぽったらどうなるんだろうって。

一瞬、考えてしまった。


「.....でも、コレは巫山戯ている訳では有りませんので、ご了承下さい」


「.....どういう事だ?」


「.....お父様はかれこれ3年間、私と顔を合わせていません。私の母親が亡くなってからずっと、母親を蘇らせようと.....頑張っているのです」


その言葉に俺は見開いた。

そして複雑な顔付きになる。

その期間は。

俺が、そら、とずっと会って無かった期間と同じじゃ無いか。

って言うか、蘇らせるって.....!?

俺が言い出そうとしたら、ゴッド牧瀬が眉を顰めて先に話し出した。


「.....ちょ、ちょっと待って。アンタ。それって死人への冒涜じゃ無いの.....?」


「.....そうですね。私もそうは思います。でもお父様は言う事を.....聞かないんです」


「.....それでこんな物を造っているのか.....」


真は喜んでいるが。

俺達は深刻な感じで思った。

蘇らせるなんて。

それって良いのか?


「.....でも.....雄大くんの事を話したら.....会いたいって言ったんです。こういう、AIでは無く、お父様自身が.....」


「.....!」


「.....だから、チャンスだと思ってます。今日は閉じ篭っていますが」


ミタちゃんは笑みを浮かべる。

って言うか、そんなに期待されているのか俺って。

なんかその、胃が痛いんだけど。

俺は頭をボリボリ掻いた。

思っていると。


『ささっ!みんな!この場に立っていても仕方が無いよね?行くよー!』


足元のホログラム装置をコロコロ転がしながら。

ゆっくりと移動して行く、潾二郎さん。

そんな背中を。

俺達は追って行く。


「.....」


複雑な思いを抱きながら、だ。

ミタちゃんはどれだけ苦労したんだろうな。

と、思いながら。

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