第19話 決定

ゴッツマキマキと、そら、で小説制作A軍。

ミタちゃん単独で小説制作B軍。

それぞれ、俺がアイデアを出して。

出来上がった小説の原稿を俺と真が見る。

何と言うか、2つの軍が衝突する構図が出来上がりつつあった。

因みにこのバトルの目的は何かと言うと。


俺。


その理由としては、俺をミタちゃんに取られるのがゴッツマキマキも、そら、も嫌らしくて。

そこまで俺に拘る理由がちょっと分からないが、とにかく俺を巡って争いが始まってしまった。

俺が原因なら俺も何と無くだが関わらないといけないな。

うーむ?

ゴッツマキマキが帰った後に撫子さんに自室で連絡する。

すると、撫子さんはこの様に話した。


「うん?そんなオモロイ事が起こってんのか。.....なら判定者は私だな」


「え、でも.....」


「オウ、なんか言い訳が有るなら聞こうじゃねーかオメー」


無いですね。

まるで不良みたいな言い方ですくみ上がってしまった。

俺は否定しながら、撫子さんに呟いた。


「.....みんな忙しいのにな。大変な事になったです.....」


「多分、みんなオメーの事より、楽しんでいるだけだと思うぞ。でもまぁ.....色々っちゃ色々やな。複雑な状態だ。乙女心はオモロイね」


意味深な事を呟いて、ニシシと笑う撫子さん。

俺は?を浮かべて、まぁ良いかと話した。


「.....それでは失礼します」


「オウ。じゃあな」


撫子さんも忙しかったのだろう。

直ぐに電話が切れた。

俺はそれを確認して、取り掛かる。

小説のアイデアに。


バシンバシンバシン!!!!!


何だ。

俺、今集中したかったのにそれを妨害する様に。

その様に思いながらも、窓を開けた。

そら、がジェイソンマスク姿で弓矢を持って立っている。

相変わらずの風貌に俺はスマホを通話状態にして言葉を発した。


「.....どうした?」


『アイデア出来た?』


「.....いや、俺達、帰って来てからそう経ってないだろ。はえーよ」


するとこの言葉に、そら、は。

眉を寄せている様な声で、言ってきた。

焦っている様な声でもある。


『.....もしかしてあの女に先にアイデアを送ったとか?』


「.....それも無い。そんなに焦るなって」


『早くして。お願い』


「.....」


忙しいんだな、コイツも。

その様に思いながら、俺は答える。


「.....なる早で」


『.....うん』


その言葉を聞いた、そら、は窓を閉めて。

そしてカーテンを閉めた。

俺はその様子に笑みながら、アイデアを練りだす。

うーむ、全く浮かばんが.....あ。


「.....今の状況を小説にするってのはどうだ」


どうだ、ラブコメって良くね?

あ、でも。

ネタが在り来たり過ぎるか?

うーむ、困る。


「.....」



『お前は嫌いだ』



昔よりかは相当に凄いよなこの状況は。

だって、友人がいっぱいだ。

幼馴染も声を掛けてきたし、だ。

何だろう、昔よりかは幸せなんだな、俺。


「.....ふむ」


そうだな、みんなに、か。

だったらこうしたらどうだ。

俺の人生を、そら、の人生を当て嵌めて。


A軍は、俺、の人生をアイデアに小説を。

B軍は、そら、の人生をアイデアに小説を。


これだったら何となくだが全てがwin-winで良いんじゃ無いか?

思い付かないしよ。

でもこれでするなら、そら、に許可が要る。

俺はスマホを取り出して、そら、に連絡を掛けた。

だが、相手は既に通話状態で。

切り忘れ?え?


「.....?.....何か聞こえる.....」


『ウヒョー!えっちぃー!』


「.....」


流石の俺もこれには滅茶苦茶に困惑した。

そら、の声がwww

いや、ちょ、何をやってんの。

俺は赤面で唾を飲み込んでそしてゆっくりと声を発した。

イヤホンを通して聞こえる様に。


「ソォラァさぁん!」


『.....ブチッ』


「.....な、ちょ、切れやがった.....」


パソコンのエロゲかAVか。

何を観てやがったか知らんが切れた。

その、何だ。

えっと、そら、が滅茶苦茶に恥ずかしがっている姿が見えるんだが。

俺はその様に思いながら、声が聞こえるのを待った。

すると。


『.....何。雄大』


「.....あ、そら、.....お前さ、さっきえっ.....」


『何。雄大』


おう、言葉を繰り返すか。

コイツ、絶対に研究してやがったな。

それもAVとかエロゲとかエッチなアニメとか見ながら。

エッチな子は嫌だけど、幼馴染だから.....うん。


「.....オイ。研究も程々にしろよ」


『.....変態』


いや、まぁ、お前がな。

俺はその様に思いながらハッと要件を思い出して聞いた。

絶対に聞かなくては。


「.....なぁ、出来ればで良いんだけど、お前の人生を小説のアイデアにして良いか?その.....もし良ければなんだが」


『.....私の人生?』


「.....無理はしないでくれ。出来れば、で良いんだ。はっきり言って、俺が最低だと思ってしまうかも知れない。.....だけど、その.....お前の経験を.....アイデアにしたいんだ。仲間が.....共感するかも知れないから」


『.....』


そら、はその言葉に少しだけ困惑気味だったが。

ゆっくりと答えてくれた。


『.....私の人生をみんなに知ってもらうのも良いかも。ヒントだけなら良い。そして、見せるのは仲間だけで』


「.....感謝する」


本当に心が広い。

こんな屑、極まりない話に付き合ってくれるなんて。

そら、は良い幼馴染だな、やはり。

俺はその様に思って言葉を発しながら頭を下げた。

ところで、だ。


「.....お前、エロゲかなんか知らんが、やり過ぎるなよ。親にバレたらヤバイぞ。って言うか、叫ぶな」


『そうだね。変態』


「お前がな」


コイツ、そういう所は.....あれだな。

思いながら、俺は。

ため息を吐いた。

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