第13話 そら、の願い
『ぬあぁにぃ!!!!?あのクソエッチなラノベ作家、ゴッド牧瀬にそんな事をされたってぇ!?』
「.....流石の俺もカチンと来ました」
アンタも十分にエッチだと思うだが。
その様に思いながらも、口には出さなかった。
俺達は撫子さんとは電話番号とラ○ンのI.Dを交換したのだ。
ラ○ンで知らせようと思ったが、直ぐに話をしたかったので電話で。
相談する人が撫子さんか真ぐらいかと思い、考えたが。
真に知らせたらまた煩くなりそうだったので、先輩という事も有ったので撫子さんに相談した。
撫子さんは俺の相談内容にお怒りである。
相談内容は、ゴッド牧瀬について、だ。
『同じレーベルだな!ゴッド牧瀬め!雄大と、そら、に何という事を!!!!!ぜってーぶっ殺してやる!!!!!』
「いや、流石にぶっ殺す必要はないと思いますが.....でも.....」
俺は俯いて、そして考え込んだ。
あの性格はそのままにしておいたらなんか。
頼れる人を失う様な気がする。
それは小学生の時の俺の様に、だ。
☆
『お前.....だから嫌いなんだ』
☆
かつての、俺の大切な親友が。
その様に話した。
今でも忘れられない。
「.....ゴッド牧瀬は俺に任せて下さい。教育します」
『そんな事をする必要は無いぞ。雄大。.....ぶっ殺す!!!!!』
「いや、ちょ、話を聞いて下さい.....」
真面目にお怒りになっている。
本当に良い人だな。
その様に思いながら、口角を上げる。
『でも、何でオメーが頑張るんだ?そんな奴の事』
「.....アイツは.....昔の俺に似ています。だから放って置けないんです」
『.....ふむ。不思議な奴だな。オメーも。だってそういう奴とは絶交すれば良いのに。切り捨てたりな」
「簡単に言えば見捨てて置けないんですよ。ごめんなさい。俺が優し過ぎるっつーか.....駄目ですね。俺って。まぁ、そういう事です」
その様に話して俺は自室から左隣を見る。
静かに佇む、ゴッド牧瀬ハウス。
俺はそのゴッド牧瀬ハウスを見てから決意を新たにして、そして握り拳を作った。
その時だ。
ビシッビシビシッ!!!!!
窓に何かが無数にくっ付く音がした。
俺は眉を寄せる。
そして窓に近づいて行く。
『おい、何の音だ?』
「.....ちょっと用事が入ったので切ります。すいません撫子さん」
俺はその様に話して。
窓の外を見た。
そこにはおもちゃの弓矢を構えている、そら、が。
相変わらずのジェイソンマスク姿で、居た。
「.....何やってんだお前」
『電話が通じないし、掛かっても来ないし。ふざけている』
「あのな。俺だって用事が有るんだぞお前.....」
お前に毎回毎回、構うのは無理があるわ。
俺だって仕事が.....って。
ん?
「.....お前、俺の事を嫌ったんじゃ?」
『う.....確かに、一度は嫌った。だけど、考え直して、考え直した。そんな事で拗ねていたら馬鹿じゃないのかって。話がある』
「.....?」
首を傾げた。
何だ、話って。
思っていると、そらき、は言い出した。
それも、電話越しでは無い。
直接、仮面を取って、話した。
「.....私は有能さを世の中に猛アピールするから。だから雄大。離れないで」
「.....!!!」
その目は潤んでいた。
お願いだから、私から離れないで。
その、切なる願いが。
「お前はアホか。元よりお前から離れる気なんぞ.....」
『でも、お隣さんを掃除していた』
「.....」
全くと間違いは無いな。
俺は俯く。
確かに俺はお前から離れて、掃除していた。
それも一人暮らしの女の子の家を、だ。
『イチャイチャしていた』
「してねぇぇよ!!!!!!!!!!!」
誰があんな奴と!
俺はその様に頭を抱えて、話す。
目の前では再び仮面を嵌めている、そら、が嫉妬している。
俺は苦笑しながら、そら、に向いた。
「そら、お前から離れる事は無いよ。(幼馴染)として、な」
『.....幼馴染として?え?』
「.....ん?なんかおかしい事を言ったか?俺」
ギィ。シャッ。
唐突に窓が閉められ、カーテンが、って。
ちょ、オイ、何でだァ!!!!!
直ぐに叫ぶと、スマホの画面に何かが表示された。
ライ○だ。
(バカ雄大)
と、一言だけ書かれていた。
ちょ、何が馬鹿なのか!?
俺は多いっきり困惑した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます