第2話 身体の基本『気・血・水』

 次は、薬膳において基本となる人体の組成、『けつすい』についてのお話です。まずはここから理解しないと始まらない訳です。





 まず薬膳においては、人体は『けつすい』から構成されるとされています。


 は、いわゆる活動の源になるエネルギーであり、気力とか気持ちとか胆力とか、そういう概念のものです。


 けつは、通常の血と同様に、全身に栄養や気を巡らせるものです。西洋医学で言う所の血とは、若干概念が違ってきます。


 すいは、身体中に含まれて巡っている水分の事で、血とは違うものです。リンパ液や細胞液や消化液など、様々な働きをするものの概念になります。





 この3つの要素が、人の身体を構成しているとされています。この3つが、多くても少なくても身体に良くない状況になります。


 気がスムーズに流れないで滞るのが『気滞きたい』で、イライラや怒りっぽくなったりします。気が少なくなると『気虚ききょ』となり、息切れやダルさとして表れます。


 血が滞る事は『血瘀けつお』となり、肩こりや頭痛・静脈瘤などになったりもします。また血が足りない『血虚けつきょ』は、立ちくらみや目のかすみなどとなります。


 水が多くて水分代謝が悪い『水毒すいどく』では、むくみや身体の重ダルさなどになります。そして水が足りない『津液虚しんえききょ』では、皮膚のかさつきや乾燥性の症状が表れたりします。





 身体に現れるこういった症状から、何が滞っているのか何が足りないのか、判断をして食事で改善しようというのが、薬膳になります。


 特殊な食材はあまり使わずに、普段使いの食材で改善して行きますので、あまりお金もかからない『食養生』が薬膳という訳なのです。

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