第17話 結束同盟


『ハァァ!!!!?ぶっ殺すぞ雄大、テメェ!!!!!』


またデジャブ?だな。

俺は屋上で電話をしていた。

突然、今度は撫子さんから電話が掛かってきたのだ。

また察されて途轍もない剣幕で怒られている。

約束の件に関して、も。


「.....ちょ、落ち着いて下さい」


『ハッハッハ!成る程な、落ち着け.....って、落ち着けるかァ!!!!!何でそんなに女難が酷いんだオメーは!!!!!ふっざけんな!!!!!、そらき、と、そら、の約束を忘れんなよ!!!!?」


今にもスマホから撫子さんが飛び出してきそうな勢いである。

俺は真剣な顔付きで、言う。

それは何があっても忘れない、という事を。


「.....大丈夫っす。忘れてないっすよ。アイツは.....生涯守ってみせますから」


『.....それなら大丈夫.....か?まぁ、大丈夫じゃ無いかも知れんが。とにかく。もし何か付き合うとかあったらオメーをぶっ殺すからな』


「.....な、ちょ、勘弁して下さい......」


苦笑しながら、俺は話す。

すると、屋上のドアが開き。

誰かがやって来た。


「.....?」


「.....雄大くん」


「.....お前.....」


ミタちゃんだった。

俺を和かに見据えてイソイソと此方にやって来る。

そしてハンカチで口元を抑えた。


「.....風が強いですね」


「.....あ、ああ」


俺は撫子さんの『何だ!?誰だ!?』という電話を切りながら。

ミタちゃんに静かに向く。

そんなミタちゃんは俺を真っ直ぐに見てくる。


「.....」


「.....」


気まずい。

俺はその様に思いながら、ため息を吐いた。

すると、ミタちゃんが決意した様に。

俺に向いてきた。


「.....雄大くん。その.....私と付き合ってくれませんか」


「.....!!!!!」


俺は見開いて、複雑な顔付きをする。

その時だった。

いきなり、屋上のドアが開き。

そして影が現れた。

幾つかの影が、である。


バァン!!!!!


「させないわ!!!!!」


その人物は、ゴッド牧瀬&そら&ハチマキを着けた真であった.....って。

一体どういう事だ!ゴッド牧瀬って!!!!?

ちょ、オイ!

何が起こっている!?

って言うか、ここ高校だぞ!!!!!


「今日は学校が思った以上に早く終わったわ!だから邪魔しに来たの!!!!!」


「いや、ちょ、アホなのかお前は!?」


早く終わったから邪魔目的に高校に侵入っておかしいだろ!

俺は、そら、と真を見る。

お互いに頷きあって、そして俺に詰め寄って来た。

電話が掛かる。


『雄大。私達、同盟を組んだの』


「.....ちょ、同盟って何だ.....オイ.....?」


俺は苦笑いと汗を浮かべると同時に、真が言葉を発した。

キッと俺を睨み付けて、涙目の真。

な、何だよ。


「お前という裏切り者を倒す為にそれぞれの同盟を組んだのさ!!!!!」


ナニイッテンノ?????

頭に手を添えて、俺は首を振った。

このクソ馬鹿ホビット.....。

裏切ったな。


「お前という馬鹿野郎とアホは.....」


「うるさい!!!!!お前の様な裏切り者は絶対に許さない!!!!!」


「.....」


取り敢えず後で真は絶対的にしばき倒すとして。

一体、何の為に同盟を組んだんだ!と、思っているとゴッド牧瀬が目を三角形にして喋り出した。

後ろに目を輝かせた2人を置いて、だ。

ビシッとミタちゃんに指差す。


「.....私達は貴方の事が気に入らない!だから倒すわ!!!!!」


「.....雄大くん。いつ家に来ますか?」


「話を聞けぇ!!!!!」


ゴッド牧瀬は目を三角形にして盛大に叫ぶ。

何だか知らないけど、そら、と真とゴッド牧瀬。

仲良くなってんな。

俺は思いつつ、柔和な顔付きで頭を掻いた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る