不思議な花に関する描写がお上手で、美しいものを想像せずにはいられませんでした。だからこそ、最後の展開にはよけいにぞっとしました…さりげない伏線の張り方もお見事でした。
美しいと感じるものには、二種類ある。一つはその美しさによって対象を誘い、自分に有用なものを引き寄せるもの。もう一つはその美しさによって相手を威嚇し、触れがたさを覚えさせるもの。どちらにせよ、私たちは一度それに魅せられたら二度と後戻りはできないのかも知れない。