第18話 連合軍の目的

俺の今の所は知り合いの状態で止まっている女の子を倒す為。

ゴッド牧瀬、そら、真によって国同士の同盟が組まれた。

いや、まぁ、何をやってんだコイツら?

暇すぎんだろ。

つーか、何で、そら、まで参加してんの?

俺は盛大な溜息を吐く。


「.....で、どうやって倒すって?」


俺達の学校が終わった放課後の屋上。

ゴッド牧瀬は俺達が腰掛けているベンチ前で仁王立ちして、鼻息を荒くした。

側にはどっから持ってきた、ミニ黒板が置いてある。

白チョークも有る。

その白チョークを持って、ゴッド牧瀬は一気にカカカッと何か記した。

素早い手捌きで書き記した内容は。


「これよ!!!!!」


「.....?」


(雄大くんにそれぞれ2つの小説ネタのヒントを考えてもらい、私達宛、そいつ宛にしてもらって、それぞれ私とそら、そいつで面白い小説を創る。その結果を下僕、雄大くんに読んでもらってジャッジしてもらう)


いやいや、ちょ、何考えてんの?

俺にシナリオって馬鹿じゃ無いの?

そんな力が有ると思いますかこの俺が。

って言うか、ツッコミたいのそこだけじゃねーんだけど。


「.....これは大丈夫なのか?」


「何が?」


俺の言葉に、目をパチクリするゴッド牧瀬。

そのまま問題点を指差して、言った。

ハンデという問題を。


「特にお前と.....そら、だけで大丈夫なのか?ミタちゃんは攻撃力3000万売り上げている怪物だぞ」


「そら、は見極めるのに十分な力があるわ。私は文章力。問題は特には無いと思うわ。だけど.....アンタ」


指差す方向では。

眠っている、白雪姫が居た。

震えながらチョークが折れる音が響き渡る。

ゴッド牧瀬はお怒りだ。


「寝るなぁ!!!!!」


「.....すう.....」


本当に俺以外、何の興味も無いのな。

俺は苦笑しながら、白雪姫を見る。

その際に、真が手を上げた。


「質問」


「.....はい。下僕」


遂にゴッド牧瀬も下僕になったな。

真のあだ名.....。

まぁ本人が喜んでるし、良いけど。


「.....そら、さんも小説を書いているのですか?」


「趣味で書いてるな」


「あ、マジで」


ナルホド、と納得して腰掛ける、真。

流石に小説家と言えないな。

真が多分、暴走する。

何処ぞの人造人間の様に炎を纏って。


「質問は以上?だったら開始す.....」


唐突に、屋上の扉が開いた。

その場には猿島が。

生活指導員だが。

ゴッド牧瀬を指差して、目を三角形にした。


「見つけたぞ!!!!!中坊!!!!!」


「うわ面倒臭っ。とにかく逃げるわよ!」


「ちょ、何!?お前が悪いんだろ!逃げんな!」


黒板を置いて駆け出すゴッド牧瀬。

何でや!お前が悪いんだからな!!!!!

後で反省文書かされたら絶対に許さねぇぞ!面倒臭い!

と思いつつも、俺達も逃げた。



「シナリオ.....か」


俺はそう、呟く。

そんな俺の後ろから声がした。

お茶を啜って、お茶菓子を食べているゴッド牧瀬の声が。


「大丈夫よ。ゆっくり考えなさい。それでアイデアは浮かんでくるものよ」


「.....大丈夫.....ってそんな訳あるか!ゴッド牧瀬ぇ!何で当たり前の様にお前ここに居るんだ!」


「ハァ?馬鹿ね。私が一人で寂しいからに決まっているじゃない!!!!!」


偉そうに言うな。

ってか、なんでお前、親元離れた訳?

意味が分からないよ。

俺はその様に思いながら、ハァと溜息を吐いてそして考えた。

小説のネタねぇ。

考えた事も無かった。

どういうのにすれば良いのかも分からん。


プルルルル


電話が掛かってきた。

その電話主は.....ミタちゃんかよ。

俺はその様にツッコミながら、電話を取る。


「.....もしもし?」


『もしもし。御霊ですが.....雄大さんの携帯ですよね?』


「そうなるな。どうした?」


『聞きそびれていた事が有りました。いつぐらいに私の家にやって来ますか?お父様の件で.....』


小説の事なんかこれっぽっちも覚えてない様な感じで。

その様に、ミタちゃんは話した。

いや、別に良かですけどね。

したく無いならそれで。


「.....そうだな.....って言うか.....絶対に会わないと駄目か?」


『はい。お父様も期待しています』


「.....」


いや、つーか、マジで困るんだけど。

お父様とかなんか嫌な響きにしか聞こえねー。

と、青ざめながら思っていると。

電話をかして。

という感じでゴッド牧瀬が手招きをした。

いや、多分駄目だと思うが、と思いながら渡した。


「もしもし!アンタ、戦いの事、覚えてる!?」


『.....?.....貴方.....は.....ゴッツマキマキさん?』


「何よそれ!ゴッツマキマキって何かハッスルみたいじゃない!ゴッド牧瀬よ!!!!!」


スゲェ、相手が答えた。

俺はその様に思いながら。

ゴッツマキマキさんの様子を見ていた。


「私は貴方を許さないわ!良い?そら、の気持ちも考えなさい!!!!!」


「.....何だそりゃ?」


俺がツッコンだ。

ちょっと待て。

そら、の気持ちって何や?

俺は首を傾げる。

ゴッツマキマキは俺の顔を見て盛大な溜息を吐いた。


「.....アンタも鈍チンね!まぁ良いわ!とにかく!こっちにも譲れない事があるのよ!!!!!良い!?勝負しなさい!!!!!」


『.....勝負?.....何の勝負.....ゴッツマキマキ』


「ゴッツマキマキじゃないって言ってんでしょーが!!!!!って言うか忘れないでよ!?」


おう、もう駄目だ。

相手は確実に忘れてるし、気にもしてない。

明らかに不利だぜ。


「良い!?説明するわよ!概要はね!雄大くんを賭けて勝負よ!!!!!」


「ちょ、何!?直球だな!」


「その方が分かりやすいでしょうが!!!!!分かった!?.....あ、もしもし?.....日本国憲法ではね。婚約は一人に限られているのよ。だから.....分かるかしら?この意味」


何か、ニヤついて話すゴッド牧瀬。

すると、直ぐに返答が来た。


『.....分かった。雄大くんは渡さない』


「ふふーん。良かったわ。じゃあ、戦いね!」


俺の意見を聞け。

って言うか、何でこうなるのか知らんが定まった。

この連合軍の目的は。

復讐でも憎しみでも無い。

俺を取り合う様な戦争だという事だという事に。

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